ポルトガル紀行を一旦離れます。
パリの『マルモッタン美術館』で、今年の2月末から7月初まで『セザンヌとイタリアの画家たち "イタリアの夢" 展』という特別展をやっていた。
ほとんどの時期が自粛とロックダウンとで閉館していたのですが、結局来年1月3日まで延長がが決まりました。
早速行ってみた。
前半は
ポール・セザンヌ本人が
ルネッサンスの先達たちの作品からインスピレーションを受けた
セザンヌの『本歌取り』作品
後半は
セザンヌの作品に想を得て
独自の作品に取り入れたイタリアで活躍した画家たちの「本歌取り」作品
左 『十字架降架』ティントレット(1580)
右 『吊るされた女』ポール・セザンヌ (1875〜76)
画面の中の種々のポイントの配列と
その角度と比例配分
両手を広げて嘆く女性の存在
左 『若い女の肖像』エル・グレコ(16世紀末〜17世紀初頭)
右 『ミンクのストールの女』セザンヌ(1885〜86)
エル・グレコもスペインンイ行く前、イタリアで仕事をした
全体の雰囲気
面長の顔つき
目線の先を感じさせる内面の存在感
左 『オリーブの庭のイエス』グレコ(1600〜10)
右 『宗教的光景』セザンヌ(1860〜62)
『主」の前で恐れおののく人々
ほとばしる驚きに包まれた主
左 『最後の晩餐』ティントレット(1566)
右 『饗宴の準備』セザンヌ(1888〜90)
画面構造と人々の配置
左 『若い女の肖像』フランチェスコ・トレヴィザーニ(1725頃)
右 『エミール・ゾラの肖像』セザンヌ(1862〜64)
空白と満足されたスペースとの空間配分
主人公の顔の中央への埋まりこみ
左 『(ナイル)河から救助されたモーゼ』ニコラ・プッサン(1638)
右 『牧歌的光景』セザンヌ(1870)
画面の分割と主要な素材の配置
左 『バッカスとケレスのいる風景』プッサン(1625〜28)
右 『四人の水浴する女』セザンヌ(1877〜78)
手前右の人物左の人物などの配置とキャンバスに描く線
レネッサンスの主要テーマの19世紀風の解釈
このセザンヌの主題はエドウアール・マネに受け継がれる
※
ここからは
セザンヌより後のイタリアの画家たちの
セザンヌへの『本歌取り』作品
左 『プロヴァンス地方のうねる小道』セザンヌ(1866かそれ以降)
右 『路』アドレンゴ・ソフィッチ(1911)
左 『プロヴァンスの風景』セザンヌ(1879〜82)
右 『風景』オットーネ・ローザイ(1922)
左 『ジュールダンの小屋』セザンヌ(1906)
右 『風景』ジョウルジオ・モランディイ(1942)
左 『ローヴへの高地のくねる小道』セザンヌ(1904〜06)
右 『海岸の脱衣小屋』カルロ・カッラ(1927)
左 『リキュールの瓶』セザンヌ(1890頃)
右 『梨とコーヒーポットノアる静物』カッラ(1933)
左 『肘をつくセザンヌ夫人』セザンヌ(1873〜74)
右 『若い女の肖像』ウンベルト・ボッチオーニ(1910)
左 『座る男』セザンヌ(1905〜06)
右 『弟エットーレ』マリオ・スィローニ(1910)
『五人の水浴する女達』セザンヌ(1900〜04)
左 『水浴する女達』ジオルジオ・モランディ(1915)
右 『背中を見せた水浴する女達』(1955)
『梨と緑リンゴのある静物』セザンヌ(1873)
左 『瓶とコップのある静物』モランディイ(1945〜55)
右 『静物』もランディイ(1960)
いかがですか
こうして直接比べられると
それぞれの画家たちの
学び方
視方
感じ取った中井も表し方
などが
理解できるような気がします
全部をご紹介したわけではありませんが、非常に有意義な展示会でした。
ちなみに、この『マルモッタン美術館』に、『印象派』という美術運動のグループを呼ぶ名前の起こりである、『印象・日の出』という絵があります。
では、次回は何をご紹介しましょうか?
お楽しみに。
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