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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* 磯の白の謎が解けた!
コガ坊たちも、大正区を中心に毎夜捜しに出掛けている。
私も休みの日は、ぶらりと走ってみるのだが、
依然として、手がかりは掴めない。
海中ということなので、海岸線沿いに捜してみたが、
あまりにも範囲が広すぎた。
皆、だんだんと気が立ってきている。
残された日は、あと2日しかない。
明日は、いよいよ最後の日だという日に、
N先生から、緊急の呼び出しが掛かって来た。
会社のすぐ近くにいるので、
しばらく、抜けられないかという。
私は、締めの日でもなかったので、
知り合いが近くに来たので会いに行ってくると、
女の子に告げて、外に出た。
むんとした夏の日差しが、銀杏の葉を痛めつけていた。
N先生とちうは、喫茶店で待っていた。
二人の顔は明るかった。
その顔を見て、さては最後の難関も突破したなと、
直感で、分かった。
N先生が朝刊を見ていた時、ある偉い画家の先生の、
99才のお祝いの話が、片隅に載っていたそうだ。
人は、これを白寿と呼ぶ。
白は99を示していたのだ。
しかし、大正区には、海の傍に99番地はなかった。
ちうは、これをツーナインと呼んだ。
日頃のMBG生活で、デジパチに結びつけたのだ。
磯が、99。
磯が、ナインナイン。
磯が、無い無い。
これは、堤防を表しているのだ。
最近では、磯は堤防のため、
無くなっている所が多いのである。
大正区の南側には、木津川運河を隔てて、
小島のような埋立地がある。工場地帯だ。
夜間は、フル操業でもしない限り無人に近い。
近頃では、時短のこともあり、それに景気も、
あまりよくないので、ガラガラのはずだ。
Mキラリーに取っては、願ってもない場所だったのだろう。
「とうかい」は、恐らく「倒壊」を意味しているはずだ。
二人は、喫茶店で、そのような書き付けを見せてくれた。
Mキラリーに聞かれると、不味いからである。
その夜、関係者全員で、現場に行くことにした。
つづく