タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

ジョーク「発酵食品が身体に良いなら・・・」

2015年10月17日 | Weblog
面白い小咄を耳にしました。発酵食品の権威の小泉武夫先生だったらなんとおっしゃるかな?

「発酵食品が身体に良いなら、和食よりも身体に良いのはドイツ料理だ。

なぜなら、米の飯は発酵してないが、パンは発酵食品である。
日本を代表する漬け物、梅干しは発酵してないが、ドイツを代表する漬け物、ザワークラウトは発酵食品である。
緑茶は発酵してないが、紅茶は発酵食品である。
あんこは発酵してないが、チョコレートとバニラビーンズは発酵食品である。
刺身や江戸前寿司や焼き魚は発酵してないが、ドイツソーセージとベーコンは発酵させたものが多い。
豆腐は発酵してないが、チーズは発酵食品である。
日本のバターは発酵してないが、ドイツバターは大多数が発酵食品である。
日本のクリスマスケーキは発酵してないが、ドイツのクリスマスケーキ「シュトレン」は発酵食品である。
味噌汁は発酵食品だが、ザワークラウトスープも発酵食品である。
日本酒も発酵食品だが、ビールも発酵しているし、その飲む量たるや、日本酒の比ではない。」

「発酵食品が身体に良い」という説にこだわると、「お酒は発酵食品だから沢山飲むほど身体にいいんだ。」というような、かえって変な理屈になってしまうということを、この小咄は伝えています。このように、身体に良い(悪い)からと言って大量に食べる(徹底的に避ける)ことで、かえって身体をこわすことがあります。これをフードファディズムと言い、高橋久仁子先生が非常にためになる本を数冊書かれていますが、どの本もおすすめです。

さてさて、ずいぶん昔にテレビで小泉武夫先生のお話を伺った時は、実に楽しそうに、世界の発酵食品の豊かさや各民族の智慧の奥深さを語っていらっしゃいました。ですが、最近の先生は「和食が世界で一番優れている。」と唱えて、講演会で外国の食品を和食より劣るように発言されたりもしているそうです。もちろん、和食には繊細な盛りつけや素材を生かした味付けなどすばらしい側面があり、私も和食が大好きですが、諸外国の文化にもそれぞれの歴史や文化的意味などの奥深さがあります。小泉先生、もう一度、世界の広さと異文化への畏敬を語ってらしたあの時の、キラキラした言葉を伺いたいです。
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2 コメント

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Unknown (発酵らぶ)
2018-12-08 07:52:27
はじめまして。ドイツ在住です。
面白い小咄をありがとうございます。
ホント、確かに理屈でいくとドイツ料理の方が和食より健康そうに思えてきます。。。
和食は確かにヘルシーなイメージありますが。。。
何事も視野が狭くなるととらえ方が極端になってきちゃいますね。
健康ブームの昨今、情報量の多さに何が良いのか判断するのが難しくなったと感じています。
美味しくて身体にも優しい、心身ともに幸福を感じられる食事ができるようになりたいなと思います。
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投稿ありがとう! (タミア)
2018-12-08 10:47:35
ドイツからとってもうれしいコメントありがとうございます。タミアはドイツの村で伝統の「肉の発酵漬物」や珍しいお酒などを見て、ドイツの発酵食文化の奥深さを感じました。ドイツのパンも素朴で美味しいですね。
健康に関する情報はコロコロ話が変わりますよね。理由の一つですが、ある何かを売りたい人が高額で宣伝したり話を盛っている事もあります。以前、日本のある伝統食(具体的名称は慎みますが)の健康性を演出するために、テレビがねつ造を放映して大騒ぎになったこともあります。
厚生労働省の畝山智香子先生の話では、あまり特定の食事に偏らず、いろいろな食品をバランス良く食べることがおすすめだそうです。栄養の偏りも防げるし、話を盛った健康情報に踊らされるリスクもさけられるから。
幸福な食事って大事ですよね!いろいろな食品を食べると楽しくて、幸せな気分になります。
ドイツ観光はとても素敵でしたが、暮らしているとさらに色々と驚くことが、きっといっぱいありますよね。よかったらまたブログに遊びに来てくださいね。基本食のブログですが、暮らしの情報など他の話題も歓迎です(#^.^#)
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