派遣さんと話していて、すごく気になったことがある。
たいていの人が言っている共通点があって、
1つめは「契約期間が終了したらどうなるか不安だ」ということ。
2つめは「残業をしないと給料が増えない」ということ。
そして、正社員の人からは「空気に近い存在」というか、
人として一段下というか、存在を認められていない、と思っているようだった。
意識の上で、確実な格差があるらしい。双方にとって。
中国では、お金持ちの人と貧しい人の差が、すごく大きい。
国内に南北問題があると、よく言われているけれど、
日本も後を追っているのだと思う。
明らかに、正社員の人たちは、非正規雇用の
自分の給料の半額以下の存在がいてくれるおかげで、
職を失う可能性が減っている。
この差は、20代前半にでき上がってしまうことが大きく、
非正規の道からスタートした人に、正規雇用への道が開かれることは、
すごく可能性が低い。
だからこそ格差が固定されてしまう可能性が高く、
かつ、収入の差は子どもを産めるか、子どもをいい学校に入れられるか、ということと
密接にかかわってくるから、格差が再生産されていく可能性も高い。
そして、非正規雇用の自分を振り返ってみて、いま一番気になっていることは、
「契約期間が終了したらどうなるか不安だ」ということと、
「残業をしないと給料が増えない」ということは、対の話なんだ、ということ。
派遣社員は、自分のスキルによって、仕事の道が開ける。
時給の相場のようなものもあるから、それなりのスキルの人は、
それなりに収入がある仕事をする。
でも、その評価は、すでに入社前に決まっていることで、
つまり「あなたのスキルを、いくらで買いましょう」という先物取引なわけだから、
その後、どんどんスキルをのばしたからといって、お給料が増えるわけではない。
相場の変動を受けないのだ。
だから、単純にお給料が増える方法は、残業することだけなのだ。
ならば、効率よく仕事をして自分の時間を作ることよりも、
なるべく引き延ばして会社にいたい、と思う人が出てきてもしょうがない。
そんな考え方に陥ってしまうと、よほど意識して自分で自分を磨かないかぎり、
基本的に作業的な仕事しかおりてこなく、
仕事を通じてスキルを磨く機会がもともと少ない派遣社員は、
スキルが風化することになり、
結局は、契約期間終了後の心配をすることになる。
これではまるで、終身雇用がない「人民公社」みたいだと思う。
「人民公社」で働いたことがないから、これはまったくの想像にすぎないのだけど。
そして、「人民公社」と大きく違う点として、
自分の仕事の出来とはあまり関係ないところで、
つまり会社の都合や計画によって、自分の仕事がいつなくなるかわからない。
これをつかさどっているのは、大きな経済のなかにある「わたくしの企業」であり、
国家による計画経済ですらないのだ。だからなんの補償もない。
よく社会主義の国のことを
「がんばっても給料が増えないからって、経済がダメになった国」とか、
「社会主義の人たちは仕事ができない。仕事をする気がない」などと言うけど、
いま日本国内に、そういった層を生み出している。
だから、「残業しないと給料が増えない」という考え方は、
それに気づいたときに、その入り口に背を向けないと、
自分の将来を考えるうえで、危険な発想なんじゃないかと思った。
たいていの人が言っている共通点があって、
1つめは「契約期間が終了したらどうなるか不安だ」ということ。
2つめは「残業をしないと給料が増えない」ということ。
そして、正社員の人からは「空気に近い存在」というか、
人として一段下というか、存在を認められていない、と思っているようだった。
意識の上で、確実な格差があるらしい。双方にとって。
中国では、お金持ちの人と貧しい人の差が、すごく大きい。
国内に南北問題があると、よく言われているけれど、
日本も後を追っているのだと思う。
明らかに、正社員の人たちは、非正規雇用の
自分の給料の半額以下の存在がいてくれるおかげで、
職を失う可能性が減っている。
この差は、20代前半にでき上がってしまうことが大きく、
非正規の道からスタートした人に、正規雇用への道が開かれることは、
すごく可能性が低い。
だからこそ格差が固定されてしまう可能性が高く、
かつ、収入の差は子どもを産めるか、子どもをいい学校に入れられるか、ということと
密接にかかわってくるから、格差が再生産されていく可能性も高い。
そして、非正規雇用の自分を振り返ってみて、いま一番気になっていることは、
「契約期間が終了したらどうなるか不安だ」ということと、
「残業をしないと給料が増えない」ということは、対の話なんだ、ということ。
派遣社員は、自分のスキルによって、仕事の道が開ける。
時給の相場のようなものもあるから、それなりのスキルの人は、
それなりに収入がある仕事をする。
でも、その評価は、すでに入社前に決まっていることで、
つまり「あなたのスキルを、いくらで買いましょう」という先物取引なわけだから、
その後、どんどんスキルをのばしたからといって、お給料が増えるわけではない。
相場の変動を受けないのだ。
だから、単純にお給料が増える方法は、残業することだけなのだ。
ならば、効率よく仕事をして自分の時間を作ることよりも、
なるべく引き延ばして会社にいたい、と思う人が出てきてもしょうがない。
そんな考え方に陥ってしまうと、よほど意識して自分で自分を磨かないかぎり、
基本的に作業的な仕事しかおりてこなく、
仕事を通じてスキルを磨く機会がもともと少ない派遣社員は、
スキルが風化することになり、
結局は、契約期間終了後の心配をすることになる。
これではまるで、終身雇用がない「人民公社」みたいだと思う。
「人民公社」で働いたことがないから、これはまったくの想像にすぎないのだけど。
そして、「人民公社」と大きく違う点として、
自分の仕事の出来とはあまり関係ないところで、
つまり会社の都合や計画によって、自分の仕事がいつなくなるかわからない。
これをつかさどっているのは、大きな経済のなかにある「わたくしの企業」であり、
国家による計画経済ですらないのだ。だからなんの補償もない。
よく社会主義の国のことを
「がんばっても給料が増えないからって、経済がダメになった国」とか、
「社会主義の人たちは仕事ができない。仕事をする気がない」などと言うけど、
いま日本国内に、そういった層を生み出している。
だから、「残業しないと給料が増えない」という考え方は、
それに気づいたときに、その入り口に背を向けないと、
自分の将来を考えるうえで、危険な発想なんじゃないかと思った。