rosemary days

アロマテラピー、ハーブを中心にフィトテラピーあれこれ。自然療法全域とフィットネスについて。

『緑の島 スリランカのアーユルヴェーダ』

2016-06-27 23:53:26 | 自然療法関連書籍
少し前に読んだインドネシアのジャムゥは泥臭い印象を受けたが、スリランカのほうはなんとなく洗練されている。著者自身が見聞したり実際に体験したことが書かれているので大変わかりやすく臨場感もある。

前半は著者が体験したスリランカのアーユルヴェーダ専門のホテルでのトリートメントが優雅に描かれている。そこのホテルの顧客は通常10日から2週間ほど滞在するらしい。というのも患者の状態を観ながら治療を進めていくので、例えばオイルマッサージは毎日行うものの初日から3日くらいは疲れがたまっているのでマッサージの後はハーブバスに浸かる、身体が慣れてきたらスチームバスに切り替える。アーユルヴェーダの中でもハードな治療であるパンチャカルマやシローダーラなどは1週間くらいトリートメントを受けた後でないとやらないらしい。体が浄化されないうちにシロダーラなどをやっても効果が出ないんだという。

スリランカの人たちは占いを信じたりゲンを担ぐところがあって、治療中は辛い物や体を冷やすもの、熱すぎるものを食べない、とか、その治療を行うのに適した時間を守るなど非現実的ではあるけどなんとなく納得してしまう行動哲学がある。

後半は町の中へ出て行ってアーユルヴェーダ医や薬草を作る人たちを取材している。リッチなホテルのトリートメントと比べると素朴な治療ではあるが、少し前に読んだインドネシアのジャムゥと比べるとスリランカのほうが洗練されている気がする。最後の章にはメディテーションについて書かれていたが、心の在り方が大きく関わっている気がする。患者一人一人を見て、同じ患者でもその時その時の状態を見て、治そうと力を注ぐ施術者。そんな施術者を信頼して従う患者。そして心を常に穏やかに保とうとする人々。治療方法がどうの結果がどうのと言う以前に深く考えさせられた。





緑の島スリランカのアーユルヴェーダ
岩瀬 幸代
晶文社

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