まっさんの模型屋blog

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AFVモデルステップアップ(1)-タミヤ 1/35 Ⅳ号戦車H型(初期型)【仕上げ編(2/3)】

2010年11月05日 16時37分38秒 | AFVモデルステップアップ

完成が見えて来ました。

スミ入れ、ウォッシング、雨だれ表現を行ないましたので今回は泥汚れを施しましょうの前に、皆さんに謝ることがあります。

前回の雨だれ表現で「やり過ぎ感がありますが、まあこんなもんでしょう」と書いていましたが、1週間経って改めて見てみると・・・本当にやり過ぎでした。

つうことで、泥汚れの前にもう一度雨だれを拭き取って間引きしています。

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まだやり過ぎの気もしますが、まあこの位なら妥協できるかなと。

拭き取る際、1週間経つとエナメル塗料もさすがに強固で中々拭き取れない箇所がありました。中々取れない箇所はエナメル溶剤を染込ませた綿棒で擦って拭き取っています。

(ラッカー塗料で塗装しているとはいえ、あまりしつこく擦りすぎると下地が出てしまいますので、注意してください。)

それでは、泥汚れの表現を行ないたいと思います。

どのように表現しようか迷いましたが、最初なのでドライブラシでやります。

ドライブラシ(直訳すると「乾いた筆」)は塗料を付けた筆をティッシュ等で塗料を拭き取った状態の筆を擦り付けるようにして塗装するという技法です。模型のエッジやモールドの強調などにも使えます。

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泥汚れをドライブラシで表現する際は精雲堂の「ハイグレードブラシセッド 戦車モデル用」の白い柄の筆がやりやすくてオススメです。同じくセットされている平筆と面相筆も使いやすいので一度試してみることをオススメします。

続いて、使用する塗料はこちら。

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タミヤのエナメル塗料「XF-64 レッドブラウン」「XF-52 フラットアース」「XF-55 デッキタン」「XF-57 バフ」の4色を次のように混ぜて使います。

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ドライブラシは3段階行ないました。最初は暗い色から順に明るくしています。

①はレッドブラウンとフラットアースを混ぜたもの、②は①とデッキタンを混ぜたもの、③は②とバフを混ぜたものです。

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左から①、②、③の順に各色を並べていました。各色は大体1:1で混ぜています。

また、色の調合は①が終わったらデッキタンを足して②に、②が終わったらバフを足して③にといった感じで調合しています。

さて、それでは泥汚れを表現していきます。

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車体前面の写真を忘れてしまいましたが、1色目のドライブラシです。この色は湿った泥のつもりです。

車体下部、シュルツン、覆帯にドライブラシをしています。車体前面、側面、シュルツンは泥が流れる垂直方向に筆を動かしています。覆帯の接地面は適当にゴシゴシとパターンの中にも多少色が付くようにしています。

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覆帯の内側(転輪側)は赤矢印の方向へ筆を動かしています。(転輪と擦れる部分ですので擦れる方向を意識しました。)

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2色目のドライブラシです。この色は少し乾いた泥のつもりです。筆の動かし方は1色目と同じです。

多少、変化に富んできました。

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3色目のドライブラシです。この色は乾いた砂のつもりです。筆の動かし方は1、2色目と同じです。

これで、泥汚れは完了です。

さて、いよいよ次回完成になります。


AFVモデルステップアップ(1)-タミヤ 1/35 Ⅳ号戦車H型(初期型)【仕上げ編(1/3)】

2010年10月28日 19時00分32秒 | AFVモデルステップアップ

AFVステップアップ(1)もいよいよ終盤戦です。

前回で新品のⅣ号戦車が出来ましたので、いよいよ使いこまれていきます。

一言汚し表現といっても、雨だれ、泥汚れ、スス汚れ、油もれ、塗装の退色、錆等々ありまして、その表現方法も千差万別、というかまだまだ新しい技法が産まれている状態で初心者が入りづらい雰囲気があります。

が、上記のうち、雨だれ、泥汚れ、スス汚れを施すだけで随分と雰囲気が出てきますので、最初のうちはこれらの表現を行なえば十分でしょう。

また、雑誌などでは使用する道具もプラモ用塗料から油彩絵の具まで幅広く使用されています。道具を幅広く使用されているのは使い分けた方がよりリアルに仕上がるからなのですが、プラモ用のエナメル塗料でも十分に表現できますので、AFVモデルステップアップ(1)ではエナメル塗料のみで仕上げて行きます。

それでは、作業に取り掛かります。

今回の記事ではスミ入れとウォッシングと雨だれ表現を行ないたいと思います。

スミ入れ ・・・ プラモ表面に彫ってある溝や角部など暗くなりそうなところを暗色で塗り分け、立体感を表現する作業です。

ウォッシング ・・・ 「洗い塗り」。溶剤で薄めた塗料を全体的に塗りつけることで、色合いを調整したり、汚ごしの表現をしたりと効果は様々。ウォッシングをして同時にスミ入れする手もあります。

使用した塗料はこちらです。

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タミヤのエナメル塗料「XF-1フラットブラック」と「XF-64レッドブラウン」及びエナメル溶剤です。

道具の方は平筆、面相筆、塗料皿、スポイトがあれば良いでしょう。

さて、ウェザリングでなんでエナメル塗料を使うか疑問に思っている方もいらっしゃるでしょうから少々説明します。・・・なぁんて、大層な理由はありません。失敗しても拭き取れるからです。 以前の記事でも書きましたが、ラッカー系、水性アクリル塗料の上にエナメル塗料を塗った場合、溶剤で溶かして綿棒、ティッシュなどで拭き取れますので、途中で失敗したと思った方は拭き取ってやり直すと良いでしょう。

私のやり方は雑誌や解説書とは順番ややり方異なっています。どうにも気にいらない方はお気に入りの方法を探してください。

まず、スミ入れのスミを調合します。

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エナメル塗料のフラットブラックとレッドブラウンを大体1:1で混合してエナメル溶剤で2倍くらいに薄めました。多分、一般のスケールモデラーに比べるとかなり濃いと思います。

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とりあえず、車体前部を作業してみます。

まず、面相筆でへこんでいる所、角部など影になりそうな所に先ほど作ったスミを面相筆で塗りつけて行きます。(写真左)

いったん乾燥させます。

今度はエナメル溶剤を含ませた平筆で作業します。プラモの表面に筆を擦り付けるようにしてはみ出ているスミを溶かしながら伸ばしまします。(写真右、ウォッシングです。)

このとき、車体前部は前方へと傾斜がついていますので、車体後ろから前へ向かって筆を動かします。(写真だったら奥から手前へ筆を動かします。)

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とりあえず、車体の上面と前部泥除け、車体前面について同じ用に作業してみました。

まだ作業していない部分と比べるとわかりますが、作業したところはズ~ンと暗く重い感じになって、雨だれっぽくスジがついています。

まあ、このまま終わっても良いのですが、この状態はいささかやり過ぎです。もうちょっとマイルドにします。

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今度はエナメル溶剤を含ませた面相筆で適当にスジを間引いて行きます。やり方は平筆の時と一緒で擦り付けるように、傾斜に合わせて筆を動かして行きます。

このとき、ボルトやリベット、突起物からスジが伸びていると効果的です。

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車体前面、シュルツンも同じ様に作業しました。

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かなり端折ってしまいましたが、スミ入れ、ウォッシング、雨だれ表現の完了です。

車体側面の滑り止めになっている部分は雨だれになりそうにないので、スミを5~6倍くらい薄めて塗りつけるだけにとどめています。

また、転輪は回転するものですので、軸から放射状になるように筆を動かしています。

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正面からみるとこんな感じです。

少々、やり過ぎ感がありますが、まあこんなもんでしょう。

雨だれの後はもっと少なくても、薄くても良いと思います。

次回は泥汚れの表現をします。


AFVモデルステップアップ(1)-タミヤ 1/35 Ⅳ号戦車H型(初期型)【塗装編】

2010年10月19日 18時50分49秒 | AFVモデルステップアップ

どうも、長いことお待たせしました。

ほぼ一ヶ月ぶりに塗装編へと進みます。(【2010/10/21追記】キャタピラ(覆帯)の上塗り後写真を追加しました。)

AFVモデルは塗装範囲が結構大きいので、筆塗りではなく吹きつけ塗装をオススメいたします。

今回はスプレーを使って塗装します。使用したのはコチラ。

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タミヤのファインサーフェイサーLライトグレーとタミヤカラー スプレー塗料ミニ  TS-3 ダークイエローです。

ドイツ戦車といえば3色迷彩をイメージする方も結構いらっしゃると思いますが、今回はスプレーのみなのでダークイエロー単色で塗装します。

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砲塔と車体を分けて塗装します。車体は台に乗せたまま、砲塔は空き缶などに固定して持ち手を確保しています。車体は裏面も塗装します。

ガンプラステップアップ(1)でも述べましたが、スプレー塗装は20~30cm位離れた位置から「シュッ、シュッ」と吹き付けていきます。決して「ブシュー」と吹き付けないようにしましょう。

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シュルツンとキャタピラ(覆帯)はダンボールなどに両面テープやマスキングテープを輪っかにしたもので貼り付けて塗装します。また、シュルツン、キャタピラ(覆帯)は両面塗装しますので忘れないで下さい。

サーフェイサーを吹きつけて乾燥したら、いよいよダークイエローを吹付けます。ダークイエローもサーフェイサーと同じ様に20~30cm位離して吹付けます。そうしないとこんなハメになります。

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赤丸で囲ったところは、塗料が多くついてしまって垂れてしまいましたので #800~#1000の紙ヤスリで削って塗膜を剥がしたところです。剥がしたところはもう一度塗装して修正します。

さて、吹きつけ塗装が完了したところで、筆塗りで細部の塗りわけをしていきます。

なお、奥まってスプレーが届きにくいところは筆塗りします。スプレーが届きにくい→見づらい→筆ムラは良く分からん、となりますので筆塗りで十分です。

使用した塗料は次の通りです。

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全てタミヤの水性アクリル塗料を使用します。色数がMr.カラーに比べて少なく説明書で指定しているキットも少ないためかあまり日に当たらないタミヤカラーですが、結構良い色が揃っています。

使用した色は、XF-49:カーキ、XF-60:ダークイエロー、XF-78:木甲板色、XF-69:NATOブラック、XF-56:メタリックグレイ、X-26:クリアーオレンジ、XF-64:レッドブラウンの7色です。

「いきなり7色?!」なんて言わないでください。NATOブラックとレッドブラウンが多少消費が多いものの、各1ビンあればしばらくは戦えますのでケチらずに揃えてみてください。

まずはキャタピラ(覆帯)から行きましょう。

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下塗りとしてレッドブラウンを塗ります。車体に載せてあるキャタピラも塗ります。

車体に載せてあるものの内、正面のものの様に大きいものは回りに紙を敷いてやると塗りわけが楽です。また、筆塗りする際は右の写真のように小指を車体に乗せて作業すると筆が安定して作業しやすいです(出来ないところは気合です)。

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下塗りが終わったら、NATOブラックを2倍くらいに薄めたものを上から塗って行きます。色ムラが出来ても修正は不要です。むしろ、下塗りのレッドブラウンが所々透けて見えるor所々むき出しの状態の方がそれっぽくなります。なお、上塗りの際に凸部のレッドブラウンが一部剥がれていますが、仕上げ時に銀色に塗る箇所ですのでそのままにしています。凹部が剥がれるころはないと思いますが、剥がれた場合はレッドブラウンを塗ってください。

(【2010/10/21修正】赤字部修正、記述追加)

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続いて、転輪のゴム部分を塗り分けます。使った色はNATOブラック。面相筆でチマチマと塗りわけました。所々はみ出した部分もありますが、ウェザリングすると目立たなくなりますので修正はしません。

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残りはスコップやらジャッキ等の細かいものを塗り分けていきましょう。

スコップの金属部分や機銃、ジャッキなどの金属はNATOブラックにメタリックグレイを少々混ぜたもの(3:1~5:1位)を塗ります。

スコップ、オノなどの柄、クリーニングロッドの柄などは最初に木甲板色を塗ります(写真左参照)。乾いたらレッドブラウンとクリアーオレンジを等量混ぜたものを2~3倍に薄めて上塗りしました。(写真右参照)

写真には入っていませんが、クリーニングロッドの先端はカーキで塗装しました。

ここで多少はみ出た部分は修正します。

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ひどいのがありましたので、そちらで修正の説明を・・・(するまでもないとは思いますが)。

塗ってる最中にくしゃみをすると左の写真のようになります。修正といってもダークイエローを上から塗るだけなんです。修正後が右の写真です。

スプレーで塗りづらかったところ、塗り忘れがあった場所は同じ様に筆塗りします。(もう一回スプレーからってなると大変ですからね)

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塗装完了です。だんだんそれっぽくなってきました。

次回はスミ入れをしていよいよウェザリングに取り掛かりたいと思います。

それでは次の記事でお会いしましょう。


AFVモデルステップアップ(1)-タミヤ 1/35 Ⅳ号戦車H型(初期型)【本組み編】

2010年09月22日 17時40分08秒 | AFVモデルステップアップ

いよいよ本組みに入りますが、あまり細かいところは説明しませんので基本的なことを最初に説明しておきます。

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バリ(写真左)とパーティングライン(写真右)が結構部品についてますので、ナイフやヤスリで除去しましょう。

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こんな感じに除去しました。

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続いて、押し出しピン跡。プラモは金型から外す際に外側からピンで押されます。この跡が左の写真のように部品に残ってしまうことがあります。広い面の場合はパテで埋めたりしますが、写真のように小さな部品は折りたたんだ紙ヤスリで面全体を均一に削っています。

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こんな風になりました。

あと、写真を忘れましたが部品をランナーから切り離した時のゲート跡もナイフやヤスリでキレイに除去します。

以上が基本的なことですので、部品をランナーから切り話したらチェックして処理してください。平面ではヤスリスティックハードが便利です。

それでは、説明書とおりに組み立てていきます。

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いきなり注意点と手を加えたいところがありました。

左の写真です。普通に接着しただけでは、マフラー排気口の根元に大きくすき間ができますので、パテ埋めします。写真が少なすぎて申し訳けありませんが、パテが固まったあと、紙ヤスリを2つ折りにして整えています。

そして右の写真ですが、キットのままでは少々肉厚なので排気口の先端を斜めにナイフで削って、口元が薄くなるようにしました。

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ドンドンいきます。側面装甲の前側はすき間と段差が出来たので、パテ埋めしました。

ヤスリスティックが非常に良い仕事をしてくれたので楽でした。

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上部転輪を接着するとき、1列になるように気をつけて接着しましょう。

そして、写真を忘れてしまいましたが、サスペンションを接着する際、机(床)など平らな場所で全ての転輪が接地していることを確認しましょう。傾いていたりした場合は接着剤が乾く前に調整しましょう。

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起動輪(スプロケット)は覆帯(キャタピラ)がゆがむことなく巻きつくことを確認します。

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転輪のパーティングラインは普通真ん中に出来ていて、実車も新品の頃は真ん中にパーティングラインがあるのでゲート処理だけでもOKなのですが、このキットはズレてパーティングラインが出来ています。仕方ないので、全て除去しました。ここでもヤスリスティック大活躍です。

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手首を効かせて丸く削ります。あまり角張らないように気を付けて作業しましょう。多少角張ってしまったら、あまりいじらずそこでストップしましょう。覆帯との接触部に平らな部分を持ってくる等ごまかした方が良いでしょう。

そして、転輪を接着しますが、このとき全ての転輪が机(床)に接地することを確認しましょう。(これも写真忘れました・・・)サスペンション接着の時にきちんと出来ていれば、大丈夫なはずです。

ハッチ類は接着する前にきちんと組み合うことを確認してから接着します。

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今回の数少ないドレスアップ。

車体の同軸機銃は銃口があいていないので、0.5mmの穴をピンバイスであけました。

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シュルツンステーの作業まで来ました。う~ん、パーティングラインとかバリとかの騒ぎじゃないです。金型がズレて成型さています。ヤスリスティックで平らに削りました。

その他諸々部品を切って、削って、接着して車体が完成です。なお、予備転輪と覆帯(キャタピラ)はまだ装着しません。

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砲塔の組み立てに移ります。砲身はずらさずに接着し、丸くなるように整形します。写真のように紙ヤスリを巻き付けてグリグリ削ると良い感じになります。

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防盾の溶接ビードと7.5cm砲に目立つすき間がありました。この場合、溶接ビードを削って新設するのが正解だと思いますが、ステップアップ(1)ということでパテ埋めしてごまかします。

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写真にあるように、つまよう枝先端にほんの少しだけパテを乗せて、チマチマと埋めて行きます。

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はみ出たパテをナイフ、紙ヤスリで除去します。小さく折りたたんだ紙ヤスリをメインに作業するとやり易いです。

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車体の同軸機銃と同様に、砲塔の機関銃にも穴を開けます。0.8mmの穴をあけました。

(たしか、両方ともMG34という機関銃だったと思ったんですが、こっちの方が大きいんですよね。記憶違い?)

そうそう、ハッチ類は開いた状態と閉じた状態を選択するようになっていて、今回は全て閉じた状態にしているので、砲塔内部は一切塗装していません。ハッチを開きたい方は、説明書の手順通りに内部を塗装してください。

あとは、車体を組み立てた要領で丁寧に根気良く組み立ててください。

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組み立て完了です。塗装しづらいので、シュルツン、予備転輪、覆帯(キャタピラ)はまだ組み付けていません。

次回はいよいよ塗装します。


AFVモデルステップアップ(1)-タミヤ 1/35 Ⅳ号戦車H型(初期型)【仮組み編】

2010年09月22日 16時30分04秒 | AFVモデルステップアップ

ステップアップシリーズ第2弾です。

タイトルにあるとおり、今回はAFVモデルを作成しながら私なりのやり方を紹介したいと思います。

AFVというのは「Armored Fighting Vehicle」の略で日本語にすると「装甲戦闘車両」、つまり戦車や装甲車のことを言います。

(もっと言うと装甲化され攻撃用の武装を備え戦闘に運用される車輌なので、装甲車でも固有の武装がなければAFVにならなかったりします。)

とはいっても、これは現実の軍事の区分けで、プラモ界ではジープとか対戦車砲とかはては牛や鶏までもひっくるめてAFVと区分けされていて、かなり広い間口を持っています。

さて、今回作成するキットはコレ(↓)です。

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タミヤのミニチュアミリタリーシリーズから「1/35 ドイツ Ⅳ号戦車H型(初期型)」を使用します。このⅣ号戦車は第二次世界大戦でドイツ戦車の主力として主戦まで活躍した戦車です。ガンダムでたとえるならザクⅡといったところでしょうか。そして、Ⅳ号戦車はJ型までありますが、J型では動力旋回砲塔が廃止されている(手動式になった)ので戦闘力はH型が最強という評価もあります。

今回はステップアップ(1)ということでタミヤのキットを選びました。プラモはメーカーによって組み立て易さに結構差があるので簡単なタミヤを選んでいます。幾つかのメーカーについて軽く説明します。

(なお、2010年9月時点での私的評価なので今後変わることがあります。また、全メーカーの全キットを作るなんてできませんので、全てのキットを総括した評価ではありません。)

タミヤ:部品点数少なめ。特別な加工はほとんど必要じゃないので、非常に作り易い。

ファインモールド:部品点数も、作り易さもタミヤと同等。細部のモールドはタミヤより良いかも。ただし、AFVは旧日本軍戦車のみ。

ドラゴン:部品点数はかなり多く、エッチングパーツが当たり前のように付属。実車の再現度はピカ一。部品の修正、加工はほとんど必要なく作り易いが、部品点数が多いので長期戦になりやすい。

イタレリ:部品点数そこそこ。部品の修正、加工がそこそこ必要になるので、作り易さもそこそこ。

トランペッター:イタレリと似た感じ。

ズベズダ:部品点数云々は関係なく、修正、加工がかなり必要なのですごく難しい。

ミラージュ:ズベズダと同様・・・いやそれ以上に覚悟が必要。

ということで、初めのうちはタミヤ、ファインモールド、ドラゴンあたりから手を付けて行くことをオススメします。聞いた話ですとタスカも結構良いみたいです。

それでは、道具を準備しましょう。

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今回使用した道具はこんなところです。写真の左からニッパー、カッターナイフ、棒ヤスリ(甲丸)、ピンセット、ヤスリスティックハード#400、紙ヤスリ(#400と#1000)、つまよう枝、ベーシックパテ、タミヤセメント(流し込みタイプ)、リモネンセメント。と、マスキングテープ(6mm幅)、ピンバイス(写真に入れ忘れましたが、0.5、0.8、1.0mmのドリルも)を使用しました。

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それでは、毎度のごとく道具の説明から。

なお、ガンプラステップアップ(1)で説明した道具は今回説明しませんので、今回新しく増えた道具のみを紹介します。

まずは、ヤスリスティックハード。

硬質ベースに紙ヤスリが貼り付けてあるヤスリです。耐水性があるので水研ぎができて長持ちしますし、平らな面の整形に威力を発揮します。3本セットで399円とそんなに高くもなく、良い働きをするので一度試されては如何でしょう?

次にリモネンセメント。

有機溶剤が入ってない接着剤ですので、有機溶剤の匂いに弱い方などにはオススメです。

通常の接着剤と同様にプラスチックを溶かして接着するタイプですので接着強度も問題ありません。ただし、乾くまでに時間が掛かるというのが難点ですが、面倒な位置決めがある時に使うというのも手ではあります。

続いて、マスキングテープ。

普通は塗装時に使用します。色を塗り分ける際、色の境目に貼るテープです。セロハンテープなどよりも粘着力が弱いので、テープを剥がす際に塗膜も一緒に剥がすことがありません。(メタリック系の塗装だと、マスキングテープでも剥がしちゃうことがあります。)

粘着力が弱いのと、粘着面が部品に残ることもないので、仮組みにも使用されます。

また、裸で放置していると、テープ側面にホコリが着いたりしますので、タミヤから出ているケース付きのものがオススメです。

最後にピンバイス。

ドリルを装着して穴をあける道具です。少々値が張るのが難点ですが、持っていれば確実に工作の幅が広がりますし、スケールモデルでは穴あけ指示のあることが結構あります。(今回のキットもドリルを使用する指示がありました。)

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それでは仮組みから入ります。タミヤのキットは仮組みがほとんど要らないのですが、基本からということで仮組みします。まずは車体の仮組みです。

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接着剤を使わずにマスキングテープを使って固定しています。また、AFVの場合は全ての部品を組むのではなく、きちんと箱になるのかを確認するために仮組みしますので、これくらいで十分です。

タミヤにしては珍しい、車体後部にすき間がありました。というか、斜めに傾いています。裏側でなにか引っかかっているのかと見てみると・・・

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出っ張り同士が当たっています。それでは、ぶつかってるところを削ればOKですね。右の写真の様にカッターナイフとヤスリで慎重に削りました。

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確認時の写真を撮り忘れたので接着後の写真になりますが、すき間なく組み付いています。

続いて、砲塔の仮組みを行ないます。

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砲塔も車体と同様に箱になるかを確認するために仮組みしますので、この位で大丈夫です。

砲塔は処理しなければならない箇所はまったくありませんでした。

もう少し、説明したいところがありますが、長くなったので次の記事で続きを説明します。