タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

おにぎり「だけ」推し栄養士にはご注意。

2017年08月06日 | Weblog
タミアは管理栄養士の成田崇信さんのファンです。最近、成田さんのお話のスタイルの上っ面だけをまねつつ、言葉巧みに、不健康なニセ科学的食事法を吹き込む栄養士らが現れたので、危機感を持っています。

成田さんは、「手作りが正しい」「和食が正しい」等の食育デマに振り回されて苦労している方々に、「加工食品でもパン食でも食べ方次第で栄養バランスはとれるので、そんなに焦らなくても大丈夫」とアドバイスしています。野菜嫌いの子を持つ家庭には、ご家族の気持ちに寄り添って、焦らず、長い目で少しずつ、野菜好きな子に育てることをおすすめしています。また、一部の食育指導者がやっきになっている「肉や牛乳は避けましょう。」という食育指導の危険性を指摘し、いろいろな食品をバランスよく食べることの大切さを指導しています。

ところが、よりによって「お米ばかり食べていれば栄養的に足りる。肉や魚などはほとんどいらない。」と、上から目線で変に厳格な食を押しつけていた一部の栄養士らが、最近になって、態度をコロッと変えて、成田さんのソフトな語り口をまねているのです。

やり方は非常に巧妙です。まず、子供の食育に困っている人々に「お子さんのおかずを毎食作ったり、野菜嫌いの子に野菜を薦めるのは、大変でしょう。」とすり寄って、「野菜も肉も、おかずなんて食べなくても大丈夫。子供の栄養はおにぎりだけで十分。」と驚かせて、とどめで成田さんの言い方をそっくりまねるのです。「ご両親の負担が軽くなって食卓の笑顔が増えることがまずは大事ですよね。」と。

育児に疲れている人で初めてこの話に出会った人は、「なんと優しい言葉だろう」と、干天(かんてん)の慈雨のように感じることでしょう。ですが、子供の成長にはタンパク質やカルシウム、ビタミンなどが欠かせない一方、おにぎりだけではこれらの栄養素が不足するのです。それに、どの子にも一律におにぎりを推奨する行為は、野菜が苦手な子供に野菜を無理に食べさせるのとあまり変わりない行為ですね。子供がおにぎり嫌いでしたら、むしろご両親の負担は重くなって、食卓から笑顔が消えてしまうことでしょう。

一方、成田さんはそんな矛盾は言ってません。成田さんの本は、「栄養学的には米飯食にこだわる必要はないし、偏食がひどいようであれば、時間をかけて少しずつ暖かく見守りながら直してあげましょう。」と、栄養バランスが大切だがその取り方は人によって様々な方法があるのですよ、という基本姿勢ですから、「おにぎりだけ推し」とは似て非なる指導法なのです。このページの読者の皆さんなら、成田さんの話の方が筋が通ってることはすぐおわかりですよね。

たぶん、これからますます、成田さんの話の上っ面だけをまねした疑似科学系栄養士や食育指導者が増殖することでしょう。皆さんも、「子供にはおにぎりだけで大丈夫」という甘言にはくれぐれも気をつけてくださいね。

3月16日追加記事:あるサイトで、成田先生がこのブログにコメントしてくださったそうです。たぶんまねをしているわけじゃないとおもいます、というご指摘でした。コメントありがとうございます。そうでしたか、もしかして偶然の一致だったのかな。言い方がよく似ているけど、中身が全然違う説ですよね。
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