高山林太郎さんは、ロバート・ティスランドをはじめ、マギー・ティスランド、モーリス・メッセゲ、シャーリー・プライス、ネリ―・グロシャン、ワンダ・セラー・・・数え上げたらきりがないくらい名立たるアロマ関連本の翻訳を手掛けてきた。私もいくつか読ませてもらったが、日本語がやわらかくて大変好感を持っていた。
本書は我々が間違えて伝えられてきた歴史認識について、本当はこうだったんだと切り込んでいて、それは面白い。実際、私が一番最初にアドバイザー過程でマルグリット・モーリーはジャン・バルネの弟子だと聞かされていたのでそのように信じ込んでいた。しかも自分の生徒にそう伝えていたが、それは間違っていたようだ。モーリーがガットフォセの弟子だと言う人達もいるらしいが、それも間違っているそうだ。ガット・フォセの火傷についてもどれくらいの程度の火傷をどれくらいかけて直したのか興味があったので大変面白かった。
半面釈然としないものがある。どうもこれは暴露本の趣を兼ねている。高山氏はアロマに関しても相当勉強したと思われる。それ故だと思うけどかなり痛烈にいろんな人を批判している。ガットフォセは奇人変人の単なる香料化学者、ロバートはヒッピー上がりで知識はいいかげん、シャーリー・プライスは我こそが本家と威張りたいショーグン、マギーはラテン語を知らない、メッセゲは科学性と哲学性に乏しい。モーリーについては誉めてますが、彼女がシデスコ賞を獲ったことは、シデスコの会長を2度経験していたので手前みそだとかなり辛口です。
高山氏の主張はピーター・フランコム氏をはじめとした編成された『アロマテラピー大全』やバルネ博士こそが本当のアロマテラピーで、ロバートやガットフォセは理論が整わない偽物なんだそうだ。本当は先にバルネ博士の本を読んで、そちらを訳したかったけど、博士の本は医学的専門用語がたくさんあって一般の人にはわからないだろうとロバートの本を先に紹介したんだそうな。
でもね、あなただってロバ―トのイメージ戦略に乗っかったんでしょう?巷のセラピストだって多くの人に興味を持ってもらう為に大なり小なりイメージ戦略していますよ。
生活のためとか実績を上げるために不本意な仕事をせざるを得なかったのかもしれない。そしてそれを後悔しているのかもしれない。
ただやはり読んでいて後味は悪く、高山氏に対する評価もずいぶん下がってしまった。
誰も言わなかったアロマテラピーの本質(エッセンス) 新しい視点で見直すアロマテラピー集中講義 | |
?山林太郎 | |
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