リツゲイ稽古場日誌

劇団立命芸術劇場の稽古場日誌です。日々演劇と向き合う団員たちの思いが垣間見える、かも...?

心地よい緊張感

2013-11-12 23:05:24 | 2013年度卒業公演
どうも、4回生の伊藤です。

今日はとても寒かったですね。ピーコートを羽織り、分厚いマフラーは首に巻かれ、そろそろ冬を感じる季節になってきました。


こんな季節を京都で過ごすのも最後の年・・・来年の今頃はどこかの小学校で必死に働いていることでしょう。まさか自分が教員になろうとは思ってもみませんでした。しかしなる以上はせめて子どもたちの夢を潰さない教員でありたいとは思います。


最近は教職の授業でもよく模擬授業をしているのですが、小学校の教室も稽古場も、理想とする空間を実現するためには、どちらもある要素を必要とすると思います。それは「心地よい緊張感」です。

心地よい緊張感は集団が何か作業をする上においては必要です。ある程度のルールを課すことによって逆に安心感を産みだすことができます。この安心感の存在が統率と支配の大きな違いです。

今日の稽古場で僕はかなりそれを意識してやったつもりでしたが、皆さんどうだったでしょうか。自分としてはとてもいい経験になりました。何より、楽しかった。


僕が最も意識したのは「間を3秒以上つくらないこと」です。


何をしていいか分からない状況は混乱を産みだす可能性が高いです。
学校で例えるならば、始業式や終業式でうるさくなるのがいい例でしょう。

みなさん想像してみてください。だら~~んとしてましたよね。何人もの人がいちいち壇上に上がり話すのでいちいち間ができてしまいますよね。それも普段の生活では感じないような10数秒の間を。その間ずっと姿勢を維持し続けるのは酷なのです。だから喋ってしまうのです。

本来、動かしたい集団に対して作ってはいけない間、これが3秒らしいです。これは稽古場に限らず人を動かす際の重要な法則の1つらしいので覚えておいて損はありません。

というのも、これから後輩である君たちは来年から人を教える立場に立たなくてはなりません。演技の右も左も分からない1回生に対しなんと演技を教えなくてはならないのです。そしてその最後の実習の場にあたるのが今回の冬公演なのです。

僕の言いたいことは、どんどん貪欲になれということです。そしてそれと同じくらいの謙虚さも持ち合わせてください。この4年間の経験上、伸びる人とはつまり謙虚な人なのです。何事にも謙虚になってください。自分一人で全てを片付けず、人に頼ってください。

僕の大好きな千利休は晩年このような歌を詠みました。


恥を捨て人に物問い習うべし、これぞ上手の基なるべし


古く昔からこれが言われているわけです。日本の茶道の礎を築いた一人、千利休でさえもこういっているのです。歴史に学べといいましょうか、人生において大切となるものがこの歌には込められていると思います。
コメント
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