森にようこそ・・・シャングリラの森

森に入って、森林浴間をしながら、下草刈りをしていると、自然と一体感が沸いてきます。うぐいすなど小鳥たちと会話が楽しいです

60年前の奇跡---社会人としてのスタ-ト(入社と記念日)

2021-01-03 13:28:01 | 思うまま



   60年前の奇跡---社会人としてのスタ-ト(入社と記念日)

  昭和37年8月、夏休みにテニスの猛練習をしていた。高校生三年生として大望の10月の国民
体育大会(全国大会)への予選(兵庫県で3位まで)を通過し、国体への出場資格を得ていた。その猛練
習中であつた。
  そういう時、機械科担任の先生が練習場に来られ、私が呼ばれた。
  何かと思い先生に挨拶をしたところ、就職活動をしていた、関西の大手電器メ-カ-へ学校から
7名が応募していた。私もその7名の中の一人で、その会社は創業者が有名で度々マスコミに登場し
ており、急速な成長をしている会社であったし、関西ということでもあったので応募した。
  担任の先生曰く、応募していた会社から内定の連絡が入った。ところがあなたの名前だけ無かった
ということを告げられた。そして、先生は念のためにもう一つ別の会社に応募したらどうだ。と言われ
た。
  私は残念に思いながらも、テニスの国体への出場のために猛練習している最中でもあったので、
すぐには他の会社には応募しない、採用しないという連絡が入ってからにしたいことを先生に告げた。
先生は心配顔でしかたがないなという雰囲気で去って行った。
  それから1週間後に、再度先生がテニスの練習中に笑顔で来られて、私に、追加内定として君の内
定が決まったことを教えていただいた。これでひと安心だと先生に御礼を言うと、先生が次のようなこ
とを言った。君が最初の内定から外れたのは、君の父親が亡くなった原因について、頭の件で亡くなっ
たと履歴書に書いてあったために、会社は、精神的な問題があるのではないかということで実質的に不
採用ということであったらしい。ところが、その会社の部長職の方が、君をよろしくといっていたので、
君の父親の亡くなった原因を専門家に依頼して調査されたところ、船大工の作業中に頭を強く打つ怪我
が原因であることが分かったので、追加採用となったということが、会社から説明があったとのことで
した。
  それに関して、私の兄が知り合いの人に、ギリギリの場合はよろしくとお願いをしていたことが後
から分かったのです。首の皮一枚繋がっていたわけです。

  卒業した4月に大望の入社できた。高校生が全国で800名ほどの入社されたようだ。そして、会
社の寮生活が始った。私が入った寮は、会社で一番古く小さい寮で、そこの寮監督は、軍人あがりの厳
しい60歳近い人だった。
  ある日、寮監に呼ばれた。
  毎年、この寮生から、5月5日の会社の創業記念日に高校入社の800名を代表して、社長に答辞
を述べてもらうことになっている、ついては、この寮から二人の寮生を本社に推薦することになってい
る。君ともう一人二人で一緒に3日後に本社の人事部に行きなさい。と。
  その日に本社の言われたところに行った。本社の小さな会議室に二人が待たされた。数分後人事部
の人が入ってきて、寮監が言われた同じことを言った。お二人のどちらかに創業記念式典に答辞を読ん
でもらいたい、どうですか。と言われた。どうですかと言われても二人いて、質問もなく、どうします
かと言われても一瞬どういえばいいのか、分からず沈黙があったが、私は、もう一人の人に「あなたは
答辞をやりたいですか?」と聞いた。その人は間髪を入れずに「ぼくは結構です」つまりやらなくても
いいと言うことであったので、厚かましいと思ったけれども、私は人事部の人に、彼がそういわれたの
で、私でよろしければやらせて頂ます。と申し上げた。それで決まってしまった。

  5月5日は、晴天の良い天気であった。「この良き日に創業記念日を心よりお祝いし、これからの
発展に資する人材になれるよう、精進に努めます・・・・・・・」こんな答辞を体育館の壇上に上がり
自ら作成した答辞文を読みました。

  運命というのは、何と不思議な事だろうと思う。本来であれば、この会社に入社できなかった人間
である。それにも拘わらず、800名の新入社員を代表して答辞を読むなどということはこれは奇跡で
はなかろうかと思っている。私はそのために何にも努力していないし、学校の成績も常に中程度のもの
であるのにかかわらずです。このような思い出を投稿しているのは、決して自慢をしたいためではあり
ません。人生の奇跡があることを述べたかったからです。

  60年前の高校生時代には、先に投稿した内容とともに、10年も20年もの経験を一年間にした
ような劇的なことが起った日々でありました。私自身として、最もその後の人生に今日まで良い影響を
与えてくれた、出来事が実はもう一つあります。でも、このことは今は控えておくことにします。
今しばらく、自分の胸の底に静かに抱いておきたいのです。 0

  
コメント
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