さいきんものすごい勢いで本を読んでいる…

この作品は浅田次郎の「沙高樓綺譚」の続編。内容は沙高樓という青山にある高層ビルの中で行われている秘密クラブみたいなのを描いたもの。で、その秘密クラブというのは、功成り名を遂げた名士たちが誰にも言えない秘密を通して人生の機微を語るという、風変わりなもの。しかもその秘密は無論口外は絶対しちゃいけないという前提がある。また話す方もけっして偽りを言ってはいけない。そうやってひとり一話づつ語っていく連作短編集。
内容:
「宰相の器」かつて親子三代にわたる与党の大物政治家だった男の秘書が話す。
主人である大物政治家柴は世間の評判とはうらはらにとんでもない小心者であった。そして総裁選に出馬するにあたり、それを占い師に占ってもらおうと思いつく。そして秘書はかつて長期安定政権を保たせた総理の影にいた二人の占い師にあたるが…。
「終生名誉会員」天正時代から続く三杷家の若き当主は、三杷財閥を相続し知らない者はいないほどの日本きっての名士。ところがすべてを失ったといきなり告白。そして、家督相続した後に雲隠れしたロンドンでのギャンブルの話をはじめた。
「草原からの使者」百数十頭の競走馬をもつオーナーブリーダーが話すかつてもっとも恐怖し歓喜した一日。それは家督相続を賭けた日本ダービー。大本命は日本中を熱狂の渦に巻き込んだ無傷の9連勝馬ハイセイコーだが…。
「星条旗よ永遠に」米陸軍の退役軍人アレックスはかつて戦後の日本で日本人女性と結婚し、日本語を覚えたのがきっかけで長年にわたりGHQの通訳として勤めた。そして退役後、アトランティックシティで生活を送るが、そこで起きた珍妙な出来事、男の最後の一発の話。
感想:
どれもすさまじい薀蓄と、拍手したくなるような見事な人生の機微を描いた作品。とくに表題作はミナミ自身も競馬が好きだったこともあって非常に楽しめた。逆に、「宰相の器」はちょっと最後は思惑がはずれたというか、いまいち最後が盛り上がらなかった。また、「終生名誉会員」もきちんとトリックの種明かしをしてほしかった。「星条旗よ永遠に」は三人の退役軍人の間で交わされる軍事ネタのギャグが面白く、最後まで楽しめた。

この作品は浅田次郎の「沙高樓綺譚」の続編。内容は沙高樓という青山にある高層ビルの中で行われている秘密クラブみたいなのを描いたもの。で、その秘密クラブというのは、功成り名を遂げた名士たちが誰にも言えない秘密を通して人生の機微を語るという、風変わりなもの。しかもその秘密は無論口外は絶対しちゃいけないという前提がある。また話す方もけっして偽りを言ってはいけない。そうやってひとり一話づつ語っていく連作短編集。
内容:
「宰相の器」かつて親子三代にわたる与党の大物政治家だった男の秘書が話す。
主人である大物政治家柴は世間の評判とはうらはらにとんでもない小心者であった。そして総裁選に出馬するにあたり、それを占い師に占ってもらおうと思いつく。そして秘書はかつて長期安定政権を保たせた総理の影にいた二人の占い師にあたるが…。
「終生名誉会員」天正時代から続く三杷家の若き当主は、三杷財閥を相続し知らない者はいないほどの日本きっての名士。ところがすべてを失ったといきなり告白。そして、家督相続した後に雲隠れしたロンドンでのギャンブルの話をはじめた。
「草原からの使者」百数十頭の競走馬をもつオーナーブリーダーが話すかつてもっとも恐怖し歓喜した一日。それは家督相続を賭けた日本ダービー。大本命は日本中を熱狂の渦に巻き込んだ無傷の9連勝馬ハイセイコーだが…。
「星条旗よ永遠に」米陸軍の退役軍人アレックスはかつて戦後の日本で日本人女性と結婚し、日本語を覚えたのがきっかけで長年にわたりGHQの通訳として勤めた。そして退役後、アトランティックシティで生活を送るが、そこで起きた珍妙な出来事、男の最後の一発の話。
感想:
どれもすさまじい薀蓄と、拍手したくなるような見事な人生の機微を描いた作品。とくに表題作はミナミ自身も競馬が好きだったこともあって非常に楽しめた。逆に、「宰相の器」はちょっと最後は思惑がはずれたというか、いまいち最後が盛り上がらなかった。また、「終生名誉会員」もきちんとトリックの種明かしをしてほしかった。「星条旗よ永遠に」は三人の退役軍人の間で交わされる軍事ネタのギャグが面白く、最後まで楽しめた。