好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

EP.3 槇村香初登場編(JC第1巻)考察。

2020-02-29 | 『シティーハンター』原作考察
『闇からの狙撃者!』

少年漫画史上、唯一無二のメインヒロイン・槇村香の初登場。
外見も言動も中性的。「おれ」の一人称&男言葉。
髪型はベリーショート。服装はハンチング&コート&ズボン&スニーカー。
なお、アニメ版では付け髭してるが、原作は無い。なのに周りは男扱い。
そんなキャラが、クライマックス以降は、下着の半裸。そして本質的には、
獠に「確かに美人」、敵にも「かなりな上玉」と評される、作中随一の美女。

……当時の作者、時代を先取りしすぎである。
作者は前作『CE』の来生愛を進化(深化)させて香を創ったわけだが、
時代の方が付いて来れなかった感がある。
恐らく、「オレ」の一人称のメインヒロインは『電影少女』辺りまで
時代を下らなければならないのでは。

事件内容は、連載当時から今も言い継がれる
都市伝説の「忽然と客の消えるブティック」が元になっている。

訪ねた客がことごとく失踪する謎のブティック。
都市伝説では、本作のように謎の組織が暴れているというオチが付くが、
実際には、都市部では行方不明事件が発生しやすい事への理由付けと考えられる。
そもそも人体を人形に変化させる事自体、非現実的の上、
管理しにくい人体より、普通に精巧な人形の方を使う方が
コストパフォーマンスが良い事も、すぐに想像できるだろう。

また、今回特筆すべきは、銃にまつわる丁寧な描写。
『シティーハンター』は、世に多くの銃好き、
特にリボルバー好きを生み出した作品の代表。
初読当時の私は、「コルトパイソン」とは何ぞや、
「メタルジャケット」とは何ぞやと悶々とし、
後者に至ってはインターネット環境を得るまで真相を知り得なかった。
情報の少なかった連載当時から現在まで通用する描写を徹底した、
作者の熱意に、敬意を表したい。

それでは。また次回。

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