Yukoの日記

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読書 8月

2015-09-08 16:37:47 | 日記
火花       2015年  芥川賞受賞       200万部突破

著者    又吉 直樹

「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。熱海湾に面した沿道は白昼の激しい日差しの名残りを夜気で溶かし、浴衣姿の男女や家族連れの草履に踏ませながら賑わっている」。このリズムから始まって、これからの文章に胸が高鳴って行くのを覚えます。
お笑い芸人を題材にした純文学を書ける人間はピース又吉以外いないと言われていますが、優しさを感じさせる文体の中に文学的な難しさの表現もあったりで好きな文章の流れです。
主人公の若手芸人「僕」(徳永)が語り手となり、ちょっと癖のある先輩芸人「神谷」と過ごした濃密な青春を描いた中編小説。
歴史的快挙となった、お笑いコンビ「ピース」又吉直樹(35)の今後に目が離せません。


スクラップ・アンド・ビルド      2015年  芥川賞受賞

著者    羽田 圭介

(あらすじ)
主人公は、青春というには少し年をとった二十八歳の健斗。以前の職場を自己都合退職した後、資格試験の勉強を自宅でしながら、月に一、二度はさまざまな企業の中途採用試験を受けては落ちるということを繰り返している。その彼の家に同居しているのが、八十七歳になる祖父である。
「じいちゃんは、すっかり馬鹿になってしもた。死んだらよか」というのが口癖で、実際、服毒自殺を試みたこともあるのだが、その年齢からすれば「いたって健康体」で、健斗もその母もいささか持て余している。
「祖父がこの先五年も十年も行き続ければ、その間に母は祖父を絞め殺ししかねないし、特別養護老人ホームはどこも順番待ちだ」というのが現実なのだ。そんな状況の中で、健斗はかいがいしく世話を焼くかにみせて、じつは祖父が社会復帰する訓練機会を奪い、弱らせようと企むのである。(引用・ネット東京新聞)
孫が編み出す行動に妙な可笑しみが、何となく興味を掻き立てられます。後味が残る作品だった。


★ 9/6(日)、八尾の盆踊りは雨で中止、また9/8(火)も台風の影響ありで天候が悪く、岩湧山へのウォーキングも行けず秋海棠も後日の楽しみとなってしまいました。
そういうことで、先月に読んだ芥川賞受賞作品を投稿です。