高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢期にも安心な住まい(6:住み続けるためのチェック項目(8)「寝室、便所及び浴室」)

2015年08月02日 | 老後と住まい
「日本住宅性能表示基準」の一項目である「高齢者等への配慮に関すること」の評価方法基準6項目の最後が「寝室、便所及び浴室」です。その等級5(最上級)の基準の概略は次のようになっています。
「a 日常生活空間内の浴室の短辺が内法寸法で1,400mm 以上であり、かつ、面積が内法寸法で2.5 ㎡以上であること。
b 日常生活空間内の便所の短辺(工事を伴わない撤去等により確保できる部分の長さを含む。)が内法寸法で1,300mm 又は便器後方の壁から便器の先端までの距離に500mm を加えた値以上であり、かつ、当該便所の便器が腰掛け式であること。
c 特定寝室の面積が内法寸法で12 ㎡以上であること。」

これだけでは少しわかりにくいので、寝室、便所、浴室に分けてみてみます。先ず、aの浴室ですが、浴室の寸法の短いほうが1.4m以上で面積が2.5平方メートル以上ということは、もし短いほうの辺が1.4mとすると長いほうの辺は1.8mとなります。尺貫法では0.75間×1間、約0.75坪ですからかなり広いといえます。しかし、将来の介助や介護に備えるとなると洗い場には2人が入ることになりますから、この程度は必要ではないかと思います。
評価方法基準では寸法しか示されていませんが、浴槽の形も大切です。最近では浅くてゆったりと足を延ばすことのできる洋室の浴槽がありますが、浴槽内で足を延ばした状態から立ち上がろうとすると上手く力が入らず立ち上がりにくいことがあります。また、和式の場合は浴槽が深く、浴槽への出入りの際、浴槽をまたぐことが難しくなることが考えられます。高齢者には和洋折衷の浴槽が良いとされています(図でご覧になりたい場合は投稿者のURLをご覧ください)。浴槽を取り換えるには結構な工事となりますので、将来に備えるには最初から和洋折衷型をお勧めします。(続く)
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )