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古帛紗(こぶくさ)2点

2008-06-29 01:15:26 | 朗読あれこれ


古いきものの数カ所で、合わせ縫っていた糸が切れていました。
古いきものは当然糸も弱くなっていますもんね。
目立たないとはいえ気になっていたので
きょう、馴れない手つきで補修してみました。
決してうまい縫い方だとは思いませんが、手をかけた分、
そのきものに愛着がわくもんですわ。(^^)

そんなことをしているとピンポン鳴らして宅急便が到着。
箱を開けてみると、きものと帯、茶道の本、
そして帛紗や古帛紗などが入っていました。
茶道を再開したときいた親戚が送ってきてくれたのです。ありがたや。

で、写真の古帛紗。
よ~く見ると、緑色の古帛紗には「未(ひつじ)」
黄色の古帛紗には「卯(う)」の文字があるのですが分かります?

これらの古帛紗には説明書がついていて、それによりますと・・・
十干(じゅっかん)と十二支を組み合わせる年の数え方がありますが、
一周すると60年。還暦です。

緑色は「辛未(かのとひつじ)」
三種の神器の勾玉を羊の角のかたちにデザイン化しています。

黄色は「丁卯(ひのとう)」
卯の文字の間に丁の文字も見えます。やはり上代のアクセサリー、勾玉が
デザインされています。

親戚が何故この2つの年のものを持っていたのかはきいていません(^^;
興味深いのは、これらの古帛紗におまけがあって、
過去10回、つまり600年分の「辛未」「丁卯」の年に何があったかを簡単に記した
年表が付いているのです。

60年前、120年前、180年前・・・
へぇ~、あれはこの年かぁ。
ほぉ~、そんなこともあったんだぁ。
そんなことの繰り返しです。

ちなみに一番最近の辛未は1991年、丁卯は1987年。
ということは、次の辛未は2051年、丁卯は2047年。

もちろんそれまでに使ってもいいけれど、
その年を迎え、目出たくこれらの古帛紗を御年に使えるよう、
長生きできますようにーーー。

そうそう、古帛紗は、濃茶(抹茶を練ったお茶)のとき、お茶碗をのせて呑んだり、
お客さんが多い茶席のとき、半東さん(水屋をあずかる助手)が古帛紗にお茶碗をのせて
三客以下のみなさんに運ぶときに使ったり、
茶箱を使った手前や、香合を飾るときなど、茶席にはいろんなシーンで登場します。