Yukoの日記

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読書  2015.2

2015-02-12 19:22:14 | 日記
銀行仕置人

著者    池井戸 潤

通称「座敷牢」。関東シティ銀行・人事部付、黒部一石の現在の職場だ。五百億円もの巨額融資が焦げ付き、黒部はその責任を一身に負わされた格好で、エリートコースから外された。
やがて黒部は、自分を罠に嵌めた一派の存在と、その陰謀に気付く。嘆いていても始まらない。身内の不正を暴くこと・・・それしか復権への道はない。メガバンクの巨悪にひとり立ち向かう、孤独な復讐劇が始まった!

★ここしばらくは池井戸潤さんの銀行シリーズにはまっています。
人事部付の出向待ちからの逆転次長ポストへの返り咲き、安心して読み進められます。
銀行の大変な中、このシリーズは本当に面白いです。


民王
著者    池井戸 潤

「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っ払い大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!?
一気読み間違いなしの政治エンタメ!              解説・村上貴史

夢かうつつか、新手のテロか?  少年よ、総理(オヤジ)をめざせ!
総理と息子の非常事態・・・。 謎が謎をよぶ、痛快政治コメディ。

★物語は日本の二人の首相が、相次いで任期半ばで職務を放り出して辞任するという話から始まります。
総理大臣に就任したばかりの武藤泰山と、大学生の息子・翔と、体はそのまま、脳みそだけ入れ替わってしまうのです。
頭の中からっぽの留年大学生、おやじのほうも立派な内閣総理大臣でもないのですが・・・。
単なるドタバタで終始するのではなく、政党、認可、農業、政策、その他色々なことに対して問題点を訴えているようで、痛快に真剣に一気読みでした。


村上海賊の娘  (上巻)      2014年 本屋大賞   大賞受賞作 

著者    和田 竜

ならば海しかない。頼るのさ、天下一の海賊に。
     ☆
こんな面白いこと、他の奴にやらせてたまるか。
     ☆
動揺する難波と瀬戸内海、景はむかう、
波濤の先に何が待ち構えていようとも。

難波の海にたちはだかるのは、戦国最強の信長軍。 

和睦が崩れ、信長に攻め立てられる大坂本願寺。海路からの支援を乞われた毛利家は、「海賊王」こと村上武吉を頼ろうとした。
その娘、景は海賊働きに明け暮れ、地元では嫁のもらい手のない姦婦で醜女だった・・・。

木津川合戦の忠実に基づく歴史巨編


村上海賊の娘  (下巻)  

オレならできる。
     ☆
この木津川を通りたいちゅうんやったら、
束になって掛かって来んかい。
死んでも通さへんど!
     ☆
それぞれに迫られる決断、
そして自分はどうありたいか、という問い。

人ひとりの性根を見くびるな。 

織田方の猛攻を雑賀衆の火縄が食い止め、本願寺門徒の反転攻勢を京より急襲した信長が粉砕する。
村上・毛利の連合軍もついに難波海へ。
村上海賊は毛利も知らぬ禁じ手と秘策を携えていた・・・。

★日本最大の海賊王と言われた村上水軍の最盛期を作った武将・村上武吉。村上海賊の当主の家に生まれた勇猛な女性「景(きょう)」。彼女を主人公に、大活劇が繰り広げられる。
海賊船同士の逆転に次ぐ逆転の合戦場面には引き込まれる。 
景が大の大人の男と対等に渡り合う姿、また媚びることも愛に溺れることもなく容赦ないのが、魅力的また感動的でもありました。
海賊や武士の心情や立場が細かく描かれ、歴史ファンならずとも楽しめること間違いなしです。

終章に近いある日、機会があって千早赤阪村にあるスイセンの丘に行って来ました。この寒空に見事に咲き誇っています。展望台からの遙か彼方には、まるで傷だらけの「景」が乗っているであろう海賊船が一瞬浮かんだ気がしたのでした。