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【読書感想文】ジェネラル・ルージュの凱旋

2007年09月09日 02時35分05秒 | 読書感想文
今日勤務中に一気に読んだ。



『ジェネラル・ルージュの凱旋』
作者:海堂尊

ストーリー:
救急外科部長の”ジェネラル”こと速水は、ドクター・ヘリの導入を悲願としていたが、財政が逼迫されている東城大付属病院では実現の見込みはほとんどなかった。
ある日、不定愁訴外来の田口公平のところに一通の手紙が届いた。内容は速水が業者と癒着しているという内容だった。リスクマネジメント委員会の委員長でもある田口は、この内容がリスクマネジメント委員会の審議内容にはふさわしくないと判断し、高階病院長に指示を仰ぐと、エシックス(倫理委員会)で審査にかけるよう言われる。だがエシックスの委員長・沼田は田口を目の敵にしており、前途は多難だった・・・。

感想:
これは前作『ナイチンゲールの沈黙』と同時刻に起きた事件を扱っており、先に『ナイチンゲール』を読んでないと意味がわからない場面が多々出てくる。
で、肝心の面白さは、『ナイチンゲール』と『螺鈿迷宮』で思いっきり裏切られたのに対し、これは結構面白かった。速水は目の前の患者を救うことに情熱を傾ける医師であり、そのために病院の財政の問題に直面する。これは今の医療現場そのものの描写ともいえ、非常に興味深い内容である。
また、今回は電波を飛ばすキャラがほとんど出てこず、現実主義的かつ爽やかな速水の人柄もあって、さくさく読めた。
白鳥の出番は少ししかなくちょっと寂しかったが、まぁ次回作に期待か。姫宮も結構活躍するが、『螺鈿迷宮』を読めばさらに面白い。