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地中海の『美の島』コルシカ島 29 < ジッリアーラの新旧の教会と コノッコーリのゴーストタウン > ヴァランコ湾周辺 から 島の首都アアジャクシオ へのルート 3

2021-10-27 00:26:19 | 素晴らしき世界/コルシカ島
巻頭写真 : ジッリアーラの『新教会』

地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた



先回ご紹介した「マカ・クローセ」の北に4kmほどで
「ジッリアーラ」という村がある

『Zigliara』

コルシカの何処にいってもある有り触れた山村
村の高い位置から周囲を見回すと



周り中山また山
こんな光景しか目に入らない山国

そんな村に「新旧」二つの教会がある
まず新しい方から見ていこう
その名も「新しい聖堂」と味も素っ気もない

『Chjesa Nova』


誰が見ても


何処から見ても


何時見ても


どうもても廃墟


なぜなら
島がジェノヴァの支配から離れてフランスに帰属し革命も終わって落ち着いた頃に
島で教会を立て直すラッシュがあった19世紀半ば


この村でもその動きに負けじと1864年に新教会の建設に着工したが



様々の理由で工事が遅れ
今日に至る迄ついに完成を見ないままになっている
だから
完成した際に特定の聖人に捧げる「献堂式」を行っていないので
「聖ペトロ教会」でも「聖フランシス教会」でも「聖母教会」でもなく
名前はない
ただ「新しい教会」と呼ばれる廃墟



地元の村人たちは未だに完成を夢見ているようで
「コルシカのサグラダ・ファミリア」だと自虐的に呼んでいる

次に古い方の教会
『ジッリアーラの教区教会』

『Eglise Paroissiale de Zigliara』


右側に張り出した南の翼廊の外壁に
「1678年5月16日」と建立の日時が刻まれている


こちらの教会はかねてより
他のどこの教会とも同じように村の中心的存在であるがゆえに

立派な鐘楼もあって



結構遠くからでもいろんな角度から見える


しかしこれも
特定の名前で呼ばれているわけではなく
以前はちゃんと守護聖人の名前が付いていたはずだが
いつしか「村の(教区)教会」と呼ばれるようになって今日に至っている

主祭壇

内部は天井が白い漆喰で壁がベージュのオーカーが塗られている

祭壇から扉口を振り返る

扉口に向かって右の角にあるとんがり覆いのついた洗礼水盤がいい感じ


覆いが素朴ながら素敵な意匠だ

翼廊の礼拝用祭壇上部


祭壇

さらに別の礼拝祭壇もあって


祭壇中央に片膝をついた子供の天使像が愛らしい

聖櫃

典礼で使われる「聖パン」を収める金張りの櫃が
鄙にも稀な見事さだった

「新しい教会」は中断して放置された廃墟だが
古い方の「村の教会」は国の文化財に指定されている

小さな村とはいえ
中心部は歩くほどにタイムスリップした感覚に襲われる
「ヴィエイユ・ピエール(古い石)」
の家並みが実に良い











しかし周辺は実のにのどかな田舎の雰囲気





 ※  ※

「ジッリアーラ」から国道を挟んだ西側に直線距離で5kmほどのところにある村が興味深い
『コノッコーリ・モンティエッキ』
「コノッコーリ」村は三つの村の合併でできた村で
それに加えて
さらに「モンティエッキ」という廃村の部分が一緒になって命名されている

『Cognocoli-Monticchi』中心部遠景

村の中は「ヴィエイユ・ピエール(古い石)」と呼ばれる家並みが情緒たっぷり







そして「Fontaine(水場)」がいくつも残る

Fontaine 1

同 ディテール

Fontaine 2

同 ディテール


Fontaine 3

教会もご紹介しておこう
『聖ニコラ教会』

  『Ghjesgia San Niculà』


同 外陣

そして件の「ゴースト・タウン」である「旧モンティエッキ集落跡」だが


廃村になった旧モンティエッキ村の入り口



実は数十年前初めてコルシカ島を訪れた時
山間を抜けて走る県道で村を抜けるとやがて道路の山側にも谷側にも
石造りの結構立派な家が1km起きくらいに現れて
全部廃屋だったことに驚いた経験がある

今は日本も限界集落などが話題となり廃村は珍しくないようだが
当時の私にはショックだった


後に雑誌の記事を見つけたのだが
集落を離れると一軒家では水道設備がなく
(何しろ山間の一軒家なので電気が来ていない家も結構あったとか)
背後の山の中の水のある場所まで毎日汲みに行かねばならず
人口の老化と共に生活が困難となって生まれ育った家を捨てて去る住人が
多くいるのだとか









実は教会もあった



外観は綺麗なままだが

内部は廃墟

そして一軒だけ人が住んでいるらしき家があった



右の家は廃墟だが
左の家は白く綺麗に塗られているし窓にはガラスも嵌っている


「Village abandonné 打ち捨てられた村」の番人なのだろうか

間道沿いに点在する一軒家の廃屋は珍しくないが
集落ごと全部が廃村になってしまっているのはそれほど頻繁にあるものではない

このルートの項は続きます
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