友人にチケットを譲ってもらい、
上海国際映画祭で「東京家族」を観てきた。
中国人は、ただでさえ他人との距離が近く、
知り合いじゃない人とぶつかったり、
男女関係なく、触れたりすることに、まったく無頓着だけど、
そんな人たちがカップルでいるときは、本当に近過ぎる。
公共の場で、抱きついたりキスしたり、男性が女性の胸に顔をうずめたり、
夏は本当に暑苦しい。
さて、中国の映画館の座席は、日本人には非常にわかりづらい。
奇数と偶数で左右に分けられている。
横一列同じ番号なのではなく、縦一列で同じ番号だったりする。
だから、いつも合っているか自信を失う。
今日は満員というわけではなかったので、一番後ろの席に移動した。
中国人の反応も見たかったから。
相変わらず、時間どおりには始まらないし、
始まっても、中国人たちはおしゃべりを続けているし、
自宅の居間の延長のような映画館の雰囲気だったけど、
「東京家族」には、非常にマッチしたかもしれない。
小津安二郎監督が昔撮った映画を山田洋次監督がリメイクしたもので、
久しぶりに懐かしい東京の風景と、
静かでゆるやかな日本の空気に、すごく癒された。
やはりタイミングが合っていない字幕があって、
まだ、そのセリフ言ってないよ!というタイミングで
中国人たちは字幕を見て大笑いしていた。
あと、妻夫木さんは相変わらず中国の女子に人気だった。
私が一番面白かったのは、
横浜のインターコンチネンタルらしきホテルの中で、
中国人が大声でクレームを付けているシーン。
観客の中国人たちが苦虫を潰したような、声にならないうなり声を
かすかに上げていたのがよかった。
そうだ。君たちは、日本ではかなり浮くのだ。自覚してくれ。
一番感情移入したのは、
お母さんが亡くなった後に、お父さんが屋上で朝陽を見ているシーン。
そして、きれいな日の出だったと言った後に、母さんが死んだ、と言う。
この非連続の連続。
私も母が亡くなった翌朝、朝陽のきらめきがあまりに美しいので驚いた。
あのときのことを思い出した。
中国では、朝陽なんてモヤってて、よく見えないことが多いし、
きっとよほどの田舎出身の人でないと、そんな美しい夜明けを見たことがないだろう。
そして、畳の上にきちんと座って、頭を下げるって、
本当に美しい姿だと思った。
そういう私は、すぐに足がしびれてしまうので、ぜんぜん正座できないけど。
エンドロールになると、中国人から拍手が上がった。
いつもはエンドロールが始まると、すぐに立ち上がって帰る中国人たち。
でも今日は、半分くらいの人がエンドロールの最後まで座っていた。
そして「小津安二郎に捧げる」という字幕でもう一度拍手が上がった。
ああ、帰りたくなったなあ。
さて、今週末はまた旅に出る。
上海国際映画祭で「東京家族」を観てきた。
中国人は、ただでさえ他人との距離が近く、
知り合いじゃない人とぶつかったり、
男女関係なく、触れたりすることに、まったく無頓着だけど、
そんな人たちがカップルでいるときは、本当に近過ぎる。
公共の場で、抱きついたりキスしたり、男性が女性の胸に顔をうずめたり、
夏は本当に暑苦しい。
さて、中国の映画館の座席は、日本人には非常にわかりづらい。
奇数と偶数で左右に分けられている。
横一列同じ番号なのではなく、縦一列で同じ番号だったりする。
だから、いつも合っているか自信を失う。
今日は満員というわけではなかったので、一番後ろの席に移動した。
中国人の反応も見たかったから。
相変わらず、時間どおりには始まらないし、
始まっても、中国人たちはおしゃべりを続けているし、
自宅の居間の延長のような映画館の雰囲気だったけど、
「東京家族」には、非常にマッチしたかもしれない。
小津安二郎監督が昔撮った映画を山田洋次監督がリメイクしたもので、
久しぶりに懐かしい東京の風景と、
静かでゆるやかな日本の空気に、すごく癒された。
やはりタイミングが合っていない字幕があって、
まだ、そのセリフ言ってないよ!というタイミングで
中国人たちは字幕を見て大笑いしていた。
あと、妻夫木さんは相変わらず中国の女子に人気だった。
私が一番面白かったのは、
横浜のインターコンチネンタルらしきホテルの中で、
中国人が大声でクレームを付けているシーン。
観客の中国人たちが苦虫を潰したような、声にならないうなり声を
かすかに上げていたのがよかった。
そうだ。君たちは、日本ではかなり浮くのだ。自覚してくれ。
一番感情移入したのは、
お母さんが亡くなった後に、お父さんが屋上で朝陽を見ているシーン。
そして、きれいな日の出だったと言った後に、母さんが死んだ、と言う。
この非連続の連続。
私も母が亡くなった翌朝、朝陽のきらめきがあまりに美しいので驚いた。
あのときのことを思い出した。
中国では、朝陽なんてモヤってて、よく見えないことが多いし、
きっとよほどの田舎出身の人でないと、そんな美しい夜明けを見たことがないだろう。
そして、畳の上にきちんと座って、頭を下げるって、
本当に美しい姿だと思った。
そういう私は、すぐに足がしびれてしまうので、ぜんぜん正座できないけど。
エンドロールになると、中国人から拍手が上がった。
いつもはエンドロールが始まると、すぐに立ち上がって帰る中国人たち。
でも今日は、半分くらいの人がエンドロールの最後まで座っていた。
そして「小津安二郎に捧げる」という字幕でもう一度拍手が上がった。
ああ、帰りたくなったなあ。
さて、今週末はまた旅に出る。