女の活躍できない社会
朝、目が覚めると、思いっきり伸びをして、何十年も習慣になっている股関節などのストレッチ、屈伸をしてからべッドを降りる。
今日も元気です。
新聞、コーヒー、自家製パンのトースト、ヨーグルトを揃えて台所の定位置に座る。
夫は2時間くらい起きてこない。夜は私が先に寝るから。これがうちの住み分けだ。
淹れ立てのコーヒーを一口、そして新聞を開く。一面の大見出しは
『複数医学部入試不正疑い』
の副題に
「大学名 文科省公表せず」
として、男子合格率の高い上位15校を表にしていた。
街でも大学病院でも女の先生が少ないとは感じていたが、大して気にも留めず、志望者が少ないのか、くらいに思っていた。今年の7月、東京医大の不正が暴かれたとき、なんという恥ずかしい社会なのだろうと、日本の文化の低さにおどろいた。
東京大学を含め、一般の大学では女子学生が男子を凌駕しているところが多いのに、なぜ。その後に明らかになった不正をしていない日本医科大学では志望率に対する合格率の割合は女子の方が高い。ほとんどの医科大でその傾向が見られるようになり、このような不正が始まったのではないだろうか。
熊本市議会で、のど飴を口に入れたまま質疑をしようとした議員が糾弾されて審議が8時間も中断した。テレビで様子を見たが、
「え?何がいけないの?」
という感じだ。
彼女は子持ち女性の立場を理解させようとして、7ヵ月の赤ちゃんを抱いて議場に入ったこともあり、それを踏まえての嫌がらせとしか思えない。
昔、初めてアメリカのスーパーマーケットで買い物をした時、売り場の60代くらいの店員が、にこにこと応対しながら、売っていた小さなお菓子をポンと自分の口に放り込んでいた。私にとっては驚きの光景だった。
熊本の様子を見て意見を求められた外国の町の人が
「こんなことで議会を中断させる?日本はなんて堅っ苦しい社会なんだ」
と言っていた。イギリスのメイ首相が演説中にのど飴をなめている写真まで引き合いに出され、融通の利かない日本社会が酷評された。
問題を起こす女に対するヒステリックな反応で、彼女の行動の起因である〈子持ち女性の社会進出とシステム改革〉を葬ってしまおうとしているようだ。
日本の憲法が戦勝国からもたらされたもので、おのずから生まれたのではないことが、こんな場合にも見えてくる。日本男児の本音はまだまだ
〈女のくせに、女は家で子育てしろ〉
であって、社会の中で女に脅かされる準備はできていないのだ。
せっかく貰った非武装憲法を核武装ができるようにしたいがために改正しようとする政府をこうも長続きさせている社会、多くの国民の頭の中はまだまだ戦前なのだろうか。
海上自衛隊の旭日旗に韓国社会が反発するのを理解できない政府には、もともと民主主義なんてまだ早すぎたのかもしれない。
私は戻りたくないんですけど。
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