巻頭写真 : 『プンタ・デッロリエンテ峰』
仲間割れで逃げた山賊を海岸の村が匿い
港にいられなくなった海賊が島肌に群生するマキに逃れて山里で匿われた
「地中海の美の島」と呼ばれるコルシカはそんな歴史を持つ
海の国で山の国
先回に引き続き
今回は「ヴィッザヴォーナ村」から南側の山を訪れよう
「レノーゾ山塊」を構成する中に
「ヴィッザヴォーナから南に下るとほどなく『オリエンテ峰 2112m』がある
(この地図には書かれていない)
山麓には昔からの牧羊家の羊小屋が点在している
数千年間続いた氷河期が終わった後
氷河が割って運んできて残された岩がゴロゴロ残る地形ができアフガリ
そこに牛やヤギが放牧されている
この尖った岩の先端と周囲には放牧されているヤギが多数へばりついているのですが
写真では小さすぎてわからないかも
頂上にはお約束のように十字架が立てられている
『Sommet de la Punta dell'Oriente』
「オリエンテ峰」の頂上
この峰から直線距離で南に10kmほどで山塊の主峰『モンテ・レノーゾ 2352m』
が控える
南コルシカの最高峰
『Monte Rinosu / Monte Renoso』
頂上直下の標高2092、の位置に『バスターニ湖』がある
『Lac Bastani』
1965年12月29日
バスティアのバスケットボールチームの男女選手22名と関係者2名を乗せた
ボーイングが2300mあたりの斜面に激突した
当日あたり全域が濃霧で全く視界がなく惨事が起こり
救助隊は2日後にしか近づけなかった
乗客24名全員がなくなったが
加えて
救助活動に携わった高山救助隊の女性救助隊員が一名転落事故を起こして亡くなった
その彼女を偲んで女性の頭像が事故現場に立てられている
「バスターニ湖」を頂上から見下ろす
角度と季節が変わると別の山のよう
ちなみに「レノーゾ山塊」には最初にご案内した「プンタ・デッロリエンテ峰」以外に
6座の2000m超えの山々がある
その「レノゾ山を東側に下ると麓は『ギゾーニの森』がが広がり
『ギゾーニ村』がある
遠景は典型的なコルシカの山里
例によって村に入る少し前に廃屋があった
村の中は遠望する時の印象より開けた感じ
『Ghjese santa Maria / Eglise notre-Dame』
聖母教会
『Ghjese San Franceschinu / Eglise Saint-Fransisco』
聖フランシスコ教会
なにやら立派なお屋敷のような住宅があった
建物の後ろに覗く山を注目してほしい
この「刷毛」の毛先みたいな頂上を持つ山は村の背後に必ず見える
『Monte Kyrie Eleison』
「キリー・エレゾン山」
この山はその昔スランシスコ会の修道僧たちが僧院を建てて隠棲し
「神の慈悲は我らに」と唱えていたそうだがコルシカ語で神の慈悲を「Kyrie Eleison」といい
それをこの村の守護聖人の如くに背後から見守るこの山を
その名で呼ぶようになったそうだ
せっかくだからアタックしてみよう
近づいているつもりでもまだまだ遠い
やっとkなり近くに見えてきた
頂上ももうそう遠くない
頂上間近で下に村が見えている
ただしこんな針のようなピークには登りません
ついに登頂成功
(写っているのは筆者ではありません)
見下ろすと下の方が大変そうに見える
「ヴァリー川」
ということで
もう一度地上で村の周囲を見てみることにしよう
では次回は「ヴィッザヴォーナ」の北側の山歩きをしてみよう
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