巻頭写真 : ファウエットの『サン・フィアックル礼拝堂』
荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を巡ろう
27
海から少し遠ざかり
「ポン・タヴェン」から北東へ30kmほど行くと
『Le Faouët ル・ファウエット』という村に至る
この町には面白い施設があるんです
『Musée de l'Abeille Vivante et la Cité des Foumis』
「生きた蜜蜂と蟻の博物館」
ここは
「蜜蜂」と「蟻」と「カミキリムシ」などの昆虫類の
種類や生態などの説明と観察
養蜂の技術や歴史の展示と実演
などを
見て聞いて部分的には触って理解出来るライブ・ミュージアムなのです
ロゼール地方の養蜂巣箱
樫の木の躯体に鉄平石の蓋
ランド地方の巣箱
ドロ塗りの植物の茎の編み込み
ソローニュ地方
コレーズ地方の巣箱
木製の箱に編み物の蓋
それから
15世紀末から16世紀初頭の完全な形で残る「市場」の建物が素晴らしい
構造は樫と一部樅の木
おおよそ
50m x 20m
ブルターニュで一番最初に国の重要文化財に指定された市場建築
この町の教会はこれ
『Eglise Notre-Dame de l'Assomption 被昇天の聖母教会』
さて
ここまでは前置きと言う事にして
この町には二つの名物礼拝堂があるのです
一つ目
『Chapelle Saint-Fiacre 聖フィアクル礼拝堂』
正面の鐘楼を含む三基の尖塔がとってもユニーク
ポルシュの左右の壁龕には諸聖人の像はもはやない
あるいは最初から作られなかったのか
それより
この礼拝堂の最大のポイントは「Jubé ジュベ」なのです
プロワンスめぐりの際に
どっかでジュベのご紹介はしました
身廊から内陣に入る位置にある装飾した仕切り壁
身廊側から見たジュベ
逆から見た裏側
左端の天から舞い降りてくる天使の姿が美しい
地獄で怪物を食らう罪人の顔がなんだか嬉しそうにも見える
上部には必死でしがみつく人
下には転落する人
イエスと同じ場所で十字架刑に処せられた聖アンドレ
重圧を支えるのは決まって愚者
教えに背いて悪しき行きまたをしていると
こうなる
仕切り自体
外の陰に
ブルターニュ公国の紋章の「ミンクイタチ」
サン・フィアクルの泉もちゃんとあります
そして
もう一つの名物礼拝堂は
『Chapelle Sainte-Barbe 聖バルブ礼拝堂』
非常に微妙で不思議な立地で
低い山の斜面のギリギリ麓近くに立っているのですが
車を降りて
階段を登っていくと右に小さな祈祷所があり
そのまま進行方向に今度は階段を下って聖バルブ礼拝堂に至る
ちなみに
右に小さな祈祷所の見えるところまで登って
左に階段を曲がって登ると山の茂みの中に入って
展望台のように開けたところに出る
小さな祈祷所は『Oratoire Saint-Michel 聖ミカエル祈祷所』
と名付けられている
聖ミカエル祈祷所
この角度で見ると
結構高いところにいるように見えるが高山では決してない
ちなみに交差する階段の下は
上に登って行く道の階段が下を潜り抜ける
上の階段の交差部から「サン・ミッシェルの祈祷室」を右に見ながら
真横に降りるのですが
礼拝堂の方向に降りたすぐの斜面に「聖祠」がある
その真上が展望所
そこに小さな鐘楼があります
4本の四角い石の柱で支えられた屋根の真ん中に鐘が下がっているのです
実は階段を上り下りしなくても
下の坂道の階段からも行けることは行けるのですが
なぜにこんな狭苦しい空間の使い方をしたのだろう
こうやって
人を画面に入れて撮ると礼拝堂がそんなに小さいわけではないことが
理解できます
この礼拝堂は
内部には見るべきものは殆ど無いが
丹塗りの剥げかかった医師の天井がある
それに
木の扉のレリーフの天使たちが
衣の襞の表現など
鄙にも稀なルッネサンスの見事さは特筆に値する
そして
お約束の泉は上の高台に
『Fontaine de Sainte-Barbe 聖バルブの泉』
龕の中央は当然『聖女バルブ』の像だが首がなくなってしまっているのが残念だ
その高台には
寺守り(管理者)事務所兼住居があり
売店にもなっている
では今回はこのくらいで
次回をお楽しみに
= = = = = = = = = = = = =
皆様からのご感想やご意見をお待ちして居ります
お名前の所はニックネームややハンドルネームで結構です
※
旅行にご興味の方は以下のサイトにもどうぞ
https://veritas21.com 『こんな旅がしてみたい 誰も真似のできない旅のプランナー』
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます