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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
サヤカは、α線やβ線は、透過力が弱いので、もっぱら私の
γ線を利用しているようだ.。
この近くで放射能を浴びられる所と
言えば若狭湾に群がる原子力発電所しかない。
近代科学の粋と言っても所詮人の作ったもの。
いつかは漏れるのではないか。
そう睨んだ私は半年だけサヤカと離れることにした。
事故を起しやすそうな原発を選んだ。
最新設備の所が一番疑わしい。
科学の力に過信してしまっているから人間が隅に
追いやられる。
そんな所の方が事故が起りやすいと確信したからだ。
私は、発電所の近くでサヤカの隠し場所を捜した。
サヤカの欲しがっている被爆量はわずかでもいいらしい。
サヤカが風雨に晒されて錆びるのも困る。
人に取られても困る。
解体業者や大型ゴミとして持ち去られるのも困る。
私には仕事があるし、ずっと一緒にいてやることは出来ない。
何かうまく隠す方法はないものかと思案した。
中々いい知恵が浮かんでこない。
そうだ! いい事を思いついた。
原発の近くで不審がられずに、
ずっと置いていて、盗まれたり錆びたりしない、
安全な方法は、これしかない。
金はすこしかかるが、サヤカの能力アップが楽しみだから、
先行投資だと思って、実行することにした。
それは、原発で働く人に頼み、
サヤカを通勤に使ってもらうことだった。
地元の人で原発で働いていてバイクに乗れる人。
私は、10回近く通って、そういう人を捜しだした。
借りて貰う理由づけに、これまた頭を悩ました。
日本海側と太平洋側とでバイクの錆がどう違うか研究している。
だから、モニターとして、このバイクを日常的に使ってほしい。
期間は半年。
謝礼は20万円。
つづく