高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢期にも安心な住まい(7:チェックしましょう「浴室」)

2015年08月11日 | 老後と住まい
家庭内の不慮の事故で亡くなる方は、厚生労働省の調査によると1年間に約1万5千人ですが、そのうち65歳以上の高齢者が約1万3千人(全体の8割)となっています。事故原因としては浴槽内での溺死が最も多くなっています。これとは別に行われた東京都健康長寿医療センターの調査結果では推計で年間1万4千人の高齢者が入浴中に亡くなっています。入浴中の事故の大半は冬場に起きていますが、これは日本の住宅は夏の高温多湿には適していますが冬の寒さには向いておらず、冬の寒い夜に入浴しようとして寒いところから暖かい浴槽に入り血圧が大きく変動し事故につながると考えられています。
浴室のチェックポイントを挙げてみます。
ポイント1:冬場に寒くありませんか。前述の事故防止のためにも断熱に優れた構造や材料を取り入れることが重要ですが、寒ければ暖房器具を使って風呂を暖めることを検討します。
ポイント2:将来、介助を受けてでも入浴したい場合、介助スペースがありますか。介助スペースを考えると1坪ほどの広さが必要です。入浴時の介助・介護のスペースが無い場合は、介護保険サービスに「訪問入浴介護」というサービスがあります。
ポイント3:段差は乗り越えられますか。浴室は水が外に出ないよう、洗い場が脱衣場より10cm程度低くなっています。床上げ工事をしない場合は、段差の解消のため「すのこ」を用いる方法もあります。
ポイント4:浴槽は「和洋折衷型」ですか。洋式ですと入浴中や浴槽から出る際に足に力を入れることができません。和式ですと浴槽が深く出入りが大変です。
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )