知人から、成田崇信さんの「管理栄養士パパの親子の食育BOOK」を勧められました。
タイトルを見ると、「ああ、よくある『手作りしろ』『旬の野菜ばっかり食べろ』式の上から目線の、『こうあるべき』を押しつけるような本かなあ。」と思ってしまったのですが、読んだら全く違っていました。
「仕事や家事と様々なことに忙しい親が、毎日のように無理をして手の込んだ料理をつくる必要はありません。」「子どものほうだって、親が多くの時間を黙々と調理に費やすよりも、一緒に遊んだりくつろいだりする時間をつくってくれたほうが嬉しいのではないでしょうか。」
・・・心にしみて、泣けてきました。まさに、ちょっと前までの自分がこの状態でした。子育てと仕事に追われてボロボロになりそうな日々。救われるような文章でした。
この本は、栄養学関係の論文や、国の公表統計に基づきつつ、無理なく栄養学的によい食事を実践するポイントを教えてくれます。
更に、ちまたに良くある誤解やデマについても正確な情報を提供しようと工夫してあります。「旬の野菜ばかり食べる必要はない。」「肉や牛乳、砂糖が身体に悪いという説はおおげさ。マクロビオティックで育った子ども達に貧血や成長障害などが起こっている(引用論文あり)」などの他、農薬、抗生物質、化学調味料、食品添加物、放射性物質などについても気になる人向けに安全情報を提供してくれます。
しかも「安全だから是非食べて」じゃなくて、どうしても不安だと思う人に無理して押しつける必要はない、という視点が貫かれているので、納得がいく内容だと思います。
「食の欧米化によって病気になる子どもが増えたので和食にすべきだ」とする、よく耳にする説については「根拠はありません」とばっさり。
そして歴史的には、現在の「健康に良い和食」というのは、むしろ食の欧米化の結果成立したのだと指摘しています。これは、民俗学とも一致します。古い文献に記されている庶民や農家の食事と、今日私達が目にする和食が、メニューはもちろん摂取量の観点などからもかなり違うものであることは、民俗学の研究をしている知人などからも教わった話なので、いつか、このブログでも紹介したいと思います。
ちなみに、食の欧米化の話で思い出したので、成田さんの本の話からは少し外れますが、「食の欧米化で沖縄県の人達の寿命が縮んだ」というテレビや雑誌で有名な説も、単なる統計の読み間違いから生じたデマであると、統計学の専門家の書いた本に載っていました。沖縄県民の寿命は縮んでないのです。長野県民などの寿命が大幅に伸びたので、沖縄県民の寿命も少し伸びたのですが、ランキングで抜かされてしまった・・・ということでした。このことについてもいずれ詳しくこのブログで紹介できれば嬉しいです。
成田さんの本の話にもどりますが、この本は、子どもの食事について「どうしたら正しい食事ができるのかしら」と悩んでいる多くのお父さんお母さん達に読んでもらいたい本と思います。あらゆる面からパーフェクトに「正しい」という食事はないことに気づかされ、それぞれの家庭で様々に工夫すればよいことに気がつき、元気をもらえる本だと思います。
10月10日追記:成田様がこのブログを読んでくださったそうです。成田様がツイッターで感謝の言葉を書いてくださったと知って、大感激です。しばらくうれしさで頭がボーっとなってました。ありがとうございます。少しでも成田様のご活躍を応援できればいいなと思っています。読者の皆様にも御礼を申しあげます。また、私もこれから頻繁に食育・食の民俗学関係の情報を掲載して、これを通じて、成田様の活動に少しでもお力添えができればいいなと思っています。
タイトルを見ると、「ああ、よくある『手作りしろ』『旬の野菜ばっかり食べろ』式の上から目線の、『こうあるべき』を押しつけるような本かなあ。」と思ってしまったのですが、読んだら全く違っていました。
「仕事や家事と様々なことに忙しい親が、毎日のように無理をして手の込んだ料理をつくる必要はありません。」「子どものほうだって、親が多くの時間を黙々と調理に費やすよりも、一緒に遊んだりくつろいだりする時間をつくってくれたほうが嬉しいのではないでしょうか。」
・・・心にしみて、泣けてきました。まさに、ちょっと前までの自分がこの状態でした。子育てと仕事に追われてボロボロになりそうな日々。救われるような文章でした。
この本は、栄養学関係の論文や、国の公表統計に基づきつつ、無理なく栄養学的によい食事を実践するポイントを教えてくれます。
更に、ちまたに良くある誤解やデマについても正確な情報を提供しようと工夫してあります。「旬の野菜ばかり食べる必要はない。」「肉や牛乳、砂糖が身体に悪いという説はおおげさ。マクロビオティックで育った子ども達に貧血や成長障害などが起こっている(引用論文あり)」などの他、農薬、抗生物質、化学調味料、食品添加物、放射性物質などについても気になる人向けに安全情報を提供してくれます。
しかも「安全だから是非食べて」じゃなくて、どうしても不安だと思う人に無理して押しつける必要はない、という視点が貫かれているので、納得がいく内容だと思います。
「食の欧米化によって病気になる子どもが増えたので和食にすべきだ」とする、よく耳にする説については「根拠はありません」とばっさり。
そして歴史的には、現在の「健康に良い和食」というのは、むしろ食の欧米化の結果成立したのだと指摘しています。これは、民俗学とも一致します。古い文献に記されている庶民や農家の食事と、今日私達が目にする和食が、メニューはもちろん摂取量の観点などからもかなり違うものであることは、民俗学の研究をしている知人などからも教わった話なので、いつか、このブログでも紹介したいと思います。
ちなみに、食の欧米化の話で思い出したので、成田さんの本の話からは少し外れますが、「食の欧米化で沖縄県の人達の寿命が縮んだ」というテレビや雑誌で有名な説も、単なる統計の読み間違いから生じたデマであると、統計学の専門家の書いた本に載っていました。沖縄県民の寿命は縮んでないのです。長野県民などの寿命が大幅に伸びたので、沖縄県民の寿命も少し伸びたのですが、ランキングで抜かされてしまった・・・ということでした。このことについてもいずれ詳しくこのブログで紹介できれば嬉しいです。
成田さんの本の話にもどりますが、この本は、子どもの食事について「どうしたら正しい食事ができるのかしら」と悩んでいる多くのお父さんお母さん達に読んでもらいたい本と思います。あらゆる面からパーフェクトに「正しい」という食事はないことに気づかされ、それぞれの家庭で様々に工夫すればよいことに気がつき、元気をもらえる本だと思います。
10月10日追記:成田様がこのブログを読んでくださったそうです。成田様がツイッターで感謝の言葉を書いてくださったと知って、大感激です。しばらくうれしさで頭がボーっとなってました。ありがとうございます。少しでも成田様のご活躍を応援できればいいなと思っています。読者の皆様にも御礼を申しあげます。また、私もこれから頻繁に食育・食の民俗学関係の情報を掲載して、これを通じて、成田様の活動に少しでもお力添えができればいいなと思っています。