打音検査はクルマの車検ラインでも行なわれていますが
ハンマーでネジの頭を叩いてその音質によって
ネジの緩みを発見する検査方法です。
基本的には高い音だと良くて低い音だと緩んでいることになり
噂では前時代的としてクルマではすでに日本以外の国では
用いられていない検査方法と聞いたことがあります。
インプラントの場合は専用の電動器械があって
金属ロッドが飛び出してコツン、コツンと義歯を叩くと
機械の声で「シーバー、ツー(と聞こえる)」などと教えてくれる仕組みです。
どうやら英語に聞こえる数字の部分が大きいと良くない結果
つまり緩みがあるのだと聞いたことがあります。
そして今回の検査の結果は
K先生の説明では義歯とアバットメントの接着剤の経年劣化または
アバットメントとフィクスチャーを固定するネジの緩みの
2つの可能性があるとのこと。
確かにこのインプラント部の歯茎からはたまに出血があったり
歯ブラシの時に痛みを感じたりの異常を感じていたので
その原因が義歯がぐらついていることで
周囲の歯茎を刺激している結果なのかと私なりに納得はできたのです。
まずは義歯に設けられた突起に
専用スライドハンマーを引っ掻けて義歯を外しました。
とても簡単だったため多分、接着剤が劣化していたのでしょうと説明され
それでも次に疑いのあるネジの緩みもトルクスレンチで確認したところ緩みはなく
原因は特定されたかのように思えたのでした。
ところが、です。
念のため義歯のない状態で再度アバットメントに器械を当て直接叩いたところ
なんと、やはり緩んでいることを表わす結果が出てしまったのです。
アバットメントとフィクスチャーを固定するネジが緩んでいないのに !?
K医師曰く「2週間から1カ月間、人工歯(義歯)を外して様子をみましょう」
外して様子を見る・・・。
この時は深く考えませんでしたが今にして思えば、この意味は最悪の3つ目の可能性である
フィクスチャーと骨との接合の不具合に因る緩みが生じていて
もしかして時間が経てば修復されるかもしれないということだったのでしょう。
そしてそれから9日後、頬の内側を使って歯茎を吸った際に突然
ザクッと砂っぽい感触とともに何かが抜けて転がり
指でつまみ出したところそれが本来歯茎に埋まっているはずの
フィクスチャーだったことで現実の事態となってしまったのです
ずっと以前インプラント治療の失敗例としてこうした抜け落ちる症状を
ネットで見たことはありましたが、これまでとても快調な生活を送って来られたので
すでにこんな可能性などまったく忘れていたわけでして…。
(続く)