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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* 時限純愛ゲーム
このゲームの対戦相手は、観女センティ対Mキラリーだ。
こりゃ、おもろいぞ。
話が何処にどう飛ぶか分からないスリルがある。
私たちが、遊んでいるゲームの内容は、次のようなものだ。
ゲームの名称:「時限純愛ゲーム」
特長:
マンネリの人生を送っている男性と女性が、
カップルになり「縄通」ネットを通じて
「純愛ごっこ」をし、活力あふれる人間に
再生することを目指す。
遊び方:
純愛ゲーム・コーナーを設ける。
参加希望者は、このコーナーにカップルになりたい
相手の理想像を書き込み、自己紹介を書いて登録する。
これは、お遊びなので、何をどう書いても許される。
真実を述べる必要は一切なし。気にいった相手がいれば、
申し込みをし、合意すればゲームに、入る。
その時点で、当事者は、その登録の抹消をする。
勝敗:
結婚をしようと、先に言ったほうが負け。
(ゲームの終了は、どちらか一方が、結婚の申し込みを
した時、または、そういう状況に追い込まれた時)
往復10回まで。勝負がつかない時は、
ジョジィが判定する。
結果は、当コーナーに報告し、年間最多勝利者には
賞品を授与する。景品は未定。
規則など:
・ 参加資格は、紳士・淑女のモラルを持って節度ある
言葉のお遊びを楽める人。
・ 私生活には持ち込まない。
・ 画面の前を離れると、一切を忘れる。
・ 一度に、二人以上の相手と交際しない。
但し、1ゲームが終われば、何回参加しても可。
・ 1回の書き込みは、400字以内とする。
だが、短いほど望ましい。
・ 期間は20日以内とする。
・ 勝利者賞は当事者同士で決めても可。
金額にして1万円以内。
現金および現金に類似するものの授受は、
原則として禁止する。
罰則:
著しくルールを乱す者は、6カ月の当ネットからの
締め出し。
以上が、「縄通」ネットのゲームの説明だ。
これを、そのまま適用するわけにもゆくまい。
かなりアレンジする必要がある。
「純愛」とは少しテーマが違うので、
「先に怒った方が負け」に変えている。
応答時間は5分以内、賞品、賞金はもちろん無しだ。
チャット形式で、実行する。
つまり2台以上のパソコンやワープロを使って、
書き言葉で、話しをするようなものだ。
スタート。先攻はセンティだ。
頑張れ、センティ!
「
1・「愛するオニン様へ」
もし、あなたさまが、この私を愛して下さっているのなら、
私をすべて食べて下さい。髪の毛も爪も骨も、
何も残らないようにお食べ下さい。
そうすれば、私は、あなたさまのなかで永遠に
生き続けられるでしょう。
あなたと共に。
どうか、私の願いを聞き届けてくださいね。
不治の病を宣告を受けたチィーカより
」
凄い出だし。Mキラリーの奴、どう出るか?
さすがは、慣れのセンティ。
「
{可愛いチィーカへ}
君が不治の病だって!
何という神の悪戯だ。
しかし、私は、生きている君を食べる気はないし、
君を死なせたりはしない。
誰かそこいらに転がっているパッパラパーの女の、
生き血を抜きとって、そっくり入れ替えてあげるから、
心配しないで、待っておいで。
大船オニン
」
「
2・「頼もしいオニン様」
ありがとう、優しいあなた。
でも、わたしは、ひとの生き血を吸ってまで
生きたくはないわ。それに、あなたを犯罪者にして、
生きてゆく、勇気などありません。
このままでいいチィーカ
」
「
{弱気のチィーカへ}
何を言うのだ。私は、君のために犯罪者に
なることなど、厭いはしない。
世の中には、不要な人間も多いのだ。
そんな奴等の一人や二人、君のために
居なくなってもいいんだ。
私は、必ず君を助けてあげる。
犯罪歓迎オニン
」
「
3・「ダメよ、オニン様」
この世に不要な人なんて一人も居ないのよ。
みんな、何らかのつながりを持って、生きているわ。
人間には、そのつながりを切る権利なんてないのよ。
お願い、馬鹿なことをするのは、止めて下さいね。
あなたのわたしに対する、気持だけでいいの。
そういう考えは、心の中だけのことよ。
外に出しては、だめ。
わたし以外に、見せてもだめ。
そういうものなのよ。
心の痛むチィーカ
」
「
{チィーカを失いたくはない}
私は納得出来ない。
この世は、私の頭の中でしか存在しない。
だから、私の思うことがすべてだ。
思うことは、実行することによって、生きるのだ。
頭の中だけで辛抱するのは、もう厭き厭きしている。
このまま、何もしなければ、君を失ってしまう。
そんな事には、耐えられない。
亡くするのは、おジィさん一人で十分だ。
私には、君しか残っていない。
頑張るオニン
」
「
4・「オニン様のわからず屋!」
わたしが、いくら頼んでもダメなのね。
じゃ、もう頼まない。
でも、あなたのくれる血は要りません。
とても耐えられないわ。
人の不幸を犠牲にした幸せなんて、
思い違いの世界なのよ。
きっと破滅するわ。
オコリンボ・チィーカ
」
ああっ、センティが負けた。
あの冷静なセンティが・・・
やはり、Mキラリーの世界は、
慈悲のセンティには、通じないようだ。
私は、センティが、きっと勝つと踏んでいたのだ。
ジョジィとセンティが勝って、私の出番はない。
そんな甘い期待も、ふっ飛んでしまった。
私が負けると、大変な事になる。
とても自信がない。
この歳になってスピード競争など、
とてもじゃないが、勝てる訳ない。
クジ運のない者は、どうして、こう不運なクジばかりは、
当たるのだろう。
宝くじでも、一発当たればいいものを、
しようもない物ばかりに、当たりやがって、畜生め!
つづく