まっさんの模型屋blog

楽しんでいますか?

ガンプラステップアップ(1)-HGUCガンダム作成【仕上げ編】

2010年09月08日 21時26分27秒 | ガンプラステップアップ

今回でいよいよHGUCガンダムの完成です。

仕上げと一言でいっても色々なやり方がありますが、今回はスミ入れをして全体のつやを整えるという基本的な仕上げをしました。(他にもドライブラシ、フィルタリング、ウォッシング等々仕上げの工程には様々な手法を用いることがあります。)

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スミ入れで使用した道具はこんなところです。

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GSIクレオスからスミ入れマーカー、筆ペンも出ていますが、今回はエナメル塗料を使ってスミ入れを行ないます。

使用した道具はエナメル塗料のXF-1フラットブラック、XF-64レッドブラウン、エナメル塗料溶剤、面相筆、塗料皿、綿棒です。

塗装編でエナメル塗料はプラスチックを侵すと書きました。が、スミ入れではふき取ることに出来るエナメル塗料は欠かせません。また、戦車のスコップなどの小さい部品が取れたりすることは何度も体験していますが、ガンプラのようにガッチリ接着している部分が外れることはこれまでありませんでしたし、部品が割れたのは一度だけですのでそうそう神経質になることもないかと。(多分、下地のサーフェイサーと上地の基本塗装がガードしてくれていたのだと思います。)

では、作業に入ります。

フラットブラックそのままでも良いのですが、黒がきつすぎるのでレッドブラウンと混ぜます。

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塗料皿に少しずつ取り出し(写真左)、エナメル溶剤で薄めて混合して(写真右)こげ茶っぽい色にします。ちなみに溶剤で薄めているのでサラサラになっているはずです。なお、薄めすぎると中々色が出なくなりますので、やりながら感覚をつかんでください。

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こげ茶が出来たら、そのこげ茶を部品に彫られている細い溝に面相筆で塗ります(写真左)。塗料がサラサラな状態ですので、面相筆で溝にチョンと触るだけでサーっと流れてくれます。分かりやすい例でいうと、写真の頬の辺りに筆の跡があります。ここに触っただけで、頬にある溝のほぼ全域にスミ入れすることができました。(毛細管現象が色々してくれるんです。)

で、はみ出たところはどうするかというと、上でもちょっと触れたエナメル塗料の特性「ふき取ることが出来る」の出番になります。乾く前ならば綿棒でそのままふき取ることができます。半乾きや完全に乾た後なら、綿棒に少しエナメル溶剤を染込ませた状態で拭いてやれば塗料が溶けてふき取ることが出来ますので、全部スミ入れして後でまとめてふき取るなんてことも出来ます。

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ある程度ふき取ると綿棒もこんな風に汚れてしまいます。こんな状態でふき取りをすると、さっきふき取ったスミを塗りつけることになってしまいますので、こうなった綿棒はポイします。

気付いている方もいらっしゃるとは思いますが、今回調合したスミはレッドブラウンを多めにすると油汚れ、フラットブラックを多めにしてより薄めると水垢といった汚しにも使えます。なので、完全にふき取らずに水や油の流れる方向(垂直方向)にスジ状に少し残せば、整備時の油汚れや、雨だれの跡なんかも表現が出来ます。

さて、スミ入れが完了しましたので、全体のつやを整えたいと思います。

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今回は関節、武器以外はつや消しで仕上げたいと思います。つやを消す場合はクリアーのつや消しを吹付けます。当初はトップコートのつや消しクリアーを使うつもりだったんですが、作業した日(9/6)は台風接近で湿度が高く、白かぶりする可能性があったのでMr.カラーのC182スーパークリアーつや消しを使用しました。

(トップコートは水性塗料なので湿気が高いと白く変色します。トップコート以外にもラッカー系のスプレー(クリアー)があります。)

そうそう、つや消し以外にも光沢や半光沢のクリアーがあります。つやの状態でどう変わるのかというと、こんな感じです。

光沢・・・表面がツルツルできれいだが、輪郭がぼやけた感じになる。

つや消し・・・表面がガサガサだが、ギュッと引き締まって輪郭がはっきりする。

半光沢・・・光沢とつや消しの中間

まあ、はっきり言って好みの問題です。

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では、つや消しクリアーを吹付けます。ガンプラの様に可動部の多いモノは、部品毎に塗装した方が無難です。組み立ててしまうと、よく塗り残しが出てしまいますので。

で、関節、武器等は何もしませんでしたが、今回塗装した色は部品同士が擦れると、塗料がついてしまいますので、よく動かして遊ぶ方は半光沢、光沢で仕上げた方が良いです。

(私は大体ポーズ固定ですので・・・手抜きしました。)

クリアー作業が完了したら、最後にガンダムの目を塗ります。(銀のままだったこと覚えてますか?)

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目の銀の上から、エナメル塗料のクリアーイエローを塗ります。一度、つやを消しましたが、クリアーイエローが光沢のある塗料なので、つやが復活って寸法です。

さて、全ての部品の仕上げが完了しました。あとは組み立てるだけです。後ハメ加工したところを接着剤で接着して(すみません写真忘れました)全ての部品を組み付けます。

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完成です。あとはお好みのポーズを楽しんでください。

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ズギューン!

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ジャキーン!

完成したガンダムはズギューン!のポーズで当店ショーケースに飾ってあります。

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紆余曲折あってようやく完成しました。いかがでしょうか?

今回上手くいかなくても「あせらず、丁寧に」を心がけていれば、作るごとに上達するはずですので、長い目でじっくりと腰を落ち着けて行きましょう。

(私はちょっとあせってしまって、仕上げにいい加減なところが出てしまいましたが・・・)

さて、残っているザクを使ってステップアップ(2)へ・・・と期待している方もいると思いますが、次回はAFVステップアップ(1)をやろうかなと思います。(AFV:Armored Fighting Vehicleの略。要するに戦車とか装甲車なんかを指します。)

もちろん、コアファイターも完成したらブログへUP、ショーケースへ展示します。


ガンプラステップアップ(1)-HGUCガンダム作成【塗装編】

2010年09月03日 18時40分13秒 | ガンプラステップアップ

さて、下地処理も完了したので、いよいよ塗装作業に入ります。

塗料にも色々種類があって、重ね塗りする場合は塗料同士の相性があります。で、例によって説明します。

模型用の塗料は大きく分けて「溶剤系アクリル塗料(ラッカー系塗料)」「水性アクリル塗料」「エナメル塗料」に分かれます。

(日本製の「溶剤系アクリル塗料」は厳密には「ラッカー系」ではありませんが、慣例的に「ラッカー系塗料」や「油性塗料」と呼ばれています。模型誌、解説書でもよく上記慣例が使用されています。)

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まずは溶剤系アクリル塗料から。

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GSIクレオスのMr.カラーなどが該当します。

特徴は、

  1. 塗膜が丈夫。
  2. 乾きが早い。

といったところです。乾きが早いのが特徴ですが、夏場などは「あっ!?」という間に乾きますので、ビンを開けっ放しにしたりしないように注意です。

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続いて、水性アクリル塗料。

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タミヤの水性アクリル塗料などが該当します。

特徴は、

  1. 安全性が高く(引火しにくい)、のびがよいので筆ムラが少ない。
  2. 筆やエアブラシなどの塗装用具を水洗いすることが出来る。

といったところです。水洗いすることが出来るとありますが、塗料が乾燥してしまうと水洗いできなくなります、要注意です。(乾燥したら、専用のうすめ液などで洗いましょう)
また、一応水で薄めることが出来ます。が、その場合塗膜が弱くなってしまいますので、あまりオススメしません。

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最後に、エナメル塗料。

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タミヤのエナメル塗料などが該当します。

特徴は、

  1. 塗料ののび、発色が良く、ふき取りが出来る。
  2. 乾きが遅い。
  3. 溶剤がプラスチックを侵す。

といったところです。一番気になるのは、3番のプラスチックを侵すだと思います。これは、接着部に作用してポロっと部品が取れてしまったり、相性が悪いときはプラスチック自体が割れてしまうことがあります。まあ、そんなことが頻繁にあるわけではないので「部品が取れたらまた付ければいいや」位の気持ちで使っています。

以上が各塗料の説明です。

また、プラモは色を重ねて塗ることが多いので、各塗料同士の相性があります。適当に色んな塗料を重ね塗りしていると、色が混ざったりしますので注意してください。

溶剤系アクリルの上に水性アクリル、エナメル塗料を塗るのは大丈夫ですが、水性アクリル、エナメル塗料の上に溶剤系アクリルを塗ると色が混ざります。

上記、説明ともう少し詳しい相性表が当店塗料コーナーに掲載していますので、参考にしてください。

まあ、溶剤系アクリル→水性アクリル→エナメルの順番で使っていれば問題ないと思います。もちろん、溶剤系アクリル→エナメルでも水性アクリル→エナメルの順でも問題なしです。

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さて、それでは作業の方へ行きます。

全てMr.カラーで塗装しました。(顔の部分はエナメル塗料と使い分けるべきだったと、作業後に反省。)

今回、使用した塗料は次の通りです。

  • C156 スーパーホワイト
  • C2 ブラック
  • C3 レッド
  • C4 イエロー
  • C5 ブルー
  • C34 スカイブルー
  • C40 ジャーマングレー
  • C214 ダークアイアン
  • C211 クロームシルバー

それぞれの塗料を混色して塗装しました。各色の調合は大体こんな感じです。

  • 白=スーパーホワイト(100%)
  • 赤=レッドにホワイト、イエロー、ブルーを極少量
  • 青=2(ブルー):1(スカイブルー)
  • 黄=4(ホワイト):3(イエロー)
  • グレー=1(ダークアイアン):1(ジャーマングレー)を気持ちダークアイアンを多めに

割合はあまり厳密に受け取らないでください。私自身「うん、大体こんなもん」で決めていますし、この色じゃなきゃダメなんて決まっていませんので。大抵、色の系統を大きく変更しなければバランスがおかしくなることはありませんので、青+紫や黄色+オレンジといった色を使うのも面白いかと思います。

あまりにも迷う場合はGSIクレオスから調色済の塗料が出ていますので、そちらを使うのが良いかもしれません。

実際、グレーは最初「CG24 グレー(24)」を使おうかと思ったんですが、リアルグレードのポスターを見て黒っぽい色も格好良いなと思って今回の色になりました。

では、調色します。

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写真はガイアノーツの調色工房(塗料皿10枚+調色スティック付き、定価:158円)に各塗料を入れて混ぜた状態です。

調色のコツとしては「最初に大量に塗料を投入しない」 ことです。最初に大量に投入すると、次に投入する塗料も大量になって、微調整する塗料も量が増えていき・・・最悪の場合、塗料皿に収まらず、スペアボトルからもあふれる状態にもなりかねません。(まあ、途中でやり直すとは思いますが、もったいないには変わりないです。)

大量に塗料を作りたい時は、少量で調合割合を決めてから量を増やすようにしています。

あと、仕上げでトップコートを吹いてほとんどつや消しにしますので、この時点ではつやのあり/なしはあまり気にしません。

それでは、塗装します。なんだか自然と手が伸びてエアブラシでやっちゃいました・・・

Mr.カラーは固いので、筆で塗る場合はうすめ液で薄めて重ね塗りしたり、Mr.リターダーマイルドを加えたりしてなるべく筆ムラが出ないようにしましょう。(仕上げの際、Mr.トップコートを吹き付けますので多少のムラなら目立たなくなりますが、なるべくムラのない様にした方がキレイになります。)

関節や武器・ランドセルはダークアイアンという色を使用しています。この色は乾燥後磨くことで、キラッ!と光る塗料です。ジャーマングレーと調色しましたが、この位の割合ではその特性は残ってます。

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写真は手を綿棒で磨いているところです。綿棒で擦ると表面の曇った膜を取り除いたようになります。あまりゴシゴシやると下地が出てきますので、やりすぎに注意です。

結構いい感じです(自画自賛)。ジャーマングレーが暗かったので、今度はもう少し明るいグレーを使って、ダークアイアンの割合を増やしてみようかなと思います。まあ、いつになるかわわかりませんが・・・。

細かいところは筆塗りしました。

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顔は白→赤→ブラック→クロームシルバーの順で塗っています。白以外は筆塗りです。塗料がはみ出たところは、上から塗り重ねて修正しました。

目の銀は仕上げの際に黄色を上塗りしますのでこのままです。

全てフリーハンドで塗りわけましたが、この程度ならマスキング出来たなぁ、と塗り終わった後で反省。

その他の細かいところも同じように塗装、修正しています。

後、組み立てたら見えない首の周りなんかはこんなもんです。

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見えるとこはしっかり塗って、見えないところは手抜きです。

こんな感じで全部の部品を塗装しました。が、コアファイターで塗りわけが間違っているところを発見!ちょっとテンションが下がってしまいました。コアファイターは後日お披露目ということで、仕上げ編ではガンダムのみを仕上げて行きます。

次回はいよいよ仕上げです。(ガンダムのみ・・・)


ガンプラステップアップ(1)-HGUCガンダム作成【塗装(下地処理)編】

2010年08月20日 22時07分13秒 | ガンプラステップアップ

すみません、しばらく更新が停滞しておりました。

HGUCガンダムの完成も間近です。今回より塗装作業へと移ります。

まず、前回本組みしたガンダムをもう一度バラバラにして、塗装しやすいように部品ごとに持ち手を付けます。こんな感じにします(↓)。

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それぞれの部品ごとに差し込んだり、テープで貼ったりして竹串に固定したものを、ベニヤ板に開けた多数の穴へ差し込んでいます。写真の道具は昔自作したものなのですが、最近ではこれよりも使い勝手の良い道具が各メーカーより発売されています。手持ちの材料/道具で工夫するなり財布と相談するなりして、塗装後の乾燥待ち部品に触らずに済む方策をとってください。(乾燥してない部品を触ると指紋がつきます。)

部品に持ち手を付けたので、さっそく塗装したいところですが逸る気持ちを落ち着けてください。下地処理をします。準備編の紙ヤスリの辺りで少し出てきましたが、サーフェイサーというものを使います。

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サーフェイサーにも色々あって、ビン入りのもの、スプレーのもの、粒子の大きいもの、小さいもの等、色々あります。今回使用したのはタミヤの「ファインサーフェイサー ライトグレー」です。ここで例によって、サーフェイサーのウンチクをば。

まずサーフェイサーの効果について、ざっとこんなところでしょうか。

  1. 塗料の食いつきを良くする
  2. 部品の表面仕上げ
  3. 下地色の隠ぺい

まず、1番の「塗料の食いつきを良くする」について。

通常の範囲ならば直接塗装しても塗料は中々剥がれたりしませんが、サーフェイサーを先に塗っておくとより強固にプラモと塗料が密着するようになります。ただし、金属粒子を使用しているメタリックカラーなどは直接プラモに塗装すると、簡単に剥がれますのでサーフェイサーで下地処理をしておくことをオススメします。(昔、シルビアS13をメタリック塗装しようとして右往左往しました。)

2番の「部品の表面仕上げ」について。

サーフェイサーを吹き付けると部品表面にあるちょっとした傷などを埋めてくれたり、プラモの成型色のままでは判別しづらい小さい段差やすき間などあまり見たくなかったものが良く見えるようになります。今回、紙ヤスリは#400と#1000しか使用しませんでした。このままでは部品表面に少し傷が残ってしまいますが、この程度の傷ならサーフェイサーが埋めてくれます。

最後に、3番の「下地色の隠ぺい」について

プラモの成型色(塗装済みのものに吹き付けるなら塗装色)を完全に消して、サーフェイサーの色にしてくれます。なので、暗い成型色の上に明るい色で塗りたい時やパテ埋めして下地の色がまだらになっているときなどはサーフェイサーで下地処理するとあまり重ね塗りせずに済むようになります。また、その隠ぺい力からそのままでは透けてしまう、厚みのない薄い部品でも透き通りにくくしてくれます。

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では、さっそくサーフェイサーを部品に吹き付けて行きます。スプレーを吹き付ける時は部品から20cm位離して「シュッ」と吹き付けてちょっと移動いて「シュッ」を繰り返します。同じ場所に「ブシュ~」と吹き付けるのは不必要に塗膜が厚くなり、塗料が垂れる原因になりますので厳禁です。どうしても「ブシュ~」とやりたい場合はスプレーを素早く動かして同じ場所へ塗料を吹き付けないように注意しましょう。表面が濡れた感じの時はそこへは絶対に吹き付けないようにします。

あと、作業時の気温や湿度、スプレーの中身にもよりますが、スプレーと部品の距離が遠いと部品へ届く前に塗料が乾いて部品の表面にブツブツが付く時があります。その時は心持ちスプレーを部品に近づけます。やりながらコツを掴んでください。

さて、一通り部品にサーフェイサーを塗り終えました。

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塗装に入る前に部品をチェックします。

あらあら、意図したわけではないのですが、悪い見本が・・・。

部品の合わせ目が完全に消えていませんでした。消したつもりだったんですが、そう思っていたのは私だけのようでした。

見なかったことにしても良いのですが、修正します。

まず、問題のあった箇所を紙ヤスリ#1000で成型色が見えるまで削ります。

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左の写真の部品の合わせ目を中心にサーフェイサーが残っています。ここにパテ盛り→ヤスリ掛けを行なって、もう一度サーフェイサーを吹き付けます。右の写真の様に段差が見えなくなれば成功です。見えなくなるまで、作業を繰り返します。

という感じで、全ての部品をチェック、修正しましょう。

下地処理だけで随分と長く なってしまいました。次回こそは塗装に入ります。


ガンプラステップアップ(1)-HGUCガンダム作成【本組み編(2/2)】

2010年08月09日 18時32分08秒 | ガンプラステップアップ

今回で本組み作業は完了いたします。前回は頭部と胸、腹部の本組みを終わらせましたので、その続きになります。

まずは、腕部を作業します。・・・特筆する部分はありません。頭部や胸部と同じような作業をしました。

続いて腰ですが、前部アーマーの分離だけします。まあ、真ん中で部品を切り離すだけです。

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切り離した部分はそのままだと引っかかるので切断面をヤスリで仕上げます。

最後に足です。まずは、膝下の部品から。

これまで同様に接着して合わせ目を中心にヤスリがけしましたが、ふくらはぎのあたりの合わせ目が残ってしまいました。また、仮組み時に部品をえぐった場所でもあります。パテ埋めで処理します。

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まず、パテを埋めたいところを中心につまよう枝で少し塗ります。そして、パテが乾いたら(20~30分程度)ヤスリでパテを慎重に削ります。合わせ目が残ったところ、えぐった場所にパテが残って面が一致しています。

前回、説明できなかった胸のパテ埋めも同じ手順で行なっています。

そして、足首の部品です。今まで同様接着~ヤスリがけしますが、狭すぎて紙ヤスリの作業は困難です。この場所は幅も小さいのでナイフでカンナ掛けしたいと思います。

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右の写真がカンナ掛け作業中です。ナイフの刃を部品に対して垂直にあて、刃と直角方向にひっかくような感じで動かします。この作業はナイフで部品の表面を薄く削り取ってくれるので、仕上がりもきれいになるのですが、前記事で記述したように部品に結構力が加わるので細い部品に使用する際は注意が必要になるのと、水平に削るのは難しいので広い場所の処理には向きませんので注意してください。

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棒ヤスリの痕をキレイに消せました。中央部分は組み立ててしまえば見えなくなる部分ですので、何も処理しませんでした。(気になる方はパテ埋めとカンナ掛けで処理してください。)

残るは太ももと足首のアーマーですが、これまでの作業を参考に処理しましょう。

残るはハイパーバズーカ、ビームライフル、シールド、コアファイターです。

まずは、バズーカからいきます。これまで同様接着します。そして接着剤が乾いたらヤスリがけですが、こういう円筒のものは紙ヤスリを巻きつけてヤスリ掛けするとキレイに処理できます。

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紙ヤスリを巻きつけて、バズーカをグルグル回しながら削ります。

ビームライフルも同じ様に作業します。

続いて、シールドです。こいつは接着作業はないのですが、赤い部品が大きいのでヒケのチェックをしました。特に問題なしだったので、シールドは何もしていません。

やっと最後です。コアファイターの後ハメ加工をします。機首部品の本体にはめ込む部分を切り取るだけです。

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あとは、これまで通り、後ハメチェックと接着作業をしました。

さて、最後の作業です。ばらばらになった部品をもう一度組み立てます。(胸のダクトはとれなくなるので組み付けませんでした。)

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合わせ目を消し忘れていませんか?ヤスリの傷が残ってたりしませんか?最終チェックしてみましょう。ディテールを追加した方は追加したことでバランスが崩れていないか確認してみましょう。

さて、次回はいよいよ塗装に入ります。が、塗装編はもう少しお待ち下さい。


ガンプラステップアップ(1)-HGUCガンダム作成【本組み編(1/2)】

2010年08月09日 13時34分29秒 | ガンプラステップアップ

それでは仮組みが終わったら本組みに入ります。

本組では、前回列挙した次の7ヵ所に手を加えつつ合わせ目の処理やパテ埋めなど行ないます。

  1. 顔の後ハメ加工
  2. 腹の赤い部品の後ハメ加工
  3. コアファイターの機首(青い部品)の後ハメ加工
  4. 肩関節部の後ハメ加工
  5. 頭のアンテナをもう少しシャープに
  6. 胸の黄色いダクトが洗濯板なのが気に入らない
  7. 腰の前部アーマーを分離

なお、今回使用したHGUCガンダムではほとんどの合わせ目が接着したあとにヤスリがけすることで消えました。

最初に頭部から作業していきます。何故かというと、ぶっ続けで作業をやっていると後になればなるほど雑になっていきますし、一番先に目が行って目立つ部分だからです。

まずはアンテナの裏側写真の赤く塗った部分をニッパーなどで切り取ります。

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切り取った後は紙ヤスリで裏面を平らに 仕上げます。アンテナ中央の裏側には頭のパーツにはめ込むためのポッチがありますので、下に台を敷いたり机のスミにポッチを逃がしたりしてヤスリがけしました。右下の写真の右側が作業前、左側が作業後です。

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このまま終了でも良いのですが、「まだまだ物足りない!」という方は今度は表側をヤスリがけしましょう。私も少しだけ棒ヤスリで削りました。「ナイフでカンナ掛けした方が早いよ」と言う方もいらっしゃるでしょうが、個人的にあまりオススメしません。

何故かというと、ナイフでカンナ掛け(次回記述します)するということは部品に結構な力が加わります。パーティングラインの処理程度ならいざしらず、細いアンテナのような部品をカンナ掛けで削り込もうとするとよほどの熟練者でもない限り途中で部品が折れますし、形もイビツになります。

なので、棒ヤスリで優しく、時間を掛けて作業した方が確実です。ただし、当然のことながら、作業が進むほど部品が折れやすくなりますので、これ以上は折れるかもと思ったらそこで作業を中断しましょう。

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左が作業前、右が作業後です。まだまだいけるんですが、私はここで辞めました。他の作業もあるし、部品を折ってしまったら元も子もありませんので。

アルミ削り出しアンテナパーツとかアンテナ用エッチングパーツ(折り曲げ治具付き)とかアフターパーツでも出せば売れると思うんですが、バンダイさん出さないんですか?

続いて、顔の後ハメ加工をします。まず、頭を分解して後頭部と顔部品の接続部の位置関係を確認します。

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テープで部品を止めてありますが、撮影用に固定してあるだけですので気にしないでください。(助手がいないもので・・・)

分解するために顔のはめ込み部分をカットしていたのですが、どうやら長さは丁度良いようです。ということは下の写真のように後頭部のはめ込み部分(赤く塗ったところ)を切り取るだけで済みそうです。

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赤い部分をカッターナイフやヤスリで丁寧に削り取ります。削り取ったら必ずチェックしましょう。

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ちゃんと後ハメが出来るようになっていました。後ハメ加工がきちんと出来たところで頭部の接着、合わせ目処理を行ないます。

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流し込み接着剤を付属の刷毛で部品同士の合わせ目に流し込んで行きます。この接着剤は刷毛でチョンと1ヵ所触れば部品の合わせ目に沿って流れ込んでくれるのですが、ガンプラの場合は合わせ目を刷毛でなぞってしまっています。こうすると、あとでヤスリがけする時に大抵の合わせ目が消えてくれます。全ての合わせ目が消えるわけではないので、どうしても嫌な方や全体塗装したくない方は通常のトロトロタイプで合わせ目を消した方が無難です。

接着剤が固まったら、それぞれの面が一致するように合わせ目部分を中心にヤスリ掛けします。平面は棒ヤスリ、曲面は紙ヤスリ(#400)といった具合に使い分けると作業性が良いと思います。

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それぞれの面が一致したら、最後に紙ヤスリ(#1000)で少し表面をキレイにします。

前側、後ろ側の部品ともに合わせ目部分が全て盛り上がっていたので、接着剤だけで合わせ目が消えました。

続いて胴体部分の作業に入ります。まずは、腹と胸の後ハメ加工と肩関節部品の後ハメ加工をします。これはすごく簡単でした。

腹の方はピンを全て根元から切って、肩の方は少し短くしただけです。

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腹の方は裏側のピンも切って引っかかったりしないようにヤスリで平らにしています。肩関節の方はポリキャップの接合がきつかったので切り口を整えました。

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肩関節のポリキャップを組み付けるピンの先端を少し斜めに削ってあるのが分かって貰えるでしょうか?あと、肩関節は上の写真の様に斜めに差し込みます。

腹と肩関節の後ハメチェックができたところで、胸の部品の接着、腹の部品の接着を行ないます。

腹の部品は接着部にスジ彫りされているので、接着剤がスジ彫りを埋めないように腹の内側から接着剤を流しこみます。そうそう、接着するのはピンを半分位切ってあるのでそのままの状態では部品の結合が甘いからです。合わせ目はヤスリがけをやってません。仮組み時のヤスリ傷だけ紙ヤスリできれいにしました。

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続いて、胸の接着と思いきやコックピット側面が周囲とツヤが少し違っていて窪んでいるようにも見えます。もしやと思って#1000の紙ヤスリで表面を軽くヤスリがけしてみました。

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この写真で分かるでしょうか?写真中央の赤丸で囲った部分なんですが、ヤスリがけ出来ていない場所があります。「ヒケ」と呼ばれる成型にプラスチックが熱収縮した際に窪んだものです。特に広い面のある部品や部分的に厚みのある部品などに発生しやすいです。このまま、ヤスリがけしてやれば平らに出来そうですが、せっかくの機会なのでパテ埋めします。

ヒケの部分にすこしパテを盛って20~30分待てば完全に乾くので、#400でざっと削ってから#1000で仕上げます。

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すみません、作業中の写真を撮り忘れていました。足の部分でもパテ埋め作業をしていますのでそちらを参考にしてください。

なんやかんやでヒケは修正できました。反対側も同じ様にヒケがありましたので、そちらもパテ埋めしました。

ヒケが修正できたら、胸の接着をします。作業は頭部や腹部と同じ様に作業しています。

次に胸のダクトを加工します。ひょっとしたら、「プラ板で作るのか?」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、キットの部品をチョイチョイといじるだけにしています。いじると言ってもスジ彫りを追加するだけですが、道具を制限したせいで少々危ない作業になっています。万が一、ケガをしてもご自分で責任を取れる方のみ行なってください。当方は責任を負いかねます。

下の写真を見てください。

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カッターナイフの刃とは反対側の角を部品に押し当てて削って行きます。この作業は本来の道具の使い方とは全く異なりますので、細心の注意を払ってください。また、必然的に常に刃が自分に向いていることになりますので刃の先端をテープで巻いて保護しましょう。一応、このやり方は個人的に頻繁に行なっていて一度もケガなんてしたことないのですが、危ないことには変わりないので絶対に油断しないでください。

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大体、1mm位彫りこみました。左が加工後、右が加工前です。加工前よりもマシにはなったと思いますが、ヒレの厚みが気になります。先端部分だけを薄く削ります。

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削らない部分をテープ(2枚重ね)で保護して、棒ヤスリで斜めに削ります。

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先端部だけが薄くなるようにけずりました。写真左が薄く削ったもの、右が削る前のものです。満足いくものになりました。

ちょっと宣伝します、ご容赦を。

今回、カッターナイフで行なったスジ彫り作業は道具本来の使い方ではありませんでしたが、スジ彫り用の工具も少々値が張りますが世の中にはあります、専用工具の方が安全で効率的に作業出来ます。当店ではGSIクレオスの「ラインチゼル(2,310円)」、スジボリ堂の「BMCタガネ(1,470円~)」、 サテライトツールスの「ペンライナー(1,260円)」などを取り扱っています。興味のある方は覗いてみてください。

さて、作業を再開させようとしましたが、かなり長い記事になってしまいました、次回に続きます。