フウロソウ科の精油

　ゼラニウムは検定２級出題精油。私自身１級の嗅ぎ分け問題に出題された馴染み深い精油です。全草の水蒸気蒸留法によって採取されます。

　学名はPelargonium graveolens。Pelargoniumはコウノトリを意味するpelargosとコウノトリのくちばしを意味するgominumが合わさったもの。graveolensは重い香という意味。和名は匂天竺葵（においてんじくあおい）。

　ゼラニウムのうち精油になるぺラルゴニウムはもともと南アフリカ固有の植物でしたが、現在ケープ地方に野生のぺラルゴニムが生息するのみでこの国ではこの品種は生産されていません。現在の主な生産地は中国、フランス、イタリア、スペイン、エジプトなどです。

　成分はシトロネロール、ゲラニオール、リナロールなどのアルコール類が約６３％。エステル類が１５％、アルデヒドであるシトラールが５％、ケトンであるメントンが７％、セスキテルペン類が４％、香の特徴であるシスーローズオキサイドが２％とさまざまな成分が配合されています。

　ゼラニウムといえばローズの代用品としての役割が有名で、安物の香料はローズをゼラニウムで薄めて原価を抑えているようです。これはゼラニウムがローズと共通のゲラニオール、シトロネロール、リナロールなどの成分を持つためと思われます。

　ゼラニウムの一番の特徴はホルモンバランスの調整。月経痛やPMS、更年期障害の症状をやわらげる働きをします。心へはふさぎこんだ気持ちを明るく盛り上げてくれる効果が期待できます。また、皮脂のバランスを整える作用があるため乾燥肌にも脂性肌にも活用できる精油です。





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