『1984年』(byジョージ・オーウェル)、読了。
世間で大ヒットを飛ばした村上春樹氏の『1Q84』……の、(タイトルの)元ネタ。
タイトルこそ「1984年」だが、この作品は1949年に出版されているので、
本質としては未来小説に当たる。
もしも現代でリメイクしたら、「2084年」くらい先の世界になるんじゃなかろうか。
内容はズバリ、いわゆるデストピア(ユートピアの逆)。
「オセアニア」「ユーラシア」「イースタシア」の三つに分断された世界は
どこも、完全に思想統制された独裁国家。
人々は常に戦争状態に駆り立てられ、品不足に苦しみ続けている。
どこかのあの国を思わせるような、そうでないような。
そんな世界に疑問を抱く主人公は、出会った恋人と共に、反政府活動に密かに挑む。
敢えてオチをバラしてしまうが、主人公は結局、政府に屈服する事になる。
この点だけを挙げれば、コレはバッドエンドの話だろう。
けれど。心の底から説得され、洗脳された主人公の最後の様子は、
むしろ晴れやかにさえ見えるから、何とも不思議だ。
そう思ってしまうのは、主人公の住む世界と、この私たちの世界とに、
どことなく近い物を感じるからかもしれない。
街のどこに行っても監視カメラが付いて回る事。
表現の規制によって昔ながらの語彙は減らされつつある事。
マスコミの偏向報道は決して否定できない事。
世界中での戦争が全て無くなる事はないだろう事。
まさしく今のこの国と同じじゃないかと。
書かれた時代が時代のため、出てくる機械などの描写は流石に古いが、
いろいろ考えさせられた一冊だった。
付録として書かれた「ニュースピーク(新語法)の諸原理」も結構面白かったです。
英語研究懐かしかった。
それでは。また次回。
世間で大ヒットを飛ばした村上春樹氏の『1Q84』……の、(タイトルの)元ネタ。
タイトルこそ「1984年」だが、この作品は1949年に出版されているので、
本質としては未来小説に当たる。
もしも現代でリメイクしたら、「2084年」くらい先の世界になるんじゃなかろうか。
内容はズバリ、いわゆるデストピア(ユートピアの逆)。
「オセアニア」「ユーラシア」「イースタシア」の三つに分断された世界は
どこも、完全に思想統制された独裁国家。
人々は常に戦争状態に駆り立てられ、品不足に苦しみ続けている。
どこかのあの国を思わせるような、そうでないような。
そんな世界に疑問を抱く主人公は、出会った恋人と共に、反政府活動に密かに挑む。
敢えてオチをバラしてしまうが、主人公は結局、政府に屈服する事になる。
この点だけを挙げれば、コレはバッドエンドの話だろう。
けれど。心の底から説得され、洗脳された主人公の最後の様子は、
むしろ晴れやかにさえ見えるから、何とも不思議だ。
そう思ってしまうのは、主人公の住む世界と、この私たちの世界とに、
どことなく近い物を感じるからかもしれない。
街のどこに行っても監視カメラが付いて回る事。
表現の規制によって昔ながらの語彙は減らされつつある事。
マスコミの偏向報道は決して否定できない事。
世界中での戦争が全て無くなる事はないだろう事。
まさしく今のこの国と同じじゃないかと。
書かれた時代が時代のため、出てくる機械などの描写は流石に古いが、
いろいろ考えさせられた一冊だった。
付録として書かれた「ニュースピーク(新語法)の諸原理」も結構面白かったです。
英語研究懐かしかった。
それでは。また次回。