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山岳地のラヴェンダー畑
一億年前から七千万年前にかけて
今のアフリカ大陸とユーラシア大陸とがぶつかり合って
もりもりもり
っと
押されて盛り上がったところが
『アルプス山脈』
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モンブラン山塊(空路撮影)
ぶつかり合った反動で
両大陸が両側に少し戻って
メリメリメリ
っと
引き裂けたところが『地中海』
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だから
地中海は浅い海なのです
南側のアフリカ大陸の熱気を溜め込む
湯たんぽ
みたいな海に沿っている南仏は
夏は強烈に暑く底抜けの青空
冬も寒くはない
そして
海岸を背にして反対側を見ると
そこは山岳地
例えば
ゼザンヌが20枚ほど連作した
『サント・ヴィクトワール山』
を側面から見ると
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サント・ヴィクトワール山
高速道路からはこんな風に見える
紺碧の海の背後に
夏の強烈な太陽に焼かれた荒涼とした山岳地
強い太陽に育まれた色鮮やかな花々
そして
年に200日以上吹き付ける強風
『ミストラル』
それが
『プロヴァンス地方』
なのです
そのプロヴァンスを訪れるのなら最初に到着する場所は
マルセイユ
を除いて他にはないだろう
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『マルセイユ旧港』
この写真は
旧港の入り口の高台のホテルのバルコニーから
写した
手前が港外へ通じる
フェニキア人が地中海貿易を独占しかかっていた頃
地中海世界の中ほどに出先の出張事務所の役割で植民して築いた拠点が
マッシリア(マッサリア)
今のマルセイユ
ちなみに
その後ローマ帝国がちゅ仲介の覇権を握り始めると
マッシリア防衛の拠点として
もっとイタリア半島に近い
ローマとの中間点に再度築いた拠点が
『ニカイア』
今の『ニース』
そのマッシシアの総督の娘に選ばれて
近くのガリア(今のフランス)の部族の息子たちの中から
婿入りして独立するとき
総督に与えられたのが『カンヌビエールの丘』
その頂上に
港を見下ろすようにして聳える教会がある
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旧港から見上げるノートル・ダム・ド・ガルド(守護の聖母)バジリカ聖堂
この
マルセイユのランドマークは
1872年普仏戦争に敗北し
全土を2年間プロシア軍に占領された後
国民の愛国心の再度も覚醒を促す目的で建てられた
パリの『モンマルトルのサクレクール』
リヨンの『フールヴィエールのノート・ルダム』
などと同じ目的
ときは世紀末
やや「なんでもあり」で流行っていた
『ネオ・ヴィザンチン』や『ネオ・ロマネスク』の様式で
外観の造作は
ヴィザンチン
及び
その影響のあるロマネスク
に共通点がある
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ノートル・ダム・ド・ガルド聖堂
内部もヴィザンチンのように
モザイクあり
フレスコあり
賑やかで派手派手しく
あたかも「築地本願寺」のごとし
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要するに
イスタンブールの『アッギヤ・ソフィア』
と
コルドバの『メスキータ』
を足して
二で割ったような...
丘の頂上の聖堂のテラスから外海を見ると
島がある
海の中に立つ要塞のごとく
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イフ島
この「イフ島」にある要塞が『シャトー・ディフ(イフ城)』
あの
『モンテクリスト伯エドモン・ダンテス』
や
『鉄仮面』
の構想の舞台となった牢獄に使われていた
2時間に1本ほど出ている
隣の大きい方の島と一緒に巡る連絡船で
15分ほどで到着できる
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イフ島
上陸すると
売店兼カフェ・レストランが一軒あるだけで
それ以外は城しかない
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イフ城
単純に
四隅の防御の拠点の巨大な丸い塔の間を
城壁で囲んだ
戦国時代特有の四角い城
中庭があり
周りの城壁の部分が各種の部屋や広間や武器庫など
その中の
城壁の上に登る階段の下の入り口に
『モンテクリスト伯エドモン・ダンテスの独房」
という小さな銘版あり
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エドモン・ダンテスの独房への入り口
上に上がってみよう
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二階部分は
内側で巡回できるように造られている
それぞれ
結構な知名人の独房後の銘版あり
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城の中庭
真ん中に井戸がある
海上だが
島全体が岩なので
海底の深さまで掘れば真水が取れたのだろう
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四つの塔のうち一つが一番高い
そこを登ると塔の屋上部分にでられる
見晴らしは最高
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時間帯によって
到着してから帰りの船まで1時間半あることもあって
その時は
城の周りでも回って
カフェでお茶すれば良い
時期によっては
城の周りの雑草の中はカモメが産卵していて巣ごもり中
闖入者を追い返そうと
数百羽のカモメたちが一斉に奇声をあげて恫喝してくるので
ちょっと怖いけれど
マルセイユの街中自体は大したものはなく
薄汚れた旧市街を歩くと
アルジェの街を歩いているような錯覚すら覚える
そういえば
アルジェの市民はマルセイユからの植民者が多かった
旧港は昔は帆船
今はヨットとクルーザーと連絡線と遊覧船
それとは別に
小さな漁港もあるのです
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ヴァロン・デ・オーフ港
両側に数十軒の漁師小屋が並び
小さな釣り船がぎっしりと舫ってある
ここにあるレストランは
マルセイユ名物の『ブイヤベース』の
本物が味わえる
街中のレストランでは
魚は冷凍か(特に観光客用の店)
魚市場からの仕入れだが
そこのレストランでは
目の前の漁師が
その日の朝に釣り上げてきた魚
だけで作るから「本物」
生きの良い「磯の小魚」がないと本物のブイヤベースはできない
と
言われてきました
街中の散歩は
あまりお勧めできない
治安が良くないから
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このような
小綺麗な地区ならいいんですけどね
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ただ
最近非常に興味深い博物館が二軒作られた
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MuCEM
『ヨーロッパ・地中海文明博物館』
ヨーロッパと地中海世界の文明の関連性を
専門とする博物館
もう一軒は
『地中海世界考古学、地中海周辺古代文明博物館』
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17世紀の「施療院」の建物を
完全リニューアルして
6000年の地中海文明圏の全てを考古学的に網羅
これらの博物館は必見です
さて
マルセイユでは
是非ご紹介したいホテル・レストランがあるので
それを
次回のテーマにしましょう
お楽しみに
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