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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* 大和三山(024)
冬の寒い晴れ渡った日の朝、
南大和盆地には靄(もや)が掛かることがある。
私は、その景色を一度見たいと思っていた。
そのため、天気予報には特に注意を払っていた。
土曜日か日曜日の朝であればと願っていた。
5時起きをしなければならないからだ。
晴れの日の寒い早朝、目覚ましで起きてはいるのだが、
なかなか靄は掛からない。
一冬で数えるほどしか、お目にかかれない。
不運な(?)ことに、ある月曜日の朝、靄が掛かった。
私は、Oさんを起こさないように、そっと寝床を抜け出し、
サヤカを連れ出した。
近所迷惑になるので、団地のハズレまで手で押して行き、
エンジンをかけた。
行く場所は決めてある。
山の辺の道沿いの小高い丘の上である。
もう何十回となく行っているので、
暗闇でもゆけるようになっていた。
つづく