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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
しばらく考えてもっと原始的な方法を思いついた。
糸で縛ることだ。
もともと、私には美的感覚などないものだから、
それは見事な桜の木が、出来上がってしまった。
Oさんは、少しは喜んでくれるかな?
8時過ぎ、Oさんはいつもの日曜日通り起きてきた。
普段の日は家族の世話で6時には起きている。
「たまにはゆっくり寝てみたいわ」
これが、Oさんの朝の口癖である。
「桜が咲いてるよ」
「嘘! 昨日はそんな気配もなかったわよ。どこに?」
ウィヒヒ!
「どこどこ」と言いながら庭に出て行った。
すぐに、すごい剣幕で帰って来て戸を閉めるなり、
「あんな馬鹿なことしたの、あなたでしょ!!
いい年して何やっているの!!!」
私の頭は、予想外の反応に狂ってしまった。
どう対応していいかわからない。
ちょっとは喜んでくれると思っていたのに、
こんなことになるとは、夢にも思っていなかったのだ。
Oさんは次から次へとスカッド・ミサイル並みの、
言の葉を投げつけてくる。
つづく