食べものの話では無いのですが、大変気になった話題ですので、紹介させてください
音を聞くと色が頭の中に浮かんで見えるなど、二つの感覚が混じった特殊な知覚「共感覚」という現象が知られています。昔は真偽が疑われたのですが、厳密な研究の結果、本当に存在する珍しい現象と分かっています。ただ、音と色の関係は個人差が激しくて一定の法則性はないと考えられていました。
ところが、新潟大の伊藤浩介助教が、日本人の共感覚者15名にドレミの音を聞かせたところ、虹の色の順番(赤橙黄緑青紫)にほぼ対応していることが発見されたので、ニュースになっています。
新潟大学の12月20日付けプレスリリースによると、15人の平均を取ると、ドが赤、レが黄色、ミが緑、ファが茶色でファ#が橙色、ソが水色、ラが紫、シが薄紫、となる図が掲載されていました。ファの周辺で虹の色の順番が裏返ってしまうのも特徴です。
伊藤先生によると、「ドレミの歌」で「ソは青い空」と歌うことが原因(つまり日本語による生育環境も一因)かもしれないが、ドの赤などが環境要因で説明できないため、脳の未解明の問題にヒントを与えてくれるかもしれないということです。
大変面白い研究だと思います、伊藤先生。たなかすみこ先生の「いろおんぷ」はご存じでしょうか。日本の幼児向け音楽教育の導入(特にピアノ)では、「いろおんぷ」という教材を使用するケースが多いのです。
「いろおんぷ」メソッドでは、ドが赤、レが黄色、ミが緑、ファが橙、ソが空色、ラが紫、シが白であると最初に教え込みます。鍵盤の上にこの虹色のシートを音と色が対応するように置いて、指にも親指に赤、人差し指に黄色、中指に緑、とリボンを巻いて練習します。それだけじゃなく、使用する楽譜も、(通常は黒の)オタマジャクシが白くなっており、先生が色鉛筆を渡して「ドの音には赤い色を、レの音には黄色を塗りましょう。」と指導するのです。
音楽教室に通っていた幼児期、「せんせい、これって虹色の順番に似ているし、レがレモン色、ミが緑色というのも分かるけど、なんで次がいきなりオレンジ色なの?」と尋ねて音楽教室の先生を困らせてしまったことも覚えています。そこで独り合点で、「あ、そうか、ファはファンタオレンジのファですね。」と言ったら、先生がやや引きつった表情で「そ、そうね・・・」と頷いてくれたのを思い出します(笑)。そして、ソが空色、ラが藍(ラン)色すなわち青紫、シは白に基づいていると教えてもらいました。
いろおんぷが関与しているという仮説なら、ファの周辺でオレンジ色となって虹の色の順番をひっくり返してしまう理由も、シの色が薄らぼんやりした色になることも説明がつきます。伊藤先生の次の研究では、いろおんぷを習った方とそうでない方で比較実験してもらえるとうれしいな、と思いました。このブログが今後の科学研究の発展にほんのちょっとだけでも役立つことを願って記しました。
音を聞くと色が頭の中に浮かんで見えるなど、二つの感覚が混じった特殊な知覚「共感覚」という現象が知られています。昔は真偽が疑われたのですが、厳密な研究の結果、本当に存在する珍しい現象と分かっています。ただ、音と色の関係は個人差が激しくて一定の法則性はないと考えられていました。
ところが、新潟大の伊藤浩介助教が、日本人の共感覚者15名にドレミの音を聞かせたところ、虹の色の順番(赤橙黄緑青紫)にほぼ対応していることが発見されたので、ニュースになっています。
新潟大学の12月20日付けプレスリリースによると、15人の平均を取ると、ドが赤、レが黄色、ミが緑、ファが茶色でファ#が橙色、ソが水色、ラが紫、シが薄紫、となる図が掲載されていました。ファの周辺で虹の色の順番が裏返ってしまうのも特徴です。
伊藤先生によると、「ドレミの歌」で「ソは青い空」と歌うことが原因(つまり日本語による生育環境も一因)かもしれないが、ドの赤などが環境要因で説明できないため、脳の未解明の問題にヒントを与えてくれるかもしれないということです。
大変面白い研究だと思います、伊藤先生。たなかすみこ先生の「いろおんぷ」はご存じでしょうか。日本の幼児向け音楽教育の導入(特にピアノ)では、「いろおんぷ」という教材を使用するケースが多いのです。
「いろおんぷ」メソッドでは、ドが赤、レが黄色、ミが緑、ファが橙、ソが空色、ラが紫、シが白であると最初に教え込みます。鍵盤の上にこの虹色のシートを音と色が対応するように置いて、指にも親指に赤、人差し指に黄色、中指に緑、とリボンを巻いて練習します。それだけじゃなく、使用する楽譜も、(通常は黒の)オタマジャクシが白くなっており、先生が色鉛筆を渡して「ドの音には赤い色を、レの音には黄色を塗りましょう。」と指導するのです。
音楽教室に通っていた幼児期、「せんせい、これって虹色の順番に似ているし、レがレモン色、ミが緑色というのも分かるけど、なんで次がいきなりオレンジ色なの?」と尋ねて音楽教室の先生を困らせてしまったことも覚えています。そこで独り合点で、「あ、そうか、ファはファンタオレンジのファですね。」と言ったら、先生がやや引きつった表情で「そ、そうね・・・」と頷いてくれたのを思い出します(笑)。そして、ソが空色、ラが藍(ラン)色すなわち青紫、シは白に基づいていると教えてもらいました。
いろおんぷが関与しているという仮説なら、ファの周辺でオレンジ色となって虹の色の順番をひっくり返してしまう理由も、シの色が薄らぼんやりした色になることも説明がつきます。伊藤先生の次の研究では、いろおんぷを習った方とそうでない方で比較実験してもらえるとうれしいな、と思いました。このブログが今後の科学研究の発展にほんのちょっとだけでも役立つことを願って記しました。