高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢期の備え21:保険と貯蓄

2019年09月26日 | 高齢期の備え
・最初に強調しておきたいことは、高齢期の支出の備えとしては保険や貯蓄だけでないことです。現役時代から不適切な生活習慣や少ない運動習慣を修正しておくことで介護費や医療費が減る可能性が高くなります。ご自分の住まいに住み続ける可能性も大きくなり、高齢者向け施設・住宅に住み替えた場合に比べて支出が少なくてすみます。

・保険と貯蓄のもつ特徴は次のようになります。
○保険は、掛金総額以上の額を受け取れる場合もあり、掛金総額よりも少ない額しか受け取れない場合もある。たとえば、年金保険では平均より長生きをすれば受け取る年金総額は掛金総額より多くなるが、平均より早く人生を終えれば掛金総額よりも受け取る年金総額は少なくなる。介護保険は、介護状態になれば保険金を受け取れるが、元気なまま人生を終えることができれば掛金を払っていても保険金を受け取れない。一方、貯蓄は、預けた分を受け取れる。
○保険は掛金を払い続けなければならないことが多いが、貯蓄は預けることを中断できる。また、保険は途中で引き出すことができないことが多いことが多いが、貯蓄は途中で引き出すことができる。

・「生活費など」は生涯にわたって一定の額が確実に必要であり貯蓄で備えようとすると想定を超えて長生きした場合には貯蓄が底をつくおそれがあるのでできる限り終身年金保険で賄うのが合理的です。

・入院費と介護費への備えは一人ひとりの将来の心身の想定にかかっています。小さな可能性にも備えておきたい方、たとえば「その時点で同年齢10人のうち1人でも介護を必要とすれば自分も必要になる」とされる方の場合、将来の自己負担割合が増える可能性も考え、安心度を増すためには介護保険などを活用しましょう。一方、平均的な可能性を前提に備えておきたい方、たとえば「その時点で同年齢10人のうち5人が介護を必要とすれば自分も必要になる」とされる方の場合、90歳頃までは入院や介護を必要としない可能性が高い、つまり保険金を受け取れない可能性が高いため貯蓄を基本として備えるほうが合理的です。どの程度の可能性に備えるかは自分で決めるしかありません。。

・現役時代の生活と高齢期のバランスを考えましょう。現役時代を楽しく過ごせればよいとした場合、アリとキリギリスの寓話が浮かんできます。一方、高齢期に備えるために現役時代を生きてわけでもありません。保険貧乏という言葉が浮かんできます。要は無理のない範囲、または我慢できる範囲で高齢期に備えることです。