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病中雪

2008-01-21 09:41:19 | 朗読あれこれ


今日は朝から雪で往生するかなぁと覚悟しておりましたら
東京は何とか積雪を逃れました。

ホッとするも雪国の方々を思えば何ともひ弱な話でございます。

雪といえば、日曜の朝、NHK教育の俳句の番組を
観ていましたら、子規の句が出てきました。


  いくたびも雪の深さを尋ねけり


番組の途中、句に通じる映像をバックに
何の解説もなく、句だけ読み上げられるこのコーナーが
私は好きです。俳句に詳しくなくても
その映像と句を自分の中でリンクさせて
「何を詠んだのだろう」と思い想像するのが楽しいのです。
直感的に好きな句とそうでない句もでてきます。

上記の子規の句は、「病中雪四句」と書かれた連作の一句
だそうで、その四句とは


  雪ふるよ障子の穴を見てあれば

  いくたびも雪の深さを尋ねけり

  雪の家に寝て居ると思ふばかりにて

  障子明けよ上野の雪を一目見ん


病床にあることの多くなった子規は、障子の外の雪が
どんな雪なのかどれほど積もっているのか
見たくて見たくてたまらない。
子規の声がきこえてきそうなほど
真っ正直で無垢な感じ、それとともに病気に対する
焦燥感のようなものを感じます。


日曜朝、NHK教育の俳句と、その前に放送する短歌の番組。
たまにでもいいですから観てみると、私のような俳句短歌の素人でも
時折貴重なものを拾います。おすすめします。

ちなみにこれらの番組は、短歌、俳句の愛好者の
絶大なる支持を得る長寿番組です。