行ってみませんか... こんな 素敵な世界へ

好奇心旺盛な長年の体験で、行って、見て、食べて、泊まった素敵な世界を、皆んなにちょっぴりお裾分け...

地中海の『美の島』 コルシカ島 46 < モンテ・ドーロ と モンテ・ロトンド > ヴィザヴォーナから 南北の名峰2座を訪れる高山三昧  2 北側

2021-12-08 00:49:15 | 素晴らしき世界/コルシカ島
巻頭写真 : 朝霧にけぶる『モンテ・ドーロ』

山賊と海賊とが跋扈した
地中海に切り立つ高山コルシカ島は
野生のハーブと果樹の森に覆われた『美しい島』と呼ばれる



県境の「ヴィッザヴォーナ峠」を北側に下ると「ヴィッザヴォーナ村」に至る
その村を挟んで南北にコルシカを代表する名高い名峰がある
北側は『モンテ・ロトンド山系』に含まれる『モンテ・ドーロ山』
南側は『モンテ・レノーゾ山』及びその山系に含まれる『オリエンテ峰』
先回南側に行ってみたので今回は北側を訪れよう

Map by ⒸInstitut Géographique National (IGN)

すぐ北側に「Ancien Fort (旧要塞)」と「Cascade des Anglais (英国人の滝)」

駅を離れるとすぐ森になるがそこに教会が建っている

『Chapelle A Sigora di a Furesta / Eglise Notre-Dame de la Forêt』

『森の聖母教会』という名前のこの小さな教会は
森が生活の一部になっている証


内部もシンプルだが明るくて優しい雰囲気が漂う
森の中の道に入ると標識が現れる


「Cascade des Anglais (英国人たちの滝)に至る GR20 北路」という表示
「GR」は仏語で「Grand Ranbdonée(大トレッキング)」の頭文字で
ヨーロッパ全体に北から南へと途切れ途切れにつながるルートの名称で
「GR 20」はコルシカ島内の山と谷を結んで南北と東西につながるルートの事です


アウトドアー・レジャーと言う感覚は英国貴族から生まれてきた
それまで余暇を楽しむのは貴族たちで庶民は働いて財を収めて死んでゆくだけ
19世紀までの仏貴族の楽しみとは「宮廷での宴会」と「男女の秘め事」
ところが英国は「カントリー・ジェントルマン」という言葉がある通り
宮廷に入り浸るより自分の領地で猟犬を育てたり馬を名馬に仕立てたり
自ら自然の中で暮らすのを好んだ






冬の長いブリテン島から避寒地として大陸へ地中海へとやって着て
フランス貴族が価値を見出していなかった海辺や山地の
「知られていない密かな場所」を見出すことに喜びを感じていた
コートダジュールの発達は彼らに負う








ここの滝もきっと
そんな感じで英国人が発見してそのような呼び名がついたのではなかろうか

ところでコルシカ島には標高2000mを超える山は40を超える
尾根の途中のピーク(峰)を入れるともっと多い
その中で
『モンテ・チント 2706m』
『モンテ・ロトンド 2622m』
『モンテ・レノーゾ 2352m』
の三大主峰には周辺の連山を入れてそれぞれの名前で「山塊」と呼ばれる
そのうち
「モンテ・ロトンド山塊」の『モンテ・ドーロ 2389m』と
「モンテ・レノーゾ」とが
「ヴィッザヴォーナ」の南北にそれぞれ直線距離10km〜15kmで向き合っている


「ヴィッザヴォーナ村」から北北東に路程で20km
高低差1350mの往復7時間半の行程で「モンテ・ドーロ」登山を楽しめる



森林限界を超えた高さになると


「黄金山(モンテ・ドーロ)」が見えて来る
上の写真では左奥

『Monte d'Oro』









頂上には十字架と登山者たちが積み上げたケルンがある


頂上からの眺め






真冬にはこんな眺めになる
登山できるのは6月から10月までの5ヶ月間弱

初夏




初冬(積雪前)

この「モンテ・ドーロ」の含まれる山塊の主峰『モンテ・ロトンド』に関しては

『Monte Rotonde』

後日「コルテ」の町から「レストニカ渓谷」の際に改めてご案内しよう

「モンテ・ドーロ(黄金山)」を下山して森の中と山道を東に向かうと
森林地帯の中に清流が何本も流れている






当然滝もある
『はちみつ滝』

『cascade du Miel』

なぜそのような名前になったのかは寡聞にしてわからない





面白いものがあった


近くの集落にフォンテーヌがあってその溢れた水が回収されて


滝につながる清流に戻されている




北東の方角に森を抜けて行くと『ヴィヴァリゥ』という村がある
その村に入る直前
まだ「ヴィッザノーヴァ村」の森の中にとても小さな可愛い礼拝堂がある
『雪の聖母教会』

『Chapelle A Segnora di a Furesta / Chapelle Notre-Dame de la Nège 』


たまたま何かのミサで礼拝堂を開けてあったが
中は祭壇しかないほど奥行きがない小さな礼拝堂

そして『ヴィヴァリゥ』村

『Vivariu』

清潔感溢れた『軛の聖ペテロ教会』が村のシンボル


『Eglise Saint-ïerre aux Liens』

たまたま姪に立つ標識の一つ
茶色の標識(普通文化財を示す)に「サンタ・マリア・ダルク礼拝堂」とあるが
いかにも古そうな礼拝堂が村はずれにあるのです


『chapelle de Santa Maria d'Arcs』

入り口に向かう石段は頽れ朽ち果てる寸前
斜面に建てられているので奥は半ば地面に埋まるような作りになっている
他にも

『Chapelle Saint-Pierre et Saint-Paul』

この「聖ペテロと聖パウロ礼拝堂」は程よく修復されているようだが
「八角堂」とでも呼べる5世紀頃の原始キリスト教の教会の建てられ方をしている

村の周囲は山々に取り囲まれていて北側の小山の頂上に何やら建っている



右奥の小山の上



『Fortin de Pasciolo」

『パッシオーロ小要塞』と言い遠望すると禿山に建っているかのように見える


しかし建っている小山の頂上のほんの少し下から見ると木々がある



ほぼ同じ高さまでくると
遠くから感じたように木は一本も生えていない禿山のように思える


先回あげた「ヴェッザヴォーナ旧要塞」は
四角い建物のうち向き合った二面の壁が残るのみなので
直角に見ると日本の腕のように見えたが
こちらはしっかりと壁が四面ともに残っている




この辺りは峠の直下の「ヴィッザヴォーナ村」の北9kmほど
間道をまた国道に乗り換えて先を目指すことにしよう
村を一歩出たところに「二重橋」がかかる

『Pont Vecchio et Pont d'Eiffel』

「ヴェッキオ川」にかかる『ヴェッキオ橋』の上に
ギュスタヴ・エッフェルの設計による鉄道橋がかかっている


電車がこの鉄橋に差し掛かるとけたたましい警笛を響かせながらゆっくりと渡る
下を通る車はエッフェルの橋に敬意を表する形となる




=  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =
皆様のご感想やご意見ご要望などを「コメント」からお寄せください
実際の旅行の立案や手配と案内などに関心のある方は次のサイトもどうぞ
https://veritas21.com  『こんな旅がして見合い 誰も真似のできない旅のプランナー』

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地中海の『美の島』 コルシカ... | トップ | 地中海の『美の島』 コルシカ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

素晴らしき世界/コルシカ島」カテゴリの最新記事