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プロヴァンスを巡ろう 54 <東プロヴァンスで 後背地の山の村々を訪れる 3>

2021-02-02 00:16:09 | 素晴らしき世界/フランス/プロヴァンス
トゥーレットの『Château du Puy シャトー・デュ・ピュイ』


昨日の「ファイアンス」に隣接するように
もっと小さな丘があって
そこにある村


『Tourettes トゥーレット村』


丘の上の
ふる〜いお城の跡にいつの頃か塔を建てて時計塔にした
その塔が
村の名前「Tourette  小塔/かわいい塔」の由来
なのではなかろうか

しかし実際にはそうではなく
この地に城は無かった模様
城塞を形作るほどのしっかりした切石の残骸もない

城には二つの塔があるが
19世紀のナポレオン時代の城なので村名にはなりえない

『Château de Puy ピュイ城』





ナポレオンが
ロシア国内の道路網の実情その他戦略的情報収集のために
サンクト・ペテリブルクに派遣した武官が
30年のロシア滞在から帰国する際に
滞露中に集めた絵画や美術工芸品を飾る博物館として使える様に
城を建設した
サンクト・ペテルブルクの陸軍士官学校をモデルに設計したが
本人の生前には完成しなかった


従って
裏側から見てみると
正面左右の角塔の内側は作られていない事がわかる




それよりこの村は
フタコブラクダのような二つの起伏の
小さい方の頂上を『ピュイ城』が占めており
大きい方の丘が集落で
その天辺が『時計塔』という構造

教会は集落の丘のやや下の方




『Eglise Saint-André 聖アンドレ教会』























ところでこの『トゥーレット村』は
殆どの民家が非常に高いレベルで修復されている
ヴァカンス時期は千客万来なので
地元に落ちるお金も多く
自治体主導で建物のレストア(修復)を積極的に行ってきたことが
観て取れます

この
隣同士の二つの村『ファイアンス』と『トゥーレット』の
供用飛行場がある
「空港 Aéroport」ではなく「飛行場 Aérodrôme」

『ファイアンス=トゥーレット飛行場』

ターミナルビルのなんと可愛いこと
もちろん定期便などはありません
飛行クラブが使っていて
あとは報道ヘリやらいろいろ不定期に利用されているらしい


※  ※

「トゥーレット」から東に3〜4kmで
『Callian カリアン村』
に至る

『Château de Callian カリアン城』

11世紀に築城され
今は両側の丸い塔が12世紀と13世紀の部分
大部分は16世紀に「プロヴァンス・ルネッサンス」様式で改築

南側正面と裏側北面や西側では
かなり印象が違う

南側

西側






城の北東のはずれ(しかしすぐ近く)に
教会がある
写真の三角尖塔屋根の四角い高い塔がそれ

Photo by ⒸGoogleMap

右上の細長い長方形の建物が教会

『Eglise Notre-Dame de l'Assomption 被昇天の聖母教会』



『Place de l'Eglise 教会前広場』








噴水(水場)





※  ※

東に10kmほど行くと
『Montauroux モントールゥ村』がある

非常に美しい城館が名高い

『Château de la Colle Noire コル・ノワール城』

なぜ名高いかというと
『クリスティアン・ディオール』の所有だったから


城の歴史自体
それほど古くはない
建設が19世紀後半で20世紀になってやっと完成したようだ

戦後
敷地が100ヘクタールを超える広大な城が痛んでいて
維持が難しくなりかかっていた時
1950年にクリスティアン・ヂオールが買い取った


彼は
城本体も丁寧に修復し
各お部屋を入念に装飾していきながら
自分の作る香水の根底をなす花畑を庭園に植え
陽光を反射する池
鈴蘭や
薔薇や
ラヴェンダーなど
さらには
葡萄
アーモンド
オリーブ
等を精力的に植えていった


北部ノルマンディーの生家も
庭に特別の花壇を作って
四季折々に花に囲まれる環境を作っていたが
ここ
南仏のプロヴァンスを殊の外好み
「私の家」
と呼んで丹精して飾っていった


結局
彼は1957年に神のもとに旅立ち
「我が家」の完全な感性を見ることはなかった

その後
クリスティアンの遺族から
『Parfum Christien Dior』(香水部門の会社)が買い取り
クリスティアンがパリを離れて滞在中に
暮らした頃のままに再度修復された









現在
パッファン・ディオール社のパーティーや
顧客筋などの接待用ゲストハウス
それに
文化と芸術のランダムな集会やワークショップや合宿
などに開放されている




旧村落はといえば


頂上の平な丘の上に
起伏の少ない集落を形成している

一番最初の部分が一つの礼拝堂を取り囲んで円形の家が並んでおり
その南につながって
後から開けた部分が長方形に延びているので
まるで前方後円墳の様な輪郭

Photo by @GoogleMap

礼拝堂と
その前の敷地を囲む石塀がわかります

『Cjapelle Saint-Barthérémy 聖バーテレミー礼拝堂』


鐘が正面ではなく後ろ側の屋根の上にある

そしてややこしいことに
この「礼拝堂」と同じ名前で「教会」もあるんです

『Eglise Saint-Barthérémy 聖バーテレミー教会』





村の様子も



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