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プロヴァンスを巡ろう 37 プロヴァンス名物はもっと有る <サントン人形 と ミストラル>

2021-01-08 00:54:12 | 素晴らしき世界/フランス/プロヴァンス
サントン人形



プロヴァンス名物といえば
これまで
数々ご紹介してきました

『地中海の青 空の青 強烈な太陽』
『丘の村』
『平板切石乾積みのボリー』
『オークル(黄土)』
『ゴッホ セザンヌ その他多くの画家たち』
『三大山地』『三大河川』『三大修道院』

今回
それに加えてご紹介する名物は
彩色素焼き土器人形
『サントン』
強烈なローヌ下ろしの突風
『ミストラル』


まず
『Les Santons サントン』
ですが
もともと「クリスマス」のクレッシュに使う
小さな素焼きのお人形でした


 聖母マリアと幼子イエス
ヨハネ
羊 牛 驢馬 鶏
村人たち
東方三博士
等を飾って聖誕祭を祝っていましたが
素焼きのままではなく
絵の具で衣装を身に纏わせて
いつしか
プロヴァンス小紋の布でそれぞれの衣装まで着せるに至る




その村人たちが
羊飼い 木こり 農民 加冶屋 肉屋 パン屋 行商人 など
あらゆる職業の装束に種類が増えて
通常の装飾品としてのお人形にまで日常化して行ったのです



最初は
高さ7cm程の物でしたが
その後
単体で飾られるようになると大きくなっていった


「卵売り」のおばあちゃまと
「ミストラル」の突風に耐える羊飼い
定番のパターンです

彩色の衣装より
実際の布地の衣装に趣向が凝らされるようにも



現地には
幾つかの工房があり作家も多くいるので
個性は様々

ただ
職業的特徴が明らかなほど
衣装が具体的であるほど
お年寄りであるほど
シワが多く深いほど
そして
表情が穏やかなほど好まれるようです

私が一番お気に入りの作家さんは
『Marie-Nöel マリー・ノエル』さんという女性です

その彼女の作品は

『瀬戸物屋のエマ』

マリー・ノエルさんには
複数の固定のキャラクターが居て
名前が付いています

そのキャラクターを
様々な職業や状況に合わせて製作しているのです

『干し草刈りのセザール』

『用箪笥のジャンヌ』

ジャンヌは
やや若手のお手伝いさん役が多い


『干し草刈りのアンジェル』


『パン屋のジュール』


『ウサギ売りのイヴォンヌ』


『パン屋のジュールとエマ』

ですね
個人的に一番気に入っているのが
「居眠り爺さん」「居眠り婆さん」
なんです

『眠るフェリシア』
レース編みの途中で寝落ちしたフェリシア

『クララとアメデー』
夕餉の途中で寝落ちしたアメデー爺さん
「ほらお爺ちゃん 風邪ひきますよ」

『フェリシーとレアンドル』
「困った婆さんだわい」

これらカップルの作品は
最初から二人一対で作られているものもありますが
お気に入りのキャラクター同士を
別々に購入して
二人並べても良いように作られています


ここで
プロヴァンスの村々で
教会に設置された実際の『Crèche クレッシュ』を
いくつかご紹介しよう

『アヴィニヨン セレスタン教会のクレッシュ』


『エックス・アン・プロヴァンス カルメル会修道院聖堂のクレッシュ』


『コンブ村の教会のクレッシュ』





『ジュウカ村の教会のクレッシュ』








『ボニユー村の教会のクレッシュ』






『ガルディアン村の教会のクレッシュ』




普通
イエスの降誕の情景は
2千年前も20世紀前半までも
あまり区別のないプロヴァンスの風俗で表されるが
最後の写真は
古代を意識した『東方三博士』の行列の後ろに
白馬に乗った
現代のプロヴァンスの若い二人が通りかかるという
不思議な光景となっている

サントン人形
興味深いでしょう


※  ※

さて
もう一つの名物が突風
『ミストラル』

 ローヌ河河口に向かって北から突風が吹く
年に2百日以上も

私自身
昔マルセイユを車で走っていて
すぐ目の前の道路右端を漕いでいた自転車が
(車は右側通行です)
一瞬ののち
片側2車線対面交通の
一番左端を走っているのを目の当たりにする経験した

秒速10mほどしかないこともあるが
秒速40mを超えることも
稀ではない

上でご紹介したサントン人形でも

『Atelier Fouque フーク工房』の
ミストラルに耐える
パン屋のお婆ちゃまと羊飼いの人形

吹かなくなったら
ものすごく牧歌的な村や町の生活が
吹き始めたら何日間か吹き止まない
あまりにも日常的なので
プロヴァンスの人々は
その突風すら土地の誇りという扱いをして
北部中央文化圏から下に見られ続けてきたプロヴァンスで
『フレデリック・ミストラル』
プロヴァンス語の詩篇で「ノーベル文学賞」を受賞した喜びで
彼の名前を「土地の誇り」である突風につけてしまった


この木は
今まさにミストラルに吹き倒されるのに耐えている
のではなく
年中強風を受け続けた結果
こんな形に育ってしまっているのです

しかもこれ一本ではなく

こんな風に

こんな風に

今まさに強風が吹き荒れている光景

途中で折れかかって復活した木

都合よく
カーブの内側に押し倒されてる



もはや倒木


 突風もさることながら
フランスで一般的に『ミストラル』というと
70年代まで
特急列車の事でもありました


パリ・マルセイユ間の幹線列車の路線が
人気に高いヴァカンス地でイタリアの玄関口であるニースまで1100km弱
乗り換えなしで特急列車が結ぶことになったのです
1951年の事
一見普通の蒸気機関車に見えますが
なんと重油で走る機関車で
時速160kmという
超快速列車が誕生しました

その後1965年に地中海岸の電化に伴い全線電気機関車が使用されます


1等車は冷房車
全車両自動ドアという
ヨーロッパの鉄道にあって当時画期的な豪華な特急列車だったのです

1981年に
TGVという超高速新幹線に取って代わられて
幕を閉じましたが
私もミストラルに乗るときはわくわくしたものでした
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
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