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読書感想文【宮城谷三国志1~3】

2004年10月26日 14時14分36秒 | 読書感想文
最近、宮城谷昌光の『三国志』第一巻を読んだ。もうず~っと発刊されるのを持っていたので、1日で読み終わってしまった。

三国志(第1巻) 三国志(第2巻) 三国志(第3巻)

たまに文芸春秋で立ち読みはしていたんだけど、あらためて読んでみるとほんとに面白い!これまでの三国志の小説はほとんどが霊帝の時代・黄巾の乱から書き始めるのだが、宮城谷三国志ではその半世紀以上前、後漢王朝初期の頃から丁寧に書いている。なので、劉備も曹操も一巻では登場しないし、逆に曹操の祖父の曹騰が幼年期時代から書かれている。
で、この後漢初期~中期にかけて、以外に英傑というかすごい人物がたくさんでてくるから、結局歴史小説として十分に面白いのだ。

銀英伝人物評127<ミヒャエル・ジギスムント・フォン・カイザーリング>

2004年10月18日 11時40分14秒 | 銀英伝人物評
カイザーリング男爵家の19代目当主。
中将として帝国暦483年のアルレスハイム会戦で司令官として戦い、大敗を喫した。この敗因は補給部門の責任者だった後方主任参謀のバーゼル少将が持ち込んだサイオキシン麻薬が、艦内に蔓延してしまい、兵士たちが中毒を起こしたことに起因する。
ところがカイザーリングは軍事裁判でそのことを隠し、すべての罪をかぶってしまった。バーゼルの妻ヨハンナを愛しているがゆえであるが、なんだかなぁ。で、運良く恩赦があったためにカイザーリングは少将への降格および強制退役で済んだのだ。

その後、帝国暦486年11月、人工衛星クロイツナハⅢでバーゼルと再会することになったカイザーリングだが、そのバーゼルに命を狙われる。これは妻のヨハンナが夫に対して匿名で警告し、サイオキシン麻薬の売買から手を引かせようとしたのが、カイザーリングの仕業と誤解されたからだ。ややこしいなぁ。で、この事件に巻き込まれたキルヒアイスの活躍で最後はバーゼルを自白に追い込んだ。これでアルレスハイム会戦の真相が明らかになるはずだったのだが、証拠となる書類をヨハンナが燃やそうとしたため、カイザーリングは射殺。自らの汚名を雪いだ。

銀英伝人物評126<マヌエル・ジョアン・パトリシオ>

2004年10月16日 01時40分53秒 | 銀英伝人物評
ついでにこいつも書いておくか。
宇宙暦639年、自由惑星同盟の最高評議会議長に就任した。それまでは2度の閣僚歴があり、大過なくそれを勤め上げた。強力な指導者というよりは温厚な調停者という印象。宇宙暦640年、同盟軍と帝国軍が初めて遭遇し、帝国軍の侵攻が避け得ない状況となり周囲からは、この男が元首で乗り切れるだろうかと不安になった。
ところが、このおっさんが曲者というか面白い男で、トラブルメーカーであったリン・パオとユースフ・トパロウルの2人にコンビを組ませて帝国軍にあたらせることを考え付いた。実は国防委員長のヤングブラッドはこの人事に反対したのだが、やんわりと説得した。

で、結局この人事が功を奏してダゴン星域会戦では大勝利を収めるが、その報告を受けた時、パトリシオはヤングブラッドを相手にのんびり三次元チェスをやっていた。報告を聞いても「若い連中がやってくれたらしいよ」とのんびりした感想を言っただけだった(うろ覚え)。
ちなみにこの時のパトリシオのエピソードは元ネタがある。中国の南北朝時代に起きた淝水の戦い(382年)がそれで、前秦軍を打ち破ったことを聞いた東晋の宰相・謝安がまさにこれと同じ状況だった。

戦乱の時代には不向きな政治家と思われていたパトリシオだが、実はすごいおっさんだったという話。

銀英伝人物評125<マクシミリアン・ヨーゼフ・フォン・ゴールデンバウム2世>

2004年10月15日 16時59分54秒 | 銀英伝人物評
久々にちょっと書いてみるか・・・
銀河帝国第23代皇帝。この前後の時代にはエピソードが結構ある。
父帝フリードリヒ3世(第20代)はダゴン星域会戦を起こして敗れた、通称敗軍帝。

フリードリヒ3世には4人の子がいて、長男グスタフは虚弱体質、次男のこいつは母が下級貴族の出身であるため門閥貴族の後ろ盾がなく最初から後継候補には目されておらず、三男ヘルベルトはダゴンの総司令官であったが大敗したため、一気に皇位継承の座から遠ざかった。四男リヒャルトはヘルベルトと容姿がそっくりなのだが、互いに憎みあっている。

フリードリヒ3世の死後、異母兄のマクリミリアン・ヨーゼフ1世が即位、その後グスタフが即位したがすぐに死んでしまったため、百日帝と呼ばれた。実はこれはヘルベルトの配下毒殺したというのが真相だった。
そして死の間際のグスタフから帝位を譲られて帝国暦337年にマクシミリアン・ヨーゼフ2世が即位。だが彼もヘルベルトの毒牙にかかり、半盲になってしまった。それを侍女あがりの皇后ジークリンデと司法尚書ミュンツァーが支えることになる。自由惑星同盟との戦争を避け、劣悪遺伝子排除法を有名無実化したので晴眼帝と呼ばれ、ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝の中でも最高の名君との呼び声が高い。

ちなみにラインハルトの父・セバスチャアンが死んだのはジークリンデ皇后恩賜病院である。