※映画『精神』のワンシーン。このひとは…。
今年の授業も、いよいよ終わりました。
僕の担当するゼミは、今年はやたら、あちこちを徘徊していました。
ゼミ員の総意というよりも、担当教員の趣味と志向性によるところ大ですが。
去年1年、ほとんど外出することもなかったので、フラストレーションが溜まってたというか…。
同僚の児童領域のゼミが、しょっちゅうゼミで出かけているのを見て、羨ましくなって。
今年は「書を捨てよ、街に出よう!」と…。(ちょっと古い?)
それでも、ゼミ員にとっては、なかなか得難い体験だったようで。
色々たくさん刺戟を受け、自身の経験と照らして、考えることも多かったようです。
今年、ゼミのみんなと出かけてみたのは、以下のところです。
①精神科家族会「むさしの会」10周年(国立精神・神経センター病院、5月23日)
記念講演の高橋清久さん(藍野大学学長)には、昔から色々とお世話になっています。
10周年記念パーティーに参加し、ゼミ員各自、いろんなご家族とお話しさせて頂きました。
これが縁で、「家族支援」をテーマとするゼミ員のひとりは、以降毎月の例会に参加させてもらっています。
②日本精神保健福祉士協会第45回全国大会(静岡、6月13日~14日)
僕にとっては、2000年東京大会以来の大会参加でした。
大会プログラムで一番議論が白熱したのは、総会議事でしょうね。
夜は、懇親会には出ないで、ゼミ員たちと居酒屋へ。
深夜まで、静岡の繁華街のカラオケスナックで、腹がよじれるほど笑い転げていました。
③映画「精神」鑑賞(渋谷イメージフォーラム、6月20日)
これは、なんというか…、スゴイ映画でしたね。
情緒的な演出を極力排すると、こういうモザイク無しドキュメンタリーになるんでしょうね。
PSWの仕事をしている人にとっては、極めて日常的な風景でしょうが。
撮影後、編集に1年以上かけているようですが、エンドで知る事実は悲しい…。
④映画「降りていく生き方」上映会+べてるの家講演会(立教大学、7月4日)
この映画については、原案・脚本の森田貴英さんや製作・上映に携わっている人の想いは、わかるんですが…。
メッセージが前面に直截に出過ぎてて、表層的で自己完結型のプロパガンダ映画になってしまいましたね。
もっともっと、他者の心の琴線に届く、深い言葉で作って欲しいと思います(辛口批評でゴメンナサイ)。
向谷地生良さんにお会いできて、初めて話せたのは光栄でした。
⑤精神保健従事者団体懇談会・精神保健フォーラム(日本教育会館、7月11日)
久しぶりに開催されたフォーラムでしたが、参加者が少なく淋しかったですね。
以前、京都や横浜で行ったフォーラムは、たしか1000人くらい参加していたような…。
話されているシンポジウムテーマは、どれもビビッドで大事な課題なんですが。
精神医療保健福祉にかかわる、従来型のソーシャルアクションの衰退が顕著であることを実感した日でした。
⑥第31回日本アルコール関連問題学会(池袋メトロポリタン、7月18日)
メインシンポジウムでは、猪野亜朗さんが光っていたと思います。
病院で、地域で、ずっとアルコール医療を継続してきた言葉は、控えめでも重いです。
やはり学会は、地道な臨床現場の実践や研究の取り組みの交流の場であって欲しいと思います。
「Change!」という大会テーマが、妙に軽すぎて、現場から遊離しているようで気になりました。
⑦第52回日本病院・地域精神医学会総会(和歌山市民会館、9月18日~19日)
和歌山まで遠征しましたが、地域性や広報の遅れもあってか、参加者が少なく淋しかったですね。
僕は分科会の座長をしましたが、質疑も散漫で、討論は深まりに欠けるものでした。
蛸壺的実践報告のオンパレードで、十分な検証がされてないからでしょうか。
夜間集会から居酒屋へ突入した40数名が、深夜まで口角泡飛ばしていたのが「病地」らしいのかも。
⑧日本精神衛生学会第25回大会(国立看護大学校、11月14日~15日)
昼休みまで賑やかなイベントもあり、「感情労働」のシンポジウムも面白かったです。
「ひきこもり」のシンポジストの二神能基さんとお昼をご一緒し、たくさん刺激を頂きました。
東京から秋田に移って、ユニークなデイケアを展開している水野淳一郎さんと、久しぶりに話せました。
大林宣彦監督の特別講演は、含蓄に富み、映画好きにはたまらない話しでした。
⑨クラブハウスはばたき施設見学(12月3日)
この前も記事にしましたが、楽しく考えさせられる、あっという間の3時間でした。
クラブハウスの運営は、障害者自立支援法下でとても困難な状況に置かれています。
JHC板橋が中心になって、今クラブハウスモデルの作業所等の全国調査を行っているそうです。
こういった活動が、どれだけ展開できるかで、この国の地域精神保健福祉は変わってくると思います。
⑩救護施設あかつき+国立精神・神経センター施設見学(12月17日)
救護施設というと、かつては行き先のない生保受給者の終末施設とイメージされていました。
しかし、あかつきは早くから地域移行に向けた取り組みを展開し、居宅支援を手厚く展開しています。
スタッフの意識と取り組み姿勢により、利用者の脱施設化はいくらでも可能性が開けてくる好例と言えます。
一方、国立精神・神経センターでは、保護室を含めた急性期閉鎖病棟や医療観察法病棟、デイケアや作業療法棟を見学しました。
広大なキャンパスをぐるりと一周するだけで、結局3時間半かかりました。
異なる位相の精神保健福祉の現場を一度に見て、ゼミ員は目一杯の情報量に、考えさせられることが多かったようです。
小平駅前の居酒屋で、アフターミーティングを兼ねた忘年会を行い、感想を述べ合って頭の中の整理をしました。
以上、今年は合計10カ所、ゼミのみんなで出かけたことになります。
交通費や参加費等で、ゼミ員にとっては、結構な負担になってしまったかも知れません。
大学から一応「ゼミ費」がでる(年額2万円上限)のですが、交通費にも足りません。
ちなみに、引率教員の交通費・参加費は、どこからも出ないので自己負担です。
それでも、教室の座学では得られない、リアルな精神保健福祉の様々な側面に触れられたのは成果と考えています。
振り返りに十分な時間をあてられず、消化不良の感があるのが、気になるところですが。
非日常的な強烈な印象を残す外出の意味が、それぞれの中で熟成するのには、時間も必要でしょう。
来年は、どんな「お出かけゼミ」をしようかと、今からわくわくしています。
今年の授業も、いよいよ終わりました。
僕の担当するゼミは、今年はやたら、あちこちを徘徊していました。
ゼミ員の総意というよりも、担当教員の趣味と志向性によるところ大ですが。
去年1年、ほとんど外出することもなかったので、フラストレーションが溜まってたというか…。
同僚の児童領域のゼミが、しょっちゅうゼミで出かけているのを見て、羨ましくなって。
今年は「書を捨てよ、街に出よう!」と…。(ちょっと古い?)
それでも、ゼミ員にとっては、なかなか得難い体験だったようで。
色々たくさん刺戟を受け、自身の経験と照らして、考えることも多かったようです。
今年、ゼミのみんなと出かけてみたのは、以下のところです。
①精神科家族会「むさしの会」10周年(国立精神・神経センター病院、5月23日)
記念講演の高橋清久さん(藍野大学学長)には、昔から色々とお世話になっています。
10周年記念パーティーに参加し、ゼミ員各自、いろんなご家族とお話しさせて頂きました。
これが縁で、「家族支援」をテーマとするゼミ員のひとりは、以降毎月の例会に参加させてもらっています。
②日本精神保健福祉士協会第45回全国大会(静岡、6月13日~14日)
僕にとっては、2000年東京大会以来の大会参加でした。
大会プログラムで一番議論が白熱したのは、総会議事でしょうね。
夜は、懇親会には出ないで、ゼミ員たちと居酒屋へ。
深夜まで、静岡の繁華街のカラオケスナックで、腹がよじれるほど笑い転げていました。
③映画「精神」鑑賞(渋谷イメージフォーラム、6月20日)
これは、なんというか…、スゴイ映画でしたね。
情緒的な演出を極力排すると、こういうモザイク無しドキュメンタリーになるんでしょうね。
PSWの仕事をしている人にとっては、極めて日常的な風景でしょうが。
撮影後、編集に1年以上かけているようですが、エンドで知る事実は悲しい…。
④映画「降りていく生き方」上映会+べてるの家講演会(立教大学、7月4日)
この映画については、原案・脚本の森田貴英さんや製作・上映に携わっている人の想いは、わかるんですが…。
メッセージが前面に直截に出過ぎてて、表層的で自己完結型のプロパガンダ映画になってしまいましたね。
もっともっと、他者の心の琴線に届く、深い言葉で作って欲しいと思います(辛口批評でゴメンナサイ)。
向谷地生良さんにお会いできて、初めて話せたのは光栄でした。
⑤精神保健従事者団体懇談会・精神保健フォーラム(日本教育会館、7月11日)
久しぶりに開催されたフォーラムでしたが、参加者が少なく淋しかったですね。
以前、京都や横浜で行ったフォーラムは、たしか1000人くらい参加していたような…。
話されているシンポジウムテーマは、どれもビビッドで大事な課題なんですが。
精神医療保健福祉にかかわる、従来型のソーシャルアクションの衰退が顕著であることを実感した日でした。
⑥第31回日本アルコール関連問題学会(池袋メトロポリタン、7月18日)
メインシンポジウムでは、猪野亜朗さんが光っていたと思います。
病院で、地域で、ずっとアルコール医療を継続してきた言葉は、控えめでも重いです。
やはり学会は、地道な臨床現場の実践や研究の取り組みの交流の場であって欲しいと思います。
「Change!」という大会テーマが、妙に軽すぎて、現場から遊離しているようで気になりました。
⑦第52回日本病院・地域精神医学会総会(和歌山市民会館、9月18日~19日)
和歌山まで遠征しましたが、地域性や広報の遅れもあってか、参加者が少なく淋しかったですね。
僕は分科会の座長をしましたが、質疑も散漫で、討論は深まりに欠けるものでした。
蛸壺的実践報告のオンパレードで、十分な検証がされてないからでしょうか。
夜間集会から居酒屋へ突入した40数名が、深夜まで口角泡飛ばしていたのが「病地」らしいのかも。
⑧日本精神衛生学会第25回大会(国立看護大学校、11月14日~15日)
昼休みまで賑やかなイベントもあり、「感情労働」のシンポジウムも面白かったです。
「ひきこもり」のシンポジストの二神能基さんとお昼をご一緒し、たくさん刺激を頂きました。
東京から秋田に移って、ユニークなデイケアを展開している水野淳一郎さんと、久しぶりに話せました。
大林宣彦監督の特別講演は、含蓄に富み、映画好きにはたまらない話しでした。
⑨クラブハウスはばたき施設見学(12月3日)
この前も記事にしましたが、楽しく考えさせられる、あっという間の3時間でした。
クラブハウスの運営は、障害者自立支援法下でとても困難な状況に置かれています。
JHC板橋が中心になって、今クラブハウスモデルの作業所等の全国調査を行っているそうです。
こういった活動が、どれだけ展開できるかで、この国の地域精神保健福祉は変わってくると思います。
⑩救護施設あかつき+国立精神・神経センター施設見学(12月17日)
救護施設というと、かつては行き先のない生保受給者の終末施設とイメージされていました。
しかし、あかつきは早くから地域移行に向けた取り組みを展開し、居宅支援を手厚く展開しています。
スタッフの意識と取り組み姿勢により、利用者の脱施設化はいくらでも可能性が開けてくる好例と言えます。
一方、国立精神・神経センターでは、保護室を含めた急性期閉鎖病棟や医療観察法病棟、デイケアや作業療法棟を見学しました。
広大なキャンパスをぐるりと一周するだけで、結局3時間半かかりました。
異なる位相の精神保健福祉の現場を一度に見て、ゼミ員は目一杯の情報量に、考えさせられることが多かったようです。
小平駅前の居酒屋で、アフターミーティングを兼ねた忘年会を行い、感想を述べ合って頭の中の整理をしました。
以上、今年は合計10カ所、ゼミのみんなで出かけたことになります。
交通費や参加費等で、ゼミ員にとっては、結構な負担になってしまったかも知れません。
大学から一応「ゼミ費」がでる(年額2万円上限)のですが、交通費にも足りません。
ちなみに、引率教員の交通費・参加費は、どこからも出ないので自己負担です。
それでも、教室の座学では得られない、リアルな精神保健福祉の様々な側面に触れられたのは成果と考えています。
振り返りに十分な時間をあてられず、消化不良の感があるのが、気になるところですが。
非日常的な強烈な印象を残す外出の意味が、それぞれの中で熟成するのには、時間も必要でしょう。
来年は、どんな「お出かけゼミ」をしようかと、今からわくわくしています。