(2010/12/1追記)手を加える箇所のリストに抜けがありましたので追記しています。赤字部分を追加しました。
ガンプラステップアップ(1)は概ね好評でした。(コメントはブログではなく店頭に直接届いております。また、最初から飛ばしすぎとのお声も頂いておりますが、そのうちステップアップ(ZERO)をやろうかと思います。)
前回は「ほぼキットのまま組み立てつつ、一部削り込んでディテールアップして、塗装をする。」という内容で、実は「丁寧に基本的な作業を押える」をテーマに記事を書いていました。(先に明記しておくべきでした。すみません。)
さて、今回はステップアップ(1)よりも少し難しくなりますが、「市販パーツを使用してディテールアップ」をテーマに記事を書いていこうと思います。難しくなると言っても基本的には接着剤で貼り付けるだけですので、あまり構えずに読んでください。もちろん、ステップアップ(1)でやったように一部削り込んでのディテールアップも行ないます。
なお、文章で表現すると難しそうな印象を受けると思いますが、実際に文章通りに手を動かしてみると大したことないということが多いものです。失敗してもやり直せることも多いですので、怖がらずに挑戦してみてください。
では、ステップアップ(2)へ進みたいと思います。
今回作成したキットはこちら。
ステップアップ(1)で作成したガンダムの残りザクを作成します。
続いて、工具の準備です。
ニッパー、カッターナイフ、棒ヤスリ(甲丸)、紙ヤスリ(#400と#1000)、ベーシックパテ(以降、「ラッカーパテ」と呼びます。)、接着剤は前回のものと同じものですので説明いたしません。
今回は更に次の道具を使用します。
ポリエステルパテ(「ポリパテ」と呼ぶ方が多いです。以降ポリパテと呼びます。写真はウェーブの「パテ革命 モリモリ40g」)と瞬間接着剤(写真はウェーブの「瞬間接着剤×3G 高強度」)とピンバイスを使用しました。
新しい道具について説明致します。
まずはポリエステルパテについて。
このパテはラッカーパテと違って、主剤と硬化剤にわかれて包装されています。大きなチューブが主剤で小さなチューブが硬化剤です。主剤と硬化剤を混ぜることで固まるパテですので、ラッカーパテでは出来ない深い穴埋めやパテの盛り付けが出来ます。主剤と硬化剤の混合比率は製品によって異なりますので、取り扱い説明書をよく読んで使うようにしてください。
なお、主剤単体でも空気に触れさせておけば少しずつ固まっていきますので使った後は必ずフタを閉じるように注意してください。
続いて、瞬間接着剤について。
説明は不要かもしれませんが、あっと言う間に接着できる接着剤です。プラモデルでは金属パーツの接着やちょっとしたすき間埋めや合わせ目消しなどに使われています。
最後に、ピンバイス。
AFVモデルステップアップ(1)でも使用しましたが、穴あけ用の手回しドリルです。今回は金属パーツの組み付け時に使用しています。
それでは、作業を始めましょう。まずは仮組みします。
ステップアップ(1)と同じ手順で組み立てています。スナップフィット用のピンを短く切って説明書とおりに組み立てています。(詳細はステップアップ(1)を参照してください。)
さて、この状態で今後のプランを立てたいと思います。ディテールアップは部分的に凝ったものになっても全体のバランスが悪くなってしまいますので、初めての場合は軽く行なって徐々にディテールアップ箇所や内容の凝った工作をしていくと良いと思います。
まず、後ハメ加工プランから。(2010/12/1追記あり。赤字部分)
- 膝の関節パーツ
だけ必要
- 前腕パーツの肘の黒い部品を組み付ける部分
では本命のディテールアッププラン。(2010/12/1追記あり。赤字部分)
- モノアイがシールだけなので立体的に再現
- 肩のアーマースパイクが丸いので、市販パーツに置き換えてシャープに
- スパイクアーマーのヒレがめくれている感じがイヤ
- 肘の装甲部分がツルっとしているので、スジボリを追加
- 膝の装甲部分もスジボリを追加
- マシンガンの銃口を市販パーツでシャープに
- 肘の黒いパーツの裏側をパテ埋め
- 膝の黒いパーツの裏側をパテ埋め
- マシンガンのマガジン裏側をパテ埋め
後ハメ加工を含めて計11ヵ所に手を加えて行きます。
ステップアップ(1)で説明した合わせ目処理やパーティングラインの処理、ヒケの修正は今回説明しませんので、よくわからなくなったら前回の記事を参照してください。
なお、頭、腰、膝の動力パイプも紙ヤスリでパーティングラインを消しています。動力パイプは軟質プラで出来ているので、粘りがあって加工し辛いのですが根気よく作業してください。
ではディテールアッププランに従って、パーツ・道具を選択します。
左上から
- アドラーズネストのANE-0053 カメラアイ SSサイズ
- アドラーズネストのANE-0104 キャラ向け汎用バレル1 Sサイズ
- アドラーズネストのANE-0128 アーマースパイクSTタイプ Sサイズ
- タミヤのプラバンセット(厚さ3種、計5枚入り)
- ウェーブのGタンクロング Mサイズ
- ウェーブのHアイズ1 ピンク
特にアドラーズネストの金属パーツの値が貼りました。しかし、これだけのディテールの部品を自作しようとすると、かなり時間が掛かるうえに大量の失敗作が出来るでしょうから、初心者や時間のない方はこういった出来合いのものを使う方が良いでしょう。(もう少し言うと苦労して出来た部品が組み付けてみると全く他と合わないということもあります。)
タミヤのプラバンは専用工具を製作するのに使用しました。
それでは実際の作業に入ります。
まずはモノアイの立体化から。完成形のイメージが上手く文章に出来ませんでしたのでいきなり完成写真です。こういうものを作るんだというイメージを持って続きを読んでください。
(みなさんもディテールアップをする時は漠然とパーツを使うのではなく、ボンヤリでも良いので完成形のイメージを持つようにしてください。何度か経験することで少しずつイメージがはっきりしていくと思います。下手でも良いのでイメージをスケッチすると尚良し。)
キットのモノアイは円錐台の形状のパーツにシールを貼り付けるものでしたが、円錐台のパーツを利用して上手くモノアイを立体化しようと思います。
完成写真にある用に円錐台のパーツの中央を切り取って、中に芯を入れることにしました。
まずは、パーツの中央を切り取ります。
中央部分を全部切り取るとバラバラになるので、組み立てると見えなくなる後ろ側はそのままにします。(写真のテープを貼り付けてる辺り)
中央部分を一部残して切り取るのですが、無計画に切ったり削ったりするとどうしようもなくなります。定規を当てて測ったところ、上下1mmずつ残すように削るとよさそうだったので、上下1mmずつの線を引けるように工具を作りました。
プラバンセットには0.3、0.5、1.2mmのものしか入っていなかったので、L字に切った0.5mmのプラバン2枚を接着剤で貼り付けて高さを調整しました。
そして線を引くといっても、鉛筆やマジックでは線の太さなどが紛らわしくなりますし、色も見分けにくいので、パーツに傷をつけることで目印になるようにします。(一般にケビキ(罫引き)と呼びますので、今後はケビキと呼ぶ事とします。)
ここのケビキはカッターナイフの刃を折った物の刃ではない方で行ないました。(ステップアップ(1)で胸のダクトを加工した時のことを思い出してください。)
L字のプラバンに先端を少し飛び出させた状態でアロンパ(注)します。
アロンパ ・・・ アロンアルファでパッと付ける。私の前職での隠語。語感が気に入っているので当ブログでも使おうと思います。というか、使いたいだけ。使用するのはアロンアルファじゃありませんが、瞬間接着剤でパッと付ける時に表現します。
カッターナイフの刃が飛び出している時は危ないので、写真の様に刃の部分にテープを巻き付けて保護します。
続いて、もう一つ工具を作成します。
上側をケビく場合、上の突起部分が邪魔になりますので、その穴を逃がす道具を作成します。0.5mmのプラバンを適当にL字に切り取って(はさみでやりました)2層になるように貼り合わせます。
これら二つの工具はこの様に使います。穴空き工具にパーツを乗せL字工具をパーツに押し当てます。その状態でパーツを上下方向に動かないように押さえつけながら、グルグル回して上下から1mmずつのケビキを入れます。この時、L字工具も上下に動かないようにしっかり固定します。
また、下側のケビキは作業台に直接置いて作業しました。
ケビキ作業を終了した状態です。上下面と平行に線が引けています。ここから暫く写真を撮り忘れているのですが、完成写真を思い浮かべながら読んでください。
L字工具は1mmの高さから溝が掘られる様に作成していますので、ケビキの上端と下端がパーツを残すべき部分です。ケビキを超えないようにカッターナイフで表面から少しずつ削りとって行きます(鉛筆削りを思い出してください)。ある程度カッターナイフで削りとったら、最後は紙ヤスリで仕上げます。
解り辛いので思いっきり拡大しましたが、1.2mm厚のプラバンに両面テープで紙ヤスリを貼りつけたものを使用すると、キレイに仕上がります。プラバンは5cm角位に適当に切っています。
さて、上下1mmずつ残して出来上がったので、アドラーズネストの「カメラアイ SSサイズ」が入るかなぁと確認してみたところ、最初の計測にミスがあったことを発見。実は下側は0.5mmにすべきだったことが発覚。紙ヤスリで0.5mm削り込みました。
次にモノアイの基部を作成します。円錐台パーツに適当な円筒を突っ込んで終わりと思ったんですが、中々丁度良い大きさのパイプが見つかりませんでしたので、ウェーブの「Gタンクロング Mサイズ」を使うことにしました。Gタンクのパーツを貼り合わせて円筒にした後、適当な長さに切り取ります。ただし、このままでは頭パーツに入りませんでしたので、C字になるように一部切り取っています。これは現物あわせで行ないました。
二つの部品を接着します。目測で中心が大体合うように接着しています。接着後、部品間のすき間にポリパテを塗りつけ、乾燥後にヤスリで形を整えました。
最後に、「カメラアイ SSサイズ」の突起部が収まるように0.6mm(うる覚え)のドリルで穴を開けて「カメラアイ SSサイズ」と部品をアロンパ。
最終的には、ウェーブの「Hアイズピンク」がはめ込まれますが、組み立ての段階ではこれで完成になります。念の為、もう一度完成写真を貼り付けます。
さて、工具を自作したり、色々部品を組み合わせたりしているので、難しいと思っている方もいらっしゃると思います。しかし、一連の作業は文面程難しくないです。試してみると良くわかると思います。
文章が長くなりましたので、今日はこれまでと致します。