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読書感想文【ターン】【スキップ】【リセット】

2006年03月10日 01時51分15秒 | 読書感想文
今回は北村薫の”時三部作”。最初に読んだのはターンで、これがめちゃくちゃおもしろかった。だいぶ時間たってからスキップを読み、リセットはまたそれからだいぶ経ってから読んだ。

ターン リセット スキップ

簡単に3つを紹介すると、

ターン:
版画家の真希はある日ダンプに撥ねられる。と思ったらなぜか自宅にいた。だがそこは誰もいない世界、いわゆるパラレルワールドだった。そして1日経つとなぜかまたもとの時間に戻る。自分が1日行ったことが全て元に戻ってしまう生活・・・。永遠に同じ日を繰り返す真希だが、なんとか生きていく。そしてある日自宅の電話がなった。

スキップ:
女子高生一ノ瀬真理子はある日突然25年後の世界にいた。そこでの真理子はすでに結婚し、娘もいる国語教師だった。

リセット:
第2次世界大戦中、女学生水原真澄は、結城修一という男にほのかな恋心を抱いていた。が、修一は戦争で命を落とす。
昭和30年代前半。小学5年生の村上和彦はある女性と知り合った。彼女こそは水原真澄だった。実は和彦こそが修一の生まれ変わりであった。修一の頃の記憶が甦った和彦は、真澄に惹かれていく。だが今度は真澄が事故で命を落とす・・・。


感想:
あらためて3つを振り返るとリセットが読後感が一番よかった気がする。なんというか、前世から一緒に見ようと約束していた獅子座流星群を、ついに老夫婦となった二人が見るときのセリフが最高である。この一文のためにそれまでの長々としたストーリーがあったのではないかと、今でも勝手に確信してるのだが。ただ、戦争中の描写は結構退屈だったりする。
スキップは、ある意味悲惨な話で、しかも最終的にまた過去に戻れるわけじゃないからちょっと救いようがない感じがして、一番評価は低いかな。
ターンは最初が退屈なのだが、途中から一気に面白くなる。誰もいない世界のでの生活が何気に面白い。