またまた内田康夫。邪馬台国に絡んだ話で、いろんな意味で面白かった。
『箸墓幻想』
作者:内田康夫

ストーリー:
奈良の遺跡を調査している畝傍考古学研究所の名誉顧問であり、生涯を邪馬台国の研究に費やした小池拓郎が遺体で発見された。小池が寄宿していた当麻寺の住職から事件の解決を依頼された浅見光彦は住職の娘・有里とともに調査に乗り出す。その直後、小池が発掘調査を進めていたホケノ山古墳から、銅鏡が発見されたことにより邪馬台国論争は畿内説に大きく傾き、発見者であり畝傍考古学研究所の発掘調査のリーダーであった丸岡孝郎は一躍時の人となった。
が、小池のノートを調査していた有里が発見した不審な記録を、考古学研究所の職員・平沢に話た直後、平沢も遺体で発見される。
警察は丸岡を容疑者としてマークするが丸岡は決して口を割らない。
一方、浅見は小池の遺品の中にあった大昔の一葉の写真だけを頼りに、戦前から戦後にかけての小池の交友範囲にあたる。そこからはるか昔の複雑な人間関係を洗い出した浅見は一気に事件の真相に辿り着いた。そしてその以外な犯人の正体は…。
感想:
あとがきを読んで知ったのだが、例の「神の手」捏造事件が本書の執筆終了後に発覚し、しかも本書ではまるで捏造だったのを知って書いたのではないかと思われる記載があった。これはかなり面白い。
本書は邪馬台国論争の話が最初の方で詳しく書かれ、箸墓古墳、そのすぐ側にあるホケノ山古墳が物語の舞台になっているのだが、もちろん実在の古墳。しかも本書の連載開始直後にホケノ山古墳から銅鏡が発見されたため、それが本書にも取り入れられてその当時の様子が詳しくわかる。おまけに本書の中ではその銅鏡が事件を解く重要な手がかりになっているのがまた良くできている。
本書には連載時にはなかったプロローグがあり、最初は読んでもさっぱり意味がわからないのだが(プロローグはたいていそんなものだが)、読了後に読むと色々意味がわかって面白い。とにかく浅見光彦の歴史物系シリーズでは一番面白かった。
『箸墓幻想』
作者:内田康夫

ストーリー:
奈良の遺跡を調査している畝傍考古学研究所の名誉顧問であり、生涯を邪馬台国の研究に費やした小池拓郎が遺体で発見された。小池が寄宿していた当麻寺の住職から事件の解決を依頼された浅見光彦は住職の娘・有里とともに調査に乗り出す。その直後、小池が発掘調査を進めていたホケノ山古墳から、銅鏡が発見されたことにより邪馬台国論争は畿内説に大きく傾き、発見者であり畝傍考古学研究所の発掘調査のリーダーであった丸岡孝郎は一躍時の人となった。
が、小池のノートを調査していた有里が発見した不審な記録を、考古学研究所の職員・平沢に話た直後、平沢も遺体で発見される。
警察は丸岡を容疑者としてマークするが丸岡は決して口を割らない。
一方、浅見は小池の遺品の中にあった大昔の一葉の写真だけを頼りに、戦前から戦後にかけての小池の交友範囲にあたる。そこからはるか昔の複雑な人間関係を洗い出した浅見は一気に事件の真相に辿り着いた。そしてその以外な犯人の正体は…。
感想:
あとがきを読んで知ったのだが、例の「神の手」捏造事件が本書の執筆終了後に発覚し、しかも本書ではまるで捏造だったのを知って書いたのではないかと思われる記載があった。これはかなり面白い。
本書は邪馬台国論争の話が最初の方で詳しく書かれ、箸墓古墳、そのすぐ側にあるホケノ山古墳が物語の舞台になっているのだが、もちろん実在の古墳。しかも本書の連載開始直後にホケノ山古墳から銅鏡が発見されたため、それが本書にも取り入れられてその当時の様子が詳しくわかる。おまけに本書の中ではその銅鏡が事件を解く重要な手がかりになっているのがまた良くできている。
本書には連載時にはなかったプロローグがあり、最初は読んでもさっぱり意味がわからないのだが(プロローグはたいていそんなものだが)、読了後に読むと色々意味がわかって面白い。とにかく浅見光彦の歴史物系シリーズでは一番面白かった。