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No.0792 朽ちていった命

2019-08-09 18:13:03 | インポート
"朽ちていった命" 衝撃的なタイトルです。

東海村臨界事故で被爆した男性の壮絶な闘病記録です。


最初、このタイトルが気になり手に取った一冊。
あー、あの東海村臨界事故の記録か!と読み始めた。
読み始めてすぐ、大変なものを手にしたと思った。
それからは、一気に読み進めた。

高いレベルの放射能に被爆すると大変なことになるという、漠然としたことは分かっていたように思うが、これを読んで被爆の恐ろしさをまざまざと感じさせられた。

放射能って、音も臭いも何もない。
線量計が無ければ、被爆していることさえ気付かない。

でも被爆した瞬間、まさに北斗の拳の「お前はもう死んでいる」状態なのだ。

人間の細胞は古くなると死んで新しい細胞が作られる。その繰り返しで生命が維持されている。
ところが、被爆した瞬間、細胞の設計図染色体(DNA)がバラバラに破壊され、新しい細胞を作ることが出来なくなるそうだ。
こうなると、日に日に細胞は死んでいくのみで、再生されないため死を待つしかない。
どんな治療をしても設計図を修正して細胞を作れるようには出来ない。


放射線被爆者の治療に権威ある東大の先生や、世界中の専門医が集まり、最新の設備、薬を用いて治療に当たっても助ける事が出来なかった。

この死に方の何と酷いことか。
全身の皮膚が死んで無くなっていき、肉が露出してしまう。
ちょっと擦りむただけでも、ヒリヒリするし、水掛けただけでも痛い。
これが全身で起こるのだ。
この痛みに耐えながらやがて力尽きてしまう。
想像しただけでも苦しくなる。

このような状態が皮膚だけではなく、内臓を含め体中で起こるのだ。

倒木が数年かけて朽ちていくように、人間の体が数十日で朽ちていくのである。


83日の闘病記録。そう83日もの間、もがき苦しみながら命が朽ち果てたのだ。

改めて、核兵器が二度と使われるようなことがあってはならないと強く思う。
発電などの平和利用も賛否両論があるのがよくわる。

多くの人が、この本を読んで考えてみる事をお勧めする。

読み終えて、放射能についていろいろと考えるとともに、最後はやっぱり東海村臨界事故で亡くなられた方の冥福を祈りたい。




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