長く期間が空きましたが、いよいよ仕上げに行きます。(完成品自体は2週間くらい前に出来上がって店内に展示していますが・・・)
さて、前回までにデカール貼り、雨だれ、錆表現が完了し、全体をつや消しクリアーで塗装しています。
そこで、泥、土埃がまだ表現されていないのでこのウェザリングを施して仕上げとしたいと思います。
泥、土埃表現にはピグメントを使用しました。
今回使用したのは上の写真にあるモデルカステンの「ミリタリーピグメント」(各735円)を3色使用しました。写真の左から
- プラスターライク
- ブリックライク
- コンクリートライク
で、基本的にこの順番で使用しました。(車体上部等は「プラスターライク1色」もしくは「プラスターライクとコンクリートライクの2色」を使用します。)
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例によって、ピグメントについて説明します。
元々の意味は「色素」とか「顔料」という意味の単語ですが、模型では一般に粉末状の顔料のことを指します。
今回使用するモデルカステンのミリタリーピグメントは粉末状の顔料を定着成分で固めた後に再び粉末状に戻すという独自の製法で作られており、こびりついたような立体的なテクスチャーを付ける事も可能になっています。
モデルカステンのミリタリーピグメントには今回使用したものの他にも「ラストブラウン」「スート」「ラストオレンジ」という錆、スス表現用の色も用意されています。(各735円)
そのままの状態で擦り付けても良いのですが、定着力を上げるために水性アクリル溶剤に溶いて使用するのが一般的ではないでしょうか。
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さて、作業の前にミリタリーピグメントの使い方について説明です。
上の説明でも書きましたが、定着力を上げる為にタミヤの「X-20A アクリル塗料溶剤」に使用するピグメントを溶いて使用します。
こんな感じです。今回のウェザリングでは覆帯以外ではピグメントを溶剤で溶いて使用しています。
また、ウェザリングする箇所に応じてピグメントの濃さを調整します。(泥だらけになる足回り付近は濃く、土埃がメインの車体上部、砲塔などは薄く。)
と、書くと尻込みされる方がいるかも知れませんが、今回やる方法ではピグメントは落とせますので薄すぎたかなぁという時はもう一度塗り足して、濃すぎたなぁという時は落とせば良いだけですのでとりあえずやってみてください。多分、最初にイメージしたものよりも簡単なはずです。(ピグメントは綿棒や筆で擦ってやると簡単に落とせます。)
基本的なことを解説しましたので、作業に入ります。
まずは車体下部のウェザリングから。
左の写真は1色目を塗った直後の写真です。溶剤で溶いたプラスターライクを塗っています。
この状態では溶剤がテカって良く見えませんが重力を意識して、垂直方向に筆を動かしています。
右の写真は乾燥した状態の写真です。はっきり発色しているのでよく分かると思います。こんな具合に垂直方向へ筆を動かしています。しかし、この状態では筆の跡が思いっきりついていて不自然な感じですので筆の跡を消したいと思います。
上の写真の様に面相筆や綿棒で表面を軽くなでてやって、表面を少しだけ崩します。
ちょっと力を入れるとごっそりとピグメントが落ちてしまいますので、軽くなでるようにを意識します。(まあ、ピグメントがなくなれば塗り足せば良いだけです。トライ&エラーを繰り返して習得しましょう。)
そうそう、この表面崩し私は1色ずつやっていますが、3色塗り終えていっぺんにやっても良いです。(1色ずつやると、意識せずとも軽いウェザリングになり易いのであまり難しい事を考えることも少ないかなぁと)
上の4枚の写真は2色目のブリックライクを塗って、乾かして、表面を崩した所です。
ただ、ピグメントが薄かったのと崩す時にちょっと力が入りすぎて、2色目が少なくてさびしい感じですので、追加しました。
上の写真が追加した時の様子。ついでなので下側を中心に2色目を置こうかなと。右の写真は筆跡を崩した状態。
3色目のコンクリートライクは表情に変化を持たせるために飛沫を飛ばします。
写真のようにデコピンの要領で筆を叩く(柄の根元を叩きます)と大きめの飛沫が、毛先を指で弾く(写真を忘れました、ごめんなさい)と小さめの飛沫が飛びますので使い分けると表情が豊かになります。
これで、車体下部のウェザリングが終わりました。もし、もうちょっときつくウェザリングしたいとなった場合は1色目からもう一度やればどんどんきつくできます。
左上の写真は軽くしたもの、右上の写真は追加してきつくしたものの例です。右上のきつい例は少々きつすぎますので、少し落として中間位の汚れ具合にしようと思います。
もう少し落とした方が良かったかもしれませんが、上の2例の中間位になりました。ピグメントの落とし方は表面を崩した時と同じく、筆や綿棒で擦ってやって落としました。
もし、最初からやり直したくなったら、アクリル溶剤を含んだ筆で落としてやると良いでしょう。
こんな感じで車体前部と後部も同じようにウェザリングします。
続いて、車体上面のウェザリングを行ないます。
思いっきり薄めたプラスターライクを車体上面に塗ります。上面には傾斜がありますので、傾斜のあるところは傾斜に添って流れるような感じで筆を動かします。
乾いた後は筆や綿棒で擦って調整します。もし、ピグメントを付けすぎた箇所があれば溶剤を筆や綿棒に含ませて拭き取ってやりましょう。ピグメントが足りない場合はもう一度塗り足しましょう。
最後に覆帯のウェザリングです。これまでとは少しだけやり方が異なりますのでよく読んでください。また、覆帯のウェザリングは非常に汚れますので紙の上などで作業しましょう。
まず1色目の溶剤で溶いたプラスターライクを覆帯にまんべんなく塗ります。このあと2色目を載せますが、1色目が乾く前に乗せたいので20~30コマ位ずつ作業します。
1色目が乾く前に2色目のブリックライクを載せて行きます。このとき、ブリックライクは溶剤で溶かずに粉の状態で振掛けます。
そうすると、1色目の溶剤を勝手に吸い取って定着してくれます。
同じ様に3色目を振り掛けて乾燥した状態です。
もし、3色目が間に合わずに乾いてしまった場合は、スポイトで覆帯の上にダイレクトに溶剤を垂らしてその上から振り掛けます。
3色終わったら覆帯の接地面についたピグメントを綿棒で念入りに落としつつ、それ以外のパターン内のピグメントでくどい様なところがあれば面相筆などで落としてやりましょう。
小さい写真で申し訳けありません。覆帯の接地面及び転輪と接触する部分に銀でドライブラシの要領で塗装します。こうすると「走ってるね」という感じがでますので、しっかりと塗りましょう。
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さて、ウェザリングが全て施し終わったら、ばらけている部品を組み付けて完成です。
ちょっと、全体的に汚しすぎた感はありますが、Ⅳ号戦車の時のドライブラシによるウェザリングとは一味違う作品になったものと思います。
以上でAFVモデリングステップアップ(2)を終了いたします。もし、分からない、説明が不十分なところがあれば、コメント欄や店頭で質問してください。
ステップアップ(3)を楽しみにしていてください。・・・まだテーマが決まっていませんが、次はガンプラステップアップ(3)の予定ですのでその間に考えときます。