せせらぎの音

今日も川沿いの道を往復5キロ、せせらぎを楽しみながら歩いてきた。冬は草木の楽しみが少ない分、空の美しさは格別だし、白鷺の舞うせせらぎには心が広がるようだ。
40代に差し掛かる頃、オーストラリアに一年弱暮した。進学に影響が無い辺りで英語漬けを2人の息子に経験させたかったし、英語塾をしていた自分のためにも。土と木さえあればどこでも暮せるといつも言っていた焼き物屋の夫と一家で出かけた。日本の焼き物を経験したいという陶芸家と全てを交換、仕事場、車、小学校までも。
多くの親切にしてくれた人たち、歩ける距離にあった小さな湖、広大な自然を満喫した。だがいつも物足りなく感じたのが、白っぽく見える緑と茶色の流れない川だった。高低差の少ない土地なのだ。帰国してうちの裏を流れるせせらぎを見た時の嬉しさは忘れられない。この日本の自然の色と音でできている人間なのだとつくづく思った。