それでは仮組みが終わったら本組みに入ります。
本組では、前回列挙した次の7ヵ所に手を加えつつ合わせ目の処理やパテ埋めなど行ないます。
- 顔の後ハメ加工
- 腹の赤い部品の後ハメ加工
- コアファイターの機首(青い部品)の後ハメ加工
- 肩関節部の後ハメ加工
- 頭のアンテナをもう少しシャープに
- 胸の黄色いダクトが洗濯板なのが気に入らない
- 腰の前部アーマーを分離
なお、今回使用したHGUCガンダムではほとんどの合わせ目が接着したあとにヤスリがけすることで消えました。
最初に頭部から作業していきます。何故かというと、ぶっ続けで作業をやっていると後になればなるほど雑になっていきますし、一番先に目が行って目立つ部分だからです。
まずはアンテナの裏側写真の赤く塗った部分をニッパーなどで切り取ります。
切り取った後は紙ヤスリで裏面を平らに 仕上げます。アンテナ中央の裏側には頭のパーツにはめ込むためのポッチがありますので、下に台を敷いたり机のスミにポッチを逃がしたりしてヤスリがけしました。右下の写真の右側が作業前、左側が作業後です。
このまま終了でも良いのですが、「まだまだ物足りない!」という方は今度は表側をヤスリがけしましょう。私も少しだけ棒ヤスリで削りました。「ナイフでカンナ掛けした方が早いよ」と言う方もいらっしゃるでしょうが、個人的にあまりオススメしません。
何故かというと、ナイフでカンナ掛け(次回記述します)するということは部品に結構な力が加わります。パーティングラインの処理程度ならいざしらず、細いアンテナのような部品をカンナ掛けで削り込もうとするとよほどの熟練者でもない限り途中で部品が折れますし、形もイビツになります。
なので、棒ヤスリで優しく、時間を掛けて作業した方が確実です。ただし、当然のことながら、作業が進むほど部品が折れやすくなりますので、これ以上は折れるかもと思ったらそこで作業を中断しましょう。
左が作業前、右が作業後です。まだまだいけるんですが、私はここで辞めました。他の作業もあるし、部品を折ってしまったら元も子もありませんので。
アルミ削り出しアンテナパーツとかアンテナ用エッチングパーツ(折り曲げ治具付き)とかアフターパーツでも出せば売れると思うんですが、バンダイさん出さないんですか?
続いて、顔の後ハメ加工をします。まず、頭を分解して後頭部と顔部品の接続部の位置関係を確認します。
テープで部品を止めてありますが、撮影用に固定してあるだけですので気にしないでください。(助手がいないもので・・・)
分解するために顔のはめ込み部分をカットしていたのですが、どうやら長さは丁度良いようです。ということは下の写真のように後頭部のはめ込み部分(赤く塗ったところ)を切り取るだけで済みそうです。
赤い部分をカッターナイフやヤスリで丁寧に削り取ります。削り取ったら必ずチェックしましょう。
ちゃんと後ハメが出来るようになっていました。後ハメ加工がきちんと出来たところで頭部の接着、合わせ目処理を行ないます。
流し込み接着剤を付属の刷毛で部品同士の合わせ目に流し込んで行きます。この接着剤は刷毛でチョンと1ヵ所触れば部品の合わせ目に沿って流れ込んでくれるのですが、ガンプラの場合は合わせ目を刷毛でなぞってしまっています。こうすると、あとでヤスリがけする時に大抵の合わせ目が消えてくれます。全ての合わせ目が消えるわけではないので、どうしても嫌な方や全体塗装したくない方は通常のトロトロタイプで合わせ目を消した方が無難です。
接着剤が固まったら、それぞれの面が一致するように合わせ目部分を中心にヤスリ掛けします。平面は棒ヤスリ、曲面は紙ヤスリ(#400)といった具合に使い分けると作業性が良いと思います。
それぞれの面が一致したら、最後に紙ヤスリ(#1000)で少し表面をキレイにします。
前側、後ろ側の部品ともに合わせ目部分が全て盛り上がっていたので、接着剤だけで合わせ目が消えました。
続いて胴体部分の作業に入ります。まずは、腹と胸の後ハメ加工と肩関節部品の後ハメ加工をします。これはすごく簡単でした。
腹の方はピンを全て根元から切って、肩の方は少し短くしただけです。
腹の方は裏側のピンも切って引っかかったりしないようにヤスリで平らにしています。肩関節の方はポリキャップの接合がきつかったので切り口を整えました。
肩関節のポリキャップを組み付けるピンの先端を少し斜めに削ってあるのが分かって貰えるでしょうか?あと、肩関節は上の写真の様に斜めに差し込みます。
腹と肩関節の後ハメチェックができたところで、胸の部品の接着、腹の部品の接着を行ないます。
腹の部品は接着部にスジ彫りされているので、接着剤がスジ彫りを埋めないように腹の内側から接着剤を流しこみます。そうそう、接着するのはピンを半分位切ってあるのでそのままの状態では部品の結合が甘いからです。合わせ目はヤスリがけをやってません。仮組み時のヤスリ傷だけ紙ヤスリできれいにしました。
続いて、胸の接着と思いきやコックピット側面が周囲とツヤが少し違っていて窪んでいるようにも見えます。もしやと思って#1000の紙ヤスリで表面を軽くヤスリがけしてみました。
この写真で分かるでしょうか?写真中央の赤丸で囲った部分なんですが、ヤスリがけ出来ていない場所があります。「ヒケ」と呼ばれる成型にプラスチックが熱収縮した際に窪んだものです。特に広い面のある部品や部分的に厚みのある部品などに発生しやすいです。このまま、ヤスリがけしてやれば平らに出来そうですが、せっかくの機会なのでパテ埋めします。
ヒケの部分にすこしパテを盛って20~30分待てば完全に乾くので、#400でざっと削ってから#1000で仕上げます。
すみません、作業中の写真を撮り忘れていました。足の部分でもパテ埋め作業をしていますのでそちらを参考にしてください。
なんやかんやでヒケは修正できました。反対側も同じ様にヒケがありましたので、そちらもパテ埋めしました。
ヒケが修正できたら、胸の接着をします。作業は頭部や腹部と同じ様に作業しています。
次に胸のダクトを加工します。ひょっとしたら、「プラ板で作るのか?」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、キットの部品をチョイチョイといじるだけにしています。いじると言ってもスジ彫りを追加するだけですが、道具を制限したせいで少々危ない作業になっています。万が一、ケガをしてもご自分で責任を取れる方のみ行なってください。当方は責任を負いかねます。
下の写真を見てください。
カッターナイフの刃とは反対側の角を部品に押し当てて削って行きます。この作業は本来の道具の使い方とは全く異なりますので、細心の注意を払ってください。また、必然的に常に刃が自分に向いていることになりますので刃の先端をテープで巻いて保護しましょう。一応、このやり方は個人的に頻繁に行なっていて一度もケガなんてしたことないのですが、危ないことには変わりないので絶対に油断しないでください。
大体、1mm位彫りこみました。左が加工後、右が加工前です。加工前よりもマシにはなったと思いますが、ヒレの厚みが気になります。先端部分だけを薄く削ります。
削らない部分をテープ(2枚重ね)で保護して、棒ヤスリで斜めに削ります。
先端部だけが薄くなるようにけずりました。写真左が薄く削ったもの、右が削る前のものです。満足いくものになりました。
ちょっと宣伝します、ご容赦を。
今回、カッターナイフで行なったスジ彫り作業は道具本来の使い方ではありませんでしたが、スジ彫り用の工具も少々値が張りますが世の中にはあります、専用工具の方が安全で効率的に作業出来ます。当店ではGSIクレオスの「ラインチゼル(2,310円)」、スジボリ堂の「BMCタガネ(1,470円~)」、 サテライトツールスの「ペンライナー(1,260円)」などを取り扱っています。興味のある方は覗いてみてください。
さて、作業を再開させようとしましたが、かなり長い記事になってしまいました、次回に続きます。