『虚構市立不条理中学校』(by清水義範)、読了。
「タイトルだけで選んでみた」シリーズ。(←久々の表現)
1990年初出。
図書館で借りて、するすると気持ちよく読み終えた。
そんな風に気楽に読み下せる文章でありながら、中身は実のところ極めてセンシティブ。
コレ、このタイトルでなかったら、少なくとも出版当時なら十中八九、問題が起きてる。
「実在する(ウチの)学校の出来事を書いてるんじゃないか」と突っつく人が出てくる。
そう思ってしまうくらい、出てくるネタが普遍的なのだ。
主人公たる作家が何の気なしに書いた、教育ネタのエッセイをきっかけに、主人公の息子が通う中学校の教師たちが牙をむき、主人公へそれぞれ一家言を打ち立てる。
国語教師は現代文の設問について、英語教師は文法重視主義についてといった調子で。
体育教師は、いわゆる「集団行動」が好きすぎて、かなりヤバイ。ヤバイとしかココでは言わんでおく。
最後、主人公の家族が人質に取られてて大ピンチだったりするのだが、どう解決するかもココでは伏せる。不覚にも笑ってしまった。
図書館で見かけた他の作品を見るに、言葉遊びのドタバタ劇が得意な作家さんとお見受けする。
後日お世話になるかもしれない。覚書。
それでは。また次回。