
シナモン、カンファー、ホーウッド、ローズウッド、クロモジ、ラベンサラ、ローレル・・・クスノキ科の精油ってほんとうに香り高いものが多く、個人的には好きなグループです。今回はその中でもシナモンの仲間、キンナモンムン属の精油にスポットを当ててみます。
まず、シナモンと言えば Cinnamonum zeylanicum シナモンそのものです。
シナモンは葉と樹皮によって成分が異なります。一般にシナモンと言えば、樹皮の蒸留で得られるCinnamonum zeylanicum nees シナモン・バークを指します。シナモンの主な働きは、防虫、寄生虫除去、防黴、抗真菌、抗ウィルスなどが有名です。シナモン・バーク独自には血液をの流れを整えたり筋肉疲労を和らげる働きをします。
一方葉から抽出したシナモン・リーフ Cinnamonum zeylanicum blume は局所麻酔作用に優れ、虫歯の痛み止めとして利用されています。生産地はどちらもスリランカ、セイシェル、インド、マダガスカルなどです。
シナモンにはもうひとつシナモン・カッシア Cinnamonum cassia と呼ばれる品種があります。葉と小枝の水蒸気蒸留から得られ、主な生産地は中国で、シナモン・バークと同じような作用があります。上記のいずれのシナモンも強い感作作用があるため使用には十分な注意が必要です。特に妊娠中、授乳中の女性は禁忌精油となっています。
クスノキ科を代表するもう一つの精油はカンファー Cinnamonum camphora、和名はくすのき(樟)です。くすのきには楠と樟の二つの漢字がありますが、樟脳がとれる香り高いのは樟のほうです。カンファーは日本をはじめ台湾、中国、インドネシアなどで生産されるアジアを代表する芳香植物です。葉と木部の水蒸気蒸留で得られます。他のクスノキ科同様抗菌や抗真菌の作用もあるのですが、この精油は心臓や血管の強壮作用に秀でて、カンフル剤として利用されています。妊娠中、授乳中および癲癇のある人は禁忌です。
カンファーの一種 Cinnamonum camphora sieb. var. linaloolifera Fujitaは、芳樟と呼ばれ、以前は樟脳の採れないだめな樟と邪険に扱われていましたが、近年絶滅が危惧されているローズウッドの代替品として脚光を浴びはじめました。学名から推測されるようにリナロールを多く含み、中枢神経の抑制や鎮静作用がみられます。葉からとれるものをホーリーフ、木部から採れるものをホーウッドと言い、ローズウッドの香りに近いのはホーウッドのほうです。カンファーに比べ作用が穏やかなので特に禁忌はありません。
ラヴィンサラ Cinnamonum camphora sieb. J.Perel は、マダガスカル原産の高木です。葉の水蒸気蒸留によって得られます。1,8シネオールを豊富に含むため、風邪、気管支炎、ウィルス性肝炎の治療などに用いられます。カンファーの仲間ですが、ユーカリ的な香りがするのが特徴です。同じクスノキ科のラベンサラと名前が似ていますが、あちらはラベンサラ属の仲間ですので、別の機会にご紹介します。


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まず、シナモンと言えば Cinnamonum zeylanicum シナモンそのものです。
シナモンは葉と樹皮によって成分が異なります。一般にシナモンと言えば、樹皮の蒸留で得られるCinnamonum zeylanicum nees シナモン・バークを指します。シナモンの主な働きは、防虫、寄生虫除去、防黴、抗真菌、抗ウィルスなどが有名です。シナモン・バーク独自には血液をの流れを整えたり筋肉疲労を和らげる働きをします。
一方葉から抽出したシナモン・リーフ Cinnamonum zeylanicum blume は局所麻酔作用に優れ、虫歯の痛み止めとして利用されています。生産地はどちらもスリランカ、セイシェル、インド、マダガスカルなどです。
シナモンにはもうひとつシナモン・カッシア Cinnamonum cassia と呼ばれる品種があります。葉と小枝の水蒸気蒸留から得られ、主な生産地は中国で、シナモン・バークと同じような作用があります。上記のいずれのシナモンも強い感作作用があるため使用には十分な注意が必要です。特に妊娠中、授乳中の女性は禁忌精油となっています。
クスノキ科を代表するもう一つの精油はカンファー Cinnamonum camphora、和名はくすのき(樟)です。くすのきには楠と樟の二つの漢字がありますが、樟脳がとれる香り高いのは樟のほうです。カンファーは日本をはじめ台湾、中国、インドネシアなどで生産されるアジアを代表する芳香植物です。葉と木部の水蒸気蒸留で得られます。他のクスノキ科同様抗菌や抗真菌の作用もあるのですが、この精油は心臓や血管の強壮作用に秀でて、カンフル剤として利用されています。妊娠中、授乳中および癲癇のある人は禁忌です。
カンファーの一種 Cinnamonum camphora sieb. var. linaloolifera Fujitaは、芳樟と呼ばれ、以前は樟脳の採れないだめな樟と邪険に扱われていましたが、近年絶滅が危惧されているローズウッドの代替品として脚光を浴びはじめました。学名から推測されるようにリナロールを多く含み、中枢神経の抑制や鎮静作用がみられます。葉からとれるものをホーリーフ、木部から採れるものをホーウッドと言い、ローズウッドの香りに近いのはホーウッドのほうです。カンファーに比べ作用が穏やかなので特に禁忌はありません。
ラヴィンサラ Cinnamonum camphora sieb. J.Perel は、マダガスカル原産の高木です。葉の水蒸気蒸留によって得られます。1,8シネオールを豊富に含むため、風邪、気管支炎、ウィルス性肝炎の治療などに用いられます。カンファーの仲間ですが、ユーカリ的な香りがするのが特徴です。同じクスノキ科のラベンサラと名前が似ていますが、あちらはラベンサラ属の仲間ですので、別の機会にご紹介します。


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